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TSKaigi 2025 参加レポート

に公開

はじめに

2025/5/23(金)~2025/5/24(土)の二日間で、東京の神田で開催されたTSKaigi 2025の参加レポートになります。
イベントの様子や印象に残っているセッションについて紹介します。

各セッションのスライドが公開されていたりするので、ぜひチェックしてみてください。
https://2025.tskaigi.org/

会場の様子

会場では多くのエンジニアが集まっており、非常に盛り上がっていました。
様々なスポンサーのブースが設けられており、スポンサー企業でのTSをどのように使っているかについて紹介していたり、ノベルティをいただけたりしました。

参加したセッション

私が参加したセッションについて紹介します。

Day1

The New Powerful ESLint Config with Type Safety

https://2025.tskaigi.org/talks/antfu
ESLint v9.0.0からデフォルトになったとされるflat configの紹介と運用をしていく上でのノウハウが紹介されていました。
ESLint自体は使っていましたが、あまり動向が追えていなかった為かなり勉強になりました。
特にESLint Config Inspectorは視覚的に有効化しているルールや対象ファイルを確認したりできるところで印象に残りました。

スキーマと型で拓く Full-Stack TypeScript

https://2025.tskaigi.org/talks/Altech_2015
GraphQLスキーマを活用してフロントエンドとバックエンドを疎結合化し、スピード感を持たせながらの持続的な開発に重きをおいていて、プロダクトをどんどん成長させていきたい過程でとても重要な考え方だと感じました。
迅速な立ち上げと持続的なスケールを両立させるための具体的で説得力のある発表だと感じました。


TypeScriptとReactで、WAI-ARIAの属性を正しく利用する

https://2025.tskaigi.org/talks/ymrl
TypeScriptとReactにおけるWAI-ARIAの課題点についての解説を拝見しました。
WAI-ARIAはアクセシビリティ向上の観点から不可欠なものだと認識していますが、まだ熟知しているわけではありません。
ですが、WAI-ARIAを使用すべき場面では積極的にそして適切に活用できるよう、日頃から意識を高めていきたいです。

TypeScriptとは何であって何でなく、誰のもので、どこへ向かうのか

http://2025.tskaigi.org/talks/__sosukesuzuki
TypeScriptのエコシステムの変化について話されていました。
また、下記のアンダース・ヘルスバーグさんによって公開された「A 10x Faster Typescript」についても触れられていました。
TypeScriptをコンパイルしてJavascriptに変換してから実行するというビルドレイヤの存在がどんどん溶けて透明になっていき、バックエンドではビルドレイヤというのは全く意識されなくなるだろうという話がとても興味深かったです。
https://devblogs.microsoft.com/typescript/typescript-native-port/


Day2

TypeScriptネイティブ移植観察レポート TSKaigi 2025

https://2025.tskaigi.org/talks/berlysia
tsgoについてわかりやすく説明をされていて、追えてない自分でも今どういう開発状況なのかが分かって良かったです。
tsgoの移植にあたって「自動変換→手動修正→テストの繰り返し」ということを言っていて、AI時代の開発において学べることがかなりあるなと感じました。

TypeScriptとVercel AI SDKで実現するLLMアプリケーション開発:フロントエンドからバックエンド、そしてChrome拡張まで

https://2025.tskaigi.org/talks/Kesin11
Vercel AI SDKを使用したLLMアプリケーションを開発する上でのノウハウについて紹介されていました。
内容からもAI SDKを使ったLLMアプリケーションの開発が情報が充実していることが分かりました。
LLMアプリケーションはまだ作ったことが無かったのでこれを機に作ってみたいです。


お昼ごはん

学生とプラチナスポンサー企業によるスカラーシップランチでした!

TSKaigiに来た自分と同じ学生の方々やスポンサー企業の方々、TSKaigiのスタッフの方々とも話すことができてとても楽しかったです!


ts-morphで、人間も編集できるコード生成を実現しよう!

https://2025.tskaigi.org/talks/Selria1
ts-morphを使った人間も編集できるコード生成を実現した方法について話されていました。
スキーマ駆動開発をしていて、OpenAPIを使ってコード生成をしてもらう際にプログラマが書きたい処理の部分が存在することがあります。
その部分をts-morphを用いてAST操作をすることによって解決していました。
自動生成されているファイルの部分を人間も編集しても消えないように実現するといった発想がなかったので面白いなと思いました。

機能的凝集の概念を用いて複数ロール、類似の機能を多く含むシステムのフロントエンドのコンポーネントを適切に分割する

https://2025.tskaigi.org/talks/omotidaisukijp

フロントエンドのコンポーネントについて、どのように分割すると機能的凝集を実現できるかといった話でした。
発表の初めにモジュールの凝集度の話をしていて、発表ではなるべく避けたいとされる論理的凝集と好ましいとされる機能的凝集について注目していました。
意識としては機能的凝集を実現したいと思っているものの、自分の中で言語化、形式化できていないと実際にコードにその思想を落とし込むことは難しいと思いました。
発表ではこの部分がちゃんと言語化されていてわかりやすかったです。

TS特化Clineプログラミング

https://2025.tskaigi.org/talks/mizchi

実際にうまくいったプロンプトとはどんなプロンプトか、うまくいかなプロンプトはどのようなものかについて紹介と、それらがなぜそうなっているのかについて発表されていました。
その中で特に重要な手法として挙げられていたのが「TDD(テスト駆動開発)」です。
これは、AIにテストが失敗したことを自己認識させ、その都度コードを修復させるというアプローチです。
この手法を用いることで、実装完了時にはテストがすべて通っている状態を担保できるため、非常に重要だと感じました。


懇親会

色んなエンジニアの方々とお話させていただきました。
TSKaigiに来なければ話せることはなかったと思いますし、オフライン参加したからこそ得られたものがたくさんあったなと思いました。

お寿司の実演提供と、豪華なビュッフェがありました。
TSKaigiの特製ケーキもあって驚きでした。



感想

初のオフライン参加カンファレンスだったので、ちゃんとセッションが理解できるか、お会いした方々と会話することができるかかなり不安でした。

しかし、優しい方ばかりでしたし、いろいろな方々から話しかけていただいたり話しかけることができました。

今回の学生支援制度によってTSKaigiに参加することができて本当に良かったです。
学生の皆さんはぜひ学生支援制度を使ってTSKaigiに参加してみてはいかがでしょうか。

自分も登壇する側の人間として、TSKaigiに参加できるようになりたい...
来年のTSKaigiもぜひ参加したいです。今度はエンジニアとしてになりますが...

運営ボランティアの皆様、スポンサー企業様、個人スポンサーの皆様、運営ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

非常に良い経験をありがとうございました!


【TSKaigi 2025 学生支援企業】様

株式会社TOKIUM
株式会社ドワンゴ
トグルホールディングス株式会社
レバレジーズ株式会社
株式会社TwoGate

改めてになりますが、学生支援企業様、今回このような機会を設けてくださり、本当にありがとうございました!

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