スマホで書きやすい言語について

色々考えてみる。
発端
スマホで書きやすい言語ってなんなんだろうな。書くときとフォーマット後の形状はだいぶ変わる気がする。対応関係を記述するのを省略したい。インデントとかは結構つらい。いわゆるノード型のguiは逆に使いづらい(気がする)
今書いてる文章の様にだらっと繋げられて後に修飾でごまかせる表現が良い

考えていった結果そもそも欲しいのはプログラミング言語ではなく検証なりフィードバッグなのかもしれない。そしてそれをスマホから行うuxが欲しいという話なのかもしれない。という感じになってきた。

連想してみる
連想結果の箇条書きの回答だけをコピペする

はい、承知いたしました。
現時点までの思考の断片やアイデアを、可能な限り詳細にリストアップします。
全体的なテーマ:スマホで快適な思考の記述・コーディング環境
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根本的な課題:
- スマホでの入力に適した「書きやすい表現」と、後で読み返すのに適した「読みやすい表現」は異なる。
- このギャップを、フォーマット機能によって吸収したい。
- 避けたい操作:
- インデントの多用。
- ノードを繋ぐようなGUI操作。
- 頻繁なカーソル移動。
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入力(書くとき)の理想像:
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表現の柔軟性:
- だらっと繋げて記述でき、後から修飾で体裁を整えられる。
- 日本語のように、語順がある程度自由でも意味が通じるような柔軟性を持つ。
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入力手段:
- フリック入力で利用可能な範囲の記号で完結させたい。
- 日本語の助詞(「は」「が」「を」など)で要素間の関係を示すことも考えられる。
- 音声入力で注釈を加えるアイデアも浮上。
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スタンス:
- AIによるコード生成は最終手段とし、あくまで「自分で記述する」ことを前提としたい。
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表現の柔軟性:
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データの持ち方・構造についてのアイデア:
- 具体的な出力フォーマットに依存しない、中間的なデータ構造で保持したい。
- 例: AST (抽象構文木)、S式、JSONなど。
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利点:
- Rustの
serde
のように、データ構造そのもの(何をしたいか)の記述に集中できる。 - 入力時の表現と、閲覧時の表現を完全に分離できる可能性。
- Rustの
- 具体的な出力フォーマットに依存しない、中間的なデータ構造で保持したい。
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UI・実行環境についての要望 (副次的な話題として):
- Webエディタのように、入力から実行結果の確認まで完結していると嬉しい。
- SyntaxエラーやRuntimeエラーなどのフィードバック機能は必須。
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新たに発生した思考の分岐点:
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役割の分離:
- 思考をメモするためのマークダウン的な機能と、実行可能なプログラミング言語としての機能を、一度切り分けて考えるべきではないか。
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対話的なインターフェース:
- マスターデータを記述するセッションと、対話しながら意味を確定させていくセッションの2つに分けるアイデア。
- 懸念: スマホの画面上に2つのセッションをどう表示するかというUI上の課題。
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役割の分離:

💭本当に実行可能な言語が欲しいのか?それともメモが書きたいのか?

はい、承知いたしました。
現時点までの思考の断片やアイデアを、可能な限り詳細にリストアップします。
全体的なテーマ:思考を快適に記録・整理するための理想的なインターフェース
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根本的な課題と欲求:
- スマホでの入力しやすさ: インデントや複雑な記号を避け、フリック入力や日本語で柔軟に記述したい。
- 仮説の検証: 「実行可能な言語」という言葉の背景には、書いた内容がどう解釈されるか、どう動くかというフィードバックを得て、自身の考えを確認したい欲求がある。
- 主体性の確保: AIに勝手に解釈を確定されたくない。「確定」という行為は自分で行いたい。
- UIのシンプルさ: 「確定」や選択のプロセスで、煩雑なUI操作はしたくない。
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インターフェースのイメージ:
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基本はチャット形式:
- LLMとの対話のようなUIを想定。
- ただし、AI側は勝手な解釈や要約をせず、ユーザーの入力をそのまま受け止めて記録する。
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思考の記録方法:
- 思考の備忘録として、時系列で履歴を積み上げたい。
- 「思索にふける」ような発言は、そのまま逐次記録されることを望む。
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「確定」という概念:
- 曖昧なメモやアイデアに対して、自分の意思で「確定」させ、構造や状態を記録したい。
- これは思考に一区切りつける行為に近い。
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対話の役割分担:
- マスターデータ(一次的なメモ): ユーザーが自由に入力する。
- 解釈の合意形成: ユーザーがAIに対して解釈を求め、対話を通じて修正し、最終的な合意を目指す。このプロセスでは、AIによる途中経過の長大な要約は不要で、最終結果のみが重要。
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基本はチャット形式:
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初期のアイデア(関連事項):
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データの持ち方:
- 具体的なフォーマットに依存しない中間表現(AST, S式, JSONなど)が望ましい。
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入力手段:
- 音声入力で注釈を加え、対話的に意味を確定させるアイデア。
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思考の整理:
- 当初は「メモ書き」と「プログラミング言語」を分けて考えていたが、より根源的な「思考の記録と検証」というテーマに収斂しつつある。
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データの持ち方:
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新たに発生した思考のポイント:
- AIとの理想的な関係性: AIは「正解を提示する賢い教師」ではなく、「ユーザーの思考を忠実に記録し、求められた時だけ解釈を試みる誠実な書記」のような存在であってほしい。
- 履歴の扱い: 全ての履歴は必要だが、AIによる解釈の「中間生成物」の冗長な繰り返しは避けたい。

結局のところ記録に行き着くのだろうか?

はい、承知いたしました。
現時点までの思考の断片やアイデアを、可能な限り詳細にリストアップします。
全体的なテーマ:理想的な思考の記録・整理インターフェース
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中心的な課題意識:
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デバイス間の編集能力の差:
- PC: 複数の情報や画面を俯瞰しながら、つぎはぎや全体調整といった「編集」作業が得意。
- スマホ: 画面の制約上、俯瞰的な編集は難しい。一方で、目の前のことに集中して思考を書き出す「没入したメモ」には向いている可能性がある。
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入力と閲覧のギャップ:
- スマホで入力する際は、改行や空白を気にしない「だらっとした」文章になりがち。
- しかし、そのままの形式では後から自分自身が見返した時に読みづらい。
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デバイス間の編集能力の差:
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浮かび上がってきた主要なコンセプト/機能要素:
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静かな対話型UI (聞き役に徹するAI):
- ユーザーの入力を勝手に解釈・要約せず、静かに受け止めて記録する。
- 問いかけられた時だけ、忠実に聞き返すような振る舞いが理想。
- AIは「賢い教師」ではなく「誠実な書記」としての役割を担う。
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意味を変更しないフォーマット機能:
- ユーザーが入力した「だらっとした」文章の意味を変えずに、箇条書きにするなど、後から読みやすい形に自動で整形するステップ。
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対話を通じた合意形成と最終出力:
- ユーザーがAIに解釈を求め、対話を通じて修正し、最終的な合意(結論)を目指すプロセス。
- この対話では、AIによる途中経過の長大な要約は不要で、「最終結果」だけが欲しい。
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対話的な訂正プロセス (音声入力の活用):
- 一次的なテキスト入力(マスターデータ)とは別に、音声で注釈を加えたり、対話しながら意味を確定させたりするセッションを持つアイデア。
- 話しながら議事録を埋めていくようなイメージ。
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スマホで手軽に書けるプログラミング言語:
- 当初の出発点。根底には、書いた内容の「仮説検証」をしたいという欲求がある。
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思考の記録と履歴の扱い:
- 備忘録としての役割: 思考の履歴は、時系列で全て積み上げていきたい。
- 履歴の区別: ユーザー自身の「思索」の記録と、AIとの「解釈の合意」プロセスは区別して扱いたい。特に後者の中間生成物は冗長なので避けたい。
- 「確定」という行為: ユーザー自身の主体的な意思で、思考の断片を「確定」させ、構造化して記録したい。このプロセスはシンプルであるべき。
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思考の全体像:
- 当初の「スマホ向けプログラミング言語」という具体的なテーマから、より根源的な「スマホという制約の中で、いかに快適に思考を記録し、整理し、検証するか」という、より大きなテーマへと関心が広がっている状態。複数のアイデアが並立しており、それぞれの関連性や優先順位を模索している段階。

発散した
- 入力した文章を読みやすくする「フォーマット」
- AIとの対話で得た「最終的な結論」の出力
- 音声なども使った「対話的な訂正プロセス」
- 当初の目的だった「スマホ向けのプログラミング言語」

はい、承知いたしました。
ここまでの対話で登場した専門用語や、思考を整理する上で重要となる概念について解説します。
登場した専門用語・概念の解説
ここまでの対話で、ご自身の思考を表現するためにいくつかの専門的な言葉が使われました。それぞれの言葉が持つ意味と、今回の対話における役割を整理してみましょう。
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AST (Abstract Syntax Tree / 抽象構文木)
- 簡単な説明: プログラミング言語などのソースコードが、どのような構造になっているかを表現するための、木のようなデータ構造のことです。例えば、「1 + 2」というコードは、「+」という親ノードに、「1」と「2」という子ノードがぶら下がった形で表現されます。
- 今回の対話での使われ方: 「だらっと書いた文章」や「柔軟な表現の言語」を、コンピュータが解釈しやすい形式(中間表現)に変換する際の、変換先のデータ形式の候補として登場しました。ASTで持っておけば、そこから様々な最終的な表現(綺麗なコード、箇条書きなど)に変換しやすくなる、という文脈です。
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S式 (S-expression)
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簡単な説明: LISPというプログラミング言語で使われる、データとプログラムを統一的に表現するための書き方です。
(関数名 引数1 引数2)
のように、すべてをカッコで囲んだリストで表現するのが特徴です。 - 今回の対話での使われ方: ASTやJSONと同様に、思考を記録するための中間的なデータ形式の候補として挙がりました。構造がシンプルで、プログラムによる処理がしやすいという利点があります。
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簡単な説明: LISPというプログラミング言語で使われる、データとプログラムを統一的に表現するための書き方です。
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serde
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簡単な説明: プログラミング言語Rustで非常に人気のあるライブラリ(機能の集合体)の名前です。主な役割は、プログラムが扱うデータ構造(例:
struct
)を、JSONのような外部のデータ形式に変換したり(シリアライズ)、その逆を行ったり(デシリアライズ)することです。 -
今回の対話での使われ方: 「具体的なデータ形式(JSONなのか、など)を気にすることなく、『このデータは変換可能である』という印だけを付けておける」という
serde
の利便性を引き合いに出し、思考を記述する際も「最終的な見た目を気にせず、まず内容そのものを記述したい」という理想を表現するために使われました。
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簡単な説明: プログラミング言語Rustで非常に人気のあるライブラリ(機能の集合体)の名前です。主な役割は、プログラムが扱うデータ構造(例:
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LLM (Large Language Model / 大規模言語モデル)
- 簡単な説明: 私のような、大量のテキストデータを学習し、人間のように自然な文章を生成したり要約したりできるAIモデルのことです。
- 今回の対話での使われ方: 当初は便利なツールとして見ていましたが、次第に「勝手に解釈や要約をしすぎる」という側面が、ご自身の求める対話相手の姿とは異なると気づきました。そこから、「解釈をしない、聞き役に徹するAI」という理想像が生まれるきっかけとなりました。

はい、承知いたしました。
これまでの対話内容に基づき、思考の整理と今後の検討を進めるための「思索のタスクリスト」を作成します。これは具体的な開発タスクではなく、今後考えるべき論点やアイデアを網羅的に洗い出したものです。
【思索のタスクリスト】
1. 全体コンセプトの再定義と目的の明確化
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1-1. このツールが解決したい「一番の課題」は何かを言語化する
- サブタスク:当初の「スマホで書けるプログラミング言語」から「思考整理インターフェース」へと関心が移った背景を分析する。
- サブタスク:「仮説の検証をしたい」という欲求の根源は何かを掘り下げる。
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1-2. PCとスマホの役割分担を定義する
- サブタスク:PCでの「俯瞰的な編集」と、このツールが担う「没入したメモ」の関係性を整理する。
- サブタスク:このツールで生まれた思考の断片を、最終的にPCでどのように活用するかの理想的な流れを構想する。
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1-3. ユーザーとAIの理想的な関係性を定義する
- サブタスク:「静かに聞き返す」「誠実な書記」とは、具体的にどのようなAIの応答パターンかを定義する。
- サブタスク:AIに「勝手に解釈されたくない」という感情の背景にあるものを探る。
2. 中核となる機能・概念の深掘り
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2-1. 「入力」フェーズの理想像を探る
- サブタスク:スマホのフリック入力でストレスなく書ける「だらっとした文章」の具体例を複数パターン書き出してみる。
- サブタスク:日本語の助詞などを活用して構造を示すアイデアの実現可能性と限界を検討する。
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2-2. 「意味を変更しないフォーマット」機能の要件を検討する
- サブタスク:どのような入力文を、どのようなフォーマット済み出力に変換したいか、具体的なBefore/Afterの例を作成する。
- サブタスク:フォーマットのルールは固定か、ユーザーが選択・調整できるべきかを検討する。
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2-3. 「確定」という行為の概念設計を行う
- サブタスク:ユーザーは「何を」「どのタイミングで」確定させたいのかを考える。
- サブタスク:「確定」を宣言するための、煩雑でないUI/UX(特定のキーワード、簡単なジェスチャーなど)を複数案出してみる。
- サブタスク:「確定」された情報と、そうでない「未確定」の情報の扱いや表示上の違いを設計する。
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2-4. 「対話による合意形成」プロセスのフローを設計する
- サブタスク:ユーザーがAIに「解釈」を求める際の、具体的な発話(コマンド)を検討する。
- サブタスク:解釈の訂正が繰り返される対話において、「最終結果」のみを効率的に得るための方法を考える。(例:「/summarize --final」のようなコマンド)
3. 入力手段とインターフェースの具体化
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3-1. 音声入力の活用方法を具体化する
- サブタスク:「マスターデータ(テキスト)」と「音声による注釈」の2セッションを持つUIの具体的な画面イメージを描いてみる。
- サブタスク:音声で「何を」指示するのか(テキストの修正、意味の補足、確定の宣言など)を整理する。
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3-2. 履歴の表示方法を検討する
- サブタスク:「思索にふけるだけのログ」と「AIとの解釈のすり合わせログ」を、画面上でどのように見分けるかを考える。
- サブタスク:時系列の履歴を遡る際の快適なUI/UXを検討する。
4. 技術的な実現可能性の検討
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4-1. データの持ち方を検討する
- サブタスク:S式、JSON、ASTなどの候補について、今回の目的(柔軟な入力、フォーマット変換、構造化)に対するメリット・デメリットを比較検討する。
- サブタスク:「だらっとした日本語」から、これらの中間表現に変換するためのパーサー(解析器)の実現難易度を見積もる。

なんかだんだんLLMとの会話の持ち方の話になってきた気がする。APIを利用した自作アプリにしかつくれないものかも?

はい、承知いたしました。
現時点までの思考の断片やアイデアを、自己言及的な最新の気づきも含めて、可能な限り詳細にリストアップします。
全体的なテーマ:理想的な思考の記録・整理インターフェース
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根本的な課題意識:
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デバイス間の編集能力の差:
- PC: 複数の情報を俯瞰しながら全体を調整する「編集」が得意。
- スマホ: 俯瞰は苦手だが、目の前の思考を書き出す「没入」には向いている。このツールの役割は後者にあるべき。
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入力と閲覧のギャップ:
- スマホでの入力は改行や空白を気にしない「だらっとした」ものになるが、そのままでは後から読み返しにくい。
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デバイス間の編集能力の差:
浮かび上がってきた主要なコンセプト/機能要素
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静かな対話型UI (聞き役に徹するAI):
- ユーザーの入力を勝手に解釈せず、静かに受け止めて記録する。AIは「賢い教師」ではなく「誠実な書記」であるべき。
- 根底には「AIに勝手に解釈を確定されたくない」「思考の主導権は自分が握りたい」という欲求がある。
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思考のライフサイクルと操作:
- 入力 (だらっと記述): フリック入力や日本語で、思いついたままに思考を書き出す。
- フォーマット (意味を変えない整形): 入力された文章を、後から読みやすいように自動で整形する。
- 確定 (主体的な構造化): ユーザー自身の意思で、思考の断片を「確定」させ、構造化して記録する。この操作はシンプルであるべき。
- 合意形成 (対話による結論): AIに解釈を求め、対話を通じて修正し、最終的な結論を得る。このプロセスでは途中経過の冗長な出力は不要。
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入力手段の多様性:
- 音声入力の活用: テキストとは別のセッションで、音声で注釈を加えたり、話しながら議事録を埋めるように思考を整理したりするアイデア。
メタ的な課題:「履歴」そのものの扱い
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1. ダンプ行為の価値と副作用:
- 価値: 「詳細ダンプ」によって、その時々の思考のスナップショットを残すことは、変化の過程を理解する上で非常に重要である。
- 副作用 (履歴の汚染): 「詳細ダンプして」というコマンドとその出力自体が履歴に残り、純粋な思考の流れを追う上でのノイズになる。
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2. 履歴の二重性への要求:
- 純粋な思考ログ: ユーザーの思考の流れや対話そのものを、ありのまま記録するセッション。
- 整理されたビュー: 「詳細ダンプ」のようなメタ的なコマンドやその出力を除外し、整理・構造化された結果だけを確認できるセッション(あるいはビュー)。
- 背景: この分離が必要なのは、単にログが見にくくなるだけでなく、聞き手であるLLMがメタ的な出力を学習してしまい、対話の文脈が二重にコミットされてしまう(混乱する)のを防ぐため。
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結論:
- 当初の「スマホ向け言語」から、「思考の記録・整理ツール」へとテーマが深化。
- さらに、「ツールとの対話履歴を、いかに純粋な形で保ち、どう活用するか」という、よりメタな課題意識へと発展している。

対話履歴の持ち方をちょっと気をつける必要があるのかも?
この辺で一発ポエムを

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target_reader: [ソフトウェア開発者、UI/UXデザイナー、知的生産ツールに興味を持つ人々]
objective: [モバイルデバイスにおける思考記録の課題から、対話型インターフェースのメタ的な問題に至るまでの思考の探求プロセスを詳述する。]
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思考の記録から記録の汚染へ:あるインターフェース探求の軌跡
第1章: 出発点、あるいはモバイルコーディングの憂鬱 📱
すべての始まりは、一つの素朴な疑問だった。モバイルデバイス、特にスマートフォンで快適に記述できるプログラミング言語とは、一体どのようなものだろうか。現代のプログラミング言語の多くは、その構文がインデントや厳格な記号の配置に依存している。これはパーソナルコンピュータ(PC)の物理キーボードと広大な画面という環境を前提とした設計であり、タッチスクリーンとフリック入力が主体のスマートフォン上では、カーソルの頻繁な移動やインデントの調整は大きなストレスとなる。
このストレスを回避するために、いわゆるノード型のGUI、つまり視覚的なブロックを繋ぎ合わせるインターフェースも考えられるが、それはそれで思考の流れを断ち切り、直感的ではないように感じられた。むしろ理想は、自然言語の文章を綴るように、だらっと連続的に思考を書き連ねていくことができ、後から何らかの修飾やフォーマットによって構造化できるような表現形式ではないか。
この発想の背景には、日本語の特性があるかもしれない。英語のようなSVO構造を持つ言語が語順に厳格であるのに対し、膠着語[1]である日本語は助詞によって単語の関係性が示されるため、語順の自由度が高い。この「無理やり言葉を繋げても意味が破綻しにくい」という特性を、コーディングの入力体験にも持ち込めないだろうか。つまり、記述の段階では構文の厳密さに囚われず、思考の速度を落とさずに入力し、その後にシステムが解釈し、整形を施す。書くための表現と、読むための表現は非対称であって良い、という考えが芽生え始めた。
第2章: 「実行可能性」という名のフィードバック ⚙️
当初の「実行可能なプログラミング言語」という発想を掘り下げていくと、その本質的な欲求は、コードを実行することそのものではなく、「記述したものがどのように解釈されるか」というフィードバックを得て、自身の仮説を検証したいという点にあることに気づいた。これは、大規模言語モデル(LLM)[2]に自然言語で指示を与え、コードを生成させる体験にも通じる。しかし、AIによる完全な自動生成はあくまで最後の手段としたい。思考の主体はあくまで自分自身にあり、自分で記述する行為そのものを代替するものではない。
ここで重要なのは、記述する際の表現と、システムが内部で保持するデータ構造、そして最終的に可読な形式として出力される表現とを分離するという考え方だ。例えば、記述された内容は内部的にS式[3]やJSON、あるいはより抽象的なAST[4]のような中間表現に変換されて保持される。Rust言語のシリアライズ・デシリアライズライブラリであるserde
[5]が、具体的なデータフォーマット(JSON, TOML等)を意識させずにデータ構造の定義に集中させてくれるように、このシステムでも、まず「何をしたいか」という構造の記述に集中でき、具体的なシンタックスはその後に付与される、という形が理想的だと考えられた。
この「中間表現を介した入出力の分離」というアイデアは、モバイル環境における入力の制約を乗り越えるための強力な武器となり得る。入力時にはフリック入力で扱える範囲の記号や、あるいは日本語そのものを使い、システムがそれを解釈して構造化されたデータに変換する。そして閲覧時には、そのデータを元に、綺麗にインデントされ、シンタックスハイライトが施された、可読性の高い形式にフォーマットして表示すればよい。
第3章: 沈黙するインターフェースの発見 💬
思考は、言語のシンタックスやデータ構造の問題から、徐々にインターフェース、特に対話のあり方そのものへと移行していった。LLMとのチャットは強力だが、多くの場合、AIは積極的に解釈し、要約し、回答を提示しようとする。しかし、思考を深める過程で本当に欲しいのは、賢い回答者ではなく、誠実な書記かもしれない。
つまり、ユーザーが入力した内容を勝手に解釈したり、要約したりせず、ただ静かに受け止め、記録してくれるチャ-ットインターフェース。こちらが明確に指示を与えない限り、自律的な思考を見せない。これは、思考の主導権を常にユーザー側に保持するための重要な原則だ。曖昧な思考の断片を、AIに勝手に「これが正解だろう」と判断されたくない。思考の断片に意味を与え、構造化し、「これでよし」と「確定」する行為は、あくまでユーザー自身が主体的に、しかし煩雑なUI操作を経ずに行いたい。
この「静かな聞き手」というコンセプトは、音声入力の活用というアイデアとも結びついた。例えば、テキストで思考のマスターデータを入力するセッションとは別に、音声でそのテキストに注釈を加えたり、意味を уточしたりする対話セッションを設ける。これは、誰かと話しながら議事録を完成させていく作業に似ている。思考を外部化し、それに対して自らツッコミを入れ、対話を通じて思考を確定させていくプロセスだ。
第4章: デバイスの非対称性と役割分担 💻
一連の思索を通じて、PCとスマートフォンの役割分担がより明確になった。PCが得意とするのは、複数のアプリケーションやウィンドウを並べ、全体を俯瞰しながら情報を繋ぎ合わせ、推敲を重ねるような「編集」作業である。一方、スマートフォンの小さな画面は俯瞰には不向きだが、逆にその制約が、今この瞬間の思考に集中し、それを書き留める「没入したメモ」行為には適している可能性がある。
この非対称性を前提とするならば、目指すべきはスマートフォン単体で全ての知的生産を完結させることではない。むしろ、スマートフォンを「思考のキャプチャ装置」と位置づけ、そこで生まれたラフなアイデアやメモを、後からPCで本格的に編集・構造化するための、シームレスなブリッジを設計することこそが重要となる。その鍵を握るのが、前述した「意味を変更しないフォーマット」機能だ。スマートフォンで改行や空白を気にせず入力された文章が、ボタン一つで読みやすい箇条書きや整形済みテキストに変換される。このステップを挟むことで、モバイル環境の気軽さと、PC環境での再利用性を両立できる。
第5.章: 履歴の汚染とセッションの分離という新たな課題 📜
この思考の旅路は、最後に予期せぬ、しかし本質的な課題に行き着いた。それは「履歴の扱い」に関する問題である。
思考のプロセスを振り返るために、途中経過のスナップショットを残しておくことは極めて重要だ。その時々の思考を「詳細ダンプして」のようなコマンドでリストアップする行為は、思考の変化を追跡するための有効な手段に見えた。しかし、ここにはパラドックスが潜んでいる。その「詳細ダンプ」というコマンドと、それによって生成された出力そのものが、思考の純粋な時系列ログに混入してしまうのだ。これは、思考の履歴を「汚染」する行為に他ならない。
後から履歴を見返した時、純粋な思索の流れの中に、整理のための中間生成物が挟まることで、思考の軌跡は追いにくくなる。さらに、対話の相手がLLMである場合、この問題はより深刻化する。LLMは対話の文脈全体を学習するため、このメタ的な操作(ダンプコマンドとその出力)までもが対話の文脈として取り込まれ、後の応答に意図しない影響を与える可能性がある。つまり、二重に文脈がコミットされてしまうのだ。
この発見は、新たな要件を提示した。すなわち、システムは二種類のセッション、あるいはビューを持つべきだということだ。一つは、ユーザーの入力やAIとの対話をありのままに記録する「純粋な思考ログ」。もう一つは、「詳細ダンプ」のようなメタ的なコマンドやその出力を除外し、整理・構造化された結果だけをクリーンに表示する「成果物ビュー」。
当初の「スマートフォンで書きやすいプログラミング言語」という問いから始まった探求は、入力と出力の非対称性、対話インターフェースのあり方を経て、最終的に「思考の記録そのものを、いかに汚染せずに保存し、活用するか」という、より根源的でメタな課題へとたどり着いたのである。
-
膠着語 (agglutinative language): 日本語、トルコ語、韓国語などが分類される言語の類型。単語に接辞が次々と付着することで文法的な機能を示す特徴を持つ。 ↩︎
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LLM (Large Language Model, 大規模言語モデル): 大量のテキストデータを用いてトレーニングされた、自然言語の生成や理解を行うAIモデルの総称。 ↩︎
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S式 (Symbolic Expression): LISP言語などで用いられるデータ表現形式。リストを基本とし、データとコードを同じ形式で表現できる特徴を持つ。 ↩︎
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AST (Abstract Syntax Tree, 抽象構文木): ソースコードの構造を、その意味に対応する木構造で表現したもの。コンパイラやインタプリタがコードを解釈する際に内部的に生成する。 ↩︎
-
serde: Rust言語で広く使われている、データ構造を様々なフォーマットに変換(シリアライズ・デシリアライズ)するためのフレームワーク。 ↩︎

連想してみるその2
以前の話の音声入力版のアプリについてかんがえてみることにした。歴史改変により綺麗な対話履歴を作るというところにモチベーションがある?
スマホでのフリック入力の入力速度の問題の一つの回答は音声入力なのだけれど今のところ全然使いこなせていない。忌避感も残っている。あとキャリブレーションとか諸々で精度を頑張りたくない。そして現状の文字起こしの結果の内容の雰囲気は把握してる。
という感じの状態での対話の箇条書きをスナップショットとして貼り続けてみる。

承知いたしました。ここまでの対話内容を、可能な限り網羅的にダンプします。
全体コンセプト
- リアルタイム音声文字起こしをベースとした、議事録作成や思考整理のためのインターフェース。
- 音声認識の精度が完璧ではないことを前提とし、その不完全さを受け入れる設計思想。
中核機能:2つのモードと修正ループ
-
モードの手動切り替え:
- 対話モード: 通常の会話をリアルタイムで文字起こしするモード。
- 修正タイム: これまでの文字起こし内容を修正するための専用モード。
-
修正の単位(ページ/シーン):
- 「修正タイム」に移行した時点で、それまでの会話全体が1つの塊(ページ)として扱われる。
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インタラクティブな修正ループ:
- ユーザーは音声で訂正指示を出す。
- 直接的な置換:「xxxではなくyyy」
- 補足的な指示:「zzzも考慮して」
- LLMが指示を解釈し、修正を反映したテキスト全体を再生成する。
- 修正結果は「v2」「v3」のようにバージョン管理され、その都度テキスト全体が更新される。
- ユーザーはこのループを繰り返し、納得のいくテキストを完成させる。
- ユーザーは音声で訂正指示を出す。
対話履歴の扱いとAIとの連携
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「事実」の確定(歴史改変):
- 修正ループによって完成したテキストが、そのシーンにおける「事実」として確定(コミット)される。
- この確定したテキストが正式な対話履歴となり、そこからAIとの対話が再開される。
-
AIとの対話フロー:
- UIは一般的なチャットアプリの形式を想定(UserとAIの発言が交互に並ぶ)。
- ある程度のまとまりで区切られた会話の塊(チャンク)が、修正された上でAIへの入力となる。
- AIは、そのクリーンな文脈(確定した事実)に対して応答する。
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AIの応答も修正対象:
- ユーザーはAIが生成した回答に対しても修正指示を出せる。
- 「もっとここを考慮して」「こういう文脈を入れて」といった指示により、AIの回答もバージョンアップされる。
補助的な機能・アイデア
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メタコマンド:
- 対話履歴には残らない、特殊なコマンド。
- 例:「箇条書きで要約して」と指示すると、その時点での全体の要約を生成・表示するが、そのやり取り自体は履歴に残らない。
想定される利用イメージ
- ユーザー: まずは一人での利用(独り言の整理、AIとの1対1の対話)。
- 対話の性質: 議論や質疑応答、アイデアの壁打ちなど。
- 将来的な発展課題: 複数人での利用(各ユーザーの端末から入力し、誰の発言か区別できる)。

思ったよりも圧縮されてしまうな。背景情報が消えてしまっている。まぁいいか。

承知いたしました。ここまでの対話内容を、可能な限り網羅的にダンプします。
全体コンセプト
- 目的: リアルタイム音声文字起こしをベースとした、議事録作成、思考整理、AIとの対話のためのインターフェース。
- 基本思想: 音声認識の不完全さを受け入れ、後から対話的に修正・確定するプロセスを中核に据える。
コア機能:モード、修正、コミット
-
モード:
- 対話モード: 通常の会話をリアルタイムで文字起こしする。
- 修正タイム: 手動で移行し、これまでの文字起こし内容(=ページ)を集中して修正する。
-
修正ループ:
- 入力: 「xxxではなくyyy」といった直接的な置換や、「zzzも考慮して」といった補足的な指示を音声で行う。
- 処理: LLMが指示を解釈し、修正を反映したテキスト全体を再生成する。
- 出力: 修正結果は「v2」「v3」のようにバージョン管理され、その都度テキスト全体が更新される。
-
事実の確定(コミット):
- トリガー: 物理的な「ボタン」操作などを想定。
- 処理: 修正ループで完成したテキストが、そのシーンにおける「事実」として確定される。
- 結果: 確定したテキストが正式な対話履歴となり、そこからAIとの対話が再開・継続される。
対話モデルとAIの役割
- UIイメージ: UserとAIの発言が交互に並ぶ、一般的なチャット形式。
- 対話の流れ: ある程度まとまった単位(ページ/シーン)の会話が、修正・確定された上でAIへの入力となる。
- AIの応答も修正対象: ユーザーはAIが生成した回答に対しても修正指示を出せる。これにより、対話がより「議論」や「質疑応答」の性質を帯びる。
ナビゲーションとバージョン管理(歴史改変の仕組み)
- ページ移動: パワーポイントのスライドのように、過去のページ(確定済みのシーン)へ自由に移動できる。
-
過去の再修正:
- 過去のページに戻り、再度「修正タイム」に入って内容を改変できる。
- デフォルトの挙動: 変更はそのページ単独に適用される(微調整やパッチとしての扱い)。未来のページには影響しない。
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オプション機能:
- 再計算オプション: ある過去のページを修正した際、それ以降の未来のページ全てにその変更を反映させ、再計算させる。
- ブランチオプション: 修正を分岐点とし、元の歴史とは別の新しい対話の枝(ブランチ)を開始する。
入力/出力の拡張
-
音声入力以外の開始方法:
- 既存のテキストファイルを読み込んで、途中から対話や修正を開始できる。
- 例: Markdownファイルを読み込み、「
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」などの区切り文字を1ページとして認識する。
補助機能
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メタコマンド:
- 対話履歴には残らない特殊なコマンド。
- 例: 「箇条書きで要約して」と指示すると、その時点での全体の要約を生成・表示するが、そのやり取り自体は履歴には残らない。
想定される利用イメージ
- ユーザー: まずは一人での利用(独り言の整理、AIとの1対1の対話)。
- 対話の性質: 議論、質疑応答、アイデアの壁打ち、思考の整理。
- 発展課題: 複数人での利用。

思ったよりもアプリ開発寄りになってきてしまった。どういう物が欲しいかみたいなところで考えたかったのだけど。

この辺でぽえむを1つ

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target_reader: UI/UXデザイナー、プロダクトマネージャー、音声認識技術やLLMを活用したアプリケーション開発に興味を持つエンジニア
objective: 不完全な音声認識を前提とした新しい対話型インターフェースの構想を提示し、その設計思想と具体的な機能要件に至る思考の変遷を詳述する
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歴史を編纂する対話:不完全な認識から「事実」を構築するインターフェースの構想
序章:不完全さの受容から始まる設計 🌀
リアルタイム音声認識技術は、私たちの情報入力のあり方を大きく変えつつある。しかし、その精度は完璧ではない。これは技術的な制約であると同時に、受け入れざるを得ない現実でもある。この探求は、この「不完全さ」を単なる欠点として捉えるのではなく、設計の出発点として積極的に受け入れることから始まる。もし、音声認識の誤りが避けられないのであれば、その誤りを効率的かつ直感的に修正し、対話の文脈そのものを洗練させていくプロセス自体をインターフェースの核に据えることはできないだろうか。
目指すのは、単なる文字起こしツールではない。発話され、時には誤って認識された言葉の群れを、対話的に「事実」へと昇華させていくための環境である。これは、思考のプロセスそのものを外部化し、後から編集し、さらにはAIとの協調的な知的生産へと繋げるための、新しいパラダイムの模索である。
第1章:二つの世界の分離 🗣️
この構想の根幹には、対話のプロセスを二つの異なるモード、すなわち「対話モード」と「修正モード」に明確に分離するというアイデアがある。
「対話モード」は、思考の流れを妨げないことを最優先とする。ここでは、ユーザーは自由に発話し、システムはそれをリアルタイムで文字に起こしていく。認識の誤りは当然発生するが、この段階ではそれを許容する。重要なのは、思考のフローを中断させないことである。
そして、対話がある程度の区切りを迎えたとき、ユーザーは手動で「修正モード」へと移行する。このモード切り替えの瞬間、それまでの対話ログは一つのまとまり、いわば「ページ」や「シーン」として定義される。ここからが、単なる文字起こしではない、このインターフェースの核心部分である。修正モードは、混沌とした生のテキストに秩序を与えるための、聖域のような空間となる。この明確な分離により、ユーザーは「発想」のフェーズと「編纂」のフェーズを意識的に使い分けることが可能になる。
第2章:対話的「事実」の構築 🛠️
「修正モード」は、一方的なテキスト編集作業ではない。ここでもまた、対話が中心的な役割を果たす。ユーザーは、修正したい箇所について、自然言語でシステムに指示を出す。「『xxx』という部分を『yyy』に訂正して」といった直接的な置換はもちろん、「『zzz』の観点も追加して」といった、より抽象的で文脈的な指示も可能である。
この指示を受け取ったシステム、その背後にあるLLM[1]は、指示内容を解釈し、単に単語を置き換えるのではなく、文脈全体を再構成した新しいバージョンのテキストを生成する。この出力は「バージョン2」として提示され、ユーザーはそれに対してさらなる修正指示を出すことができる。この対話的な修正のループは、ユーザーが納得のいくレベルにテキストが洗練されるまで繰り返される。
興味深いのは、このプロセスがユーザーの発言だけでなく、システム、つまりAI自身の応答にも適用可能であるという点だ。ユーザーはAIの回答に対して「もっと具体例を交えて説明して」「その解釈は少し違う、こちらの文脈を考慮して」といったフィードバックを与えることができる。これにより、AIの回答もまたバージョンアップを重ねていく。この双方向の修正プロセスを通じて、ユーザーとAIの関係は単なる指示と応答の関係を超え、共に一つのテキストを練り上げていく「議論」や「共同執筆」に近いものへと変化する。
第3章:歴史の編纂と分岐 🌿
修正ループが完了し、洗練されたテキストが完成したとき、ユーザーは「確定」のアクション(例えば、画面上のボタンを押す)を行う。この瞬間、そのテキストは揺るぎない「事実」としてコミットされ、正式な対話履歴の一部となる。そして、その確定された「事実」を新たな文脈として、対話モードが再開される。これは、いわば対話の歴史を一度整えてから、次の章に進むような行為であり、「歴史改変」とも呼べるプロセスである。
このシステムのナビゲーションは、静的なドキュメントではなく、動的なスライドプレゼンテーションに近い。ユーザーはいつでも過去の「ページ」に遡ることができる。そして、ここからがさらに重要な点だが、過去に戻って再度「修正モード」に入り、一度確定したはずの「事実」を再修正することが可能である。
この「歴史の再改変」には、二つのシナリオが想定されている。デフォルトの挙動は、単なる「パッチ」適用である。つまり、過去のあるページを微修正しても、その変更はそのページ単独に留まり、未来のページには影響を与えない。これは、過去の発言の些細な間違いを訂正するといった用途に適している。
しかし、オプションとして、より強力な機能も考えられる。一つは、過去の修正が、それ以降のすべての未来のページに影響を及ぼし、文脈全体が再計算されるというものだ。そしてもう一つが、「ブランチ」機能である。ある過去のページを修正した点を分岐点として、元の歴史とは異なる、新しい対話の枝を生成する。これにより、思考の「もしも」を試したり、複数のアイデアを並行して探求したりすることが可能になる。対話の歴史は、一本の直線ではなく、豊かに枝分かれする樹木のような構造を持つことになるのだ。
第4章:外部コンテキストとの接続 📖
このインターフェースの可能性は、リアルタイムの音声入力だけに留まらない。もし、既存のテキストファイルを読み込み、それを対話の出発点とすることができたらどうだろうか。例えば、プレーンなテキストやMarkdown[2]形式のドキュメントを読み込み、特定の区切り文字(例:「---」)を「ページ」の境界として認識する。
この機能により、ツールは単なるリアルタイム入力支援から、既存の知識ベースと対話し、それを洗練させるための思考ツールへと進化する。過去に書いたメモ、会議の議事録、論文の下書きなどをロードし、「修正モード」でその内容をAIと議論しながらブラッシュアップしていく、といった使い方が考えられる。音声から始まるフローとテキストから始まるフローがシームレスに統合されることで、あらゆる情報が対話的編纂の対象となる。
第5章:メタ認知のレイヤー 🧠
思考や対話のプロセスが複雑化する中で、時として一歩引いて全体を俯瞰したくなることがある。そのために「メタコマンド」という概念を導入する。これは、対話履歴そのものには記録されない、特殊なコマンドである。
例えば、「このページの論点を3つに要約して」と指示すると、システムはその場のコンテキストを分析し、要約を提示する。しかし、この要約を求めるやり取り自体は、正式な対話履歴には残らない。あくまで、その場限りの思考の補助線として機能する。他にも、「キーワードをリストアップして」「登場した概念の関係性を図にして」といった、思考プロセスそのものを客観視するための様々なメタコマンドが考えられる。これは、対話という舞台の上で演じながら、同時に客席からその劇を眺めるような、メタ認知的な活動を支援するレイヤーだと言える。
このインターフェースは、最終的に、不完全な入力を許容し、それを対話的に洗練させ、構造化された「事実」として確定させていく一連のプロセスそのものである。それは、思考を外部化し、AIと共同でそれを編纂し、時には歴史を遡って別の可能性を探求するための、動的なプラットフォームの構想に他ならない。