共通テスト2025 情報 解説速報
大学入学共通テスト2025年度 情報 の解説です。
筆者は共テを受験しているので最速で問題を知ることができ、解答速報を最速で公開できるチャレンジをしています。解説が用意できたものから順に公開していきます。
誤りが含まれている場合もありますので、正確な解答は大学入試センターのものを参照してください。
問題は以下のリンクから見ることができます。(福井新聞)
全体概観
今年からの新課程で導入された「情報Ⅰ」です。
全体として知識自体が問われる問題は少なく、思考力などのその場で考える力や問題文を正確に把握する力が問われているように感じられます。
第1問では、7セグメントLEDを用いた場合の数の問題や、チェックディジットの計算、など算数や数学の知識で得点できる問題もありましたが、全体として計算量は少なめでした。またUIに関する問題も出題され、記述されている法則をきちんと理解できたかが問われています。
第2問Aでは情報システムとデータの利用/必要場面の問題でした。場面ごとに必要なデータの種類を問題文を手がかりに思考する必要があったでしょう。第2問Bでは支払いとお釣りに関するシミュレーションの問題でした。丁寧に考えれば特別な知識は必要とせず得点できたかと思います。
第3問にプログラミングの問題では工芸品の必要制作日数とその作業の分担に関するテーマでした。条件分岐と繰り返し、配列といったプログラミングの基礎を抑えて、文章中に示されるアルゴリズムのヒントをもとに考える必要がありました。配列が1から始まる点に注意。
第4問では地域別旅行者数とその目的に関する分析がテーマでした。尺度水準に関する知識は必要でしたが、数学の知識で理解できる内容でした。
問題別解説
第1問
問1
【a】解答 ア: 2
デジタル署名は電子文書ファイルを暗号化・復号化することで本人性の確認や、その文書が改ざんされていないことを証明する技術です。RSA暗号などが用いられます。
【b】解答 イ: 2
IPアドレスとはネットワークに接続する機器を識別するための番号です。
近年情報端末の増加などによりIPアドレスの枯渇が懸念されています。今まで主流であった2ビット長のIPv4に比べIPv6では4倍の128ビットでIPアドレスを表記します。IPv6では
問2
解答 ウエオ: 128, カ: 5
aからgのセグメントに関してそれぞれONとOFFの二通りが考えられます。そのため
大文字8種類、小文字5種類、数字10種類で構成されるエラーコードの種類に関する問題です。一文字目に大文字、二文字目に小文字が配置し、三文字目以降に
問3
解答 キ: 7, ク: 3
チェックディジット(検査符号)とは数字等の入力誤りを検出するために元の符号に付加される数字のことです。
生成方法Bに基づいて「22609」のチェックディジットを求めると、まず奇数桁を3倍したものと偶数桁の和を求めるので
連続する二つの桁、つまりチェックディジットを求める際に1倍のままと3倍する桁の順序を変更すると3倍される数字が変わる場合があり、その場合算出されるチェックディジットで異なり、エラーを検出することができます。生成方法Aでは数字が入れ替わっただけでは算出されるチェックディジットが変わることはありません。
生成方法Bで検出できる入力ミスは以下のような例が考えられます。()内はチェックディジットです。
- 正しいID:「12345(7)」→この時のチェックディジット: 7
- 入力を間違ったID:「12354(7)」→この時のチェックディジット: 9
入力を間違っている場合、算出されるチェックディジットと入力されたチェックディジットの部分(ID末尾)の値が異なっているので入力ミスだと判断できます。
問4
【a】解答 ケ: 2
問題文に提示されている法則を見ると、「対象物が大きい」「対象物への距離が近い」ほど短い時間でマウスカーソルで対象物を指し示すことができるとのことです。また「ディスプレイの端にある対象物は実質的に大きさが無限大になる」との記述もあります。
よって距離がイラストのマススカーソルからの距離が一番近く、端にあるので実質的に大きさが無限大である②が最も短い時間で指し示すことができます。
【b】解答 コ: 0, サ: 1
aでの法則に基づくとカーソルから一番遠くに位置している「項目5」は一番指し示すのに時間がかかります。一般的に考えると、つまり、近い場所に利用頻度の高いものを置くはずです。よって遠くに配置されている項目5は利用頻度が低く、カーソルから遠い場所に配置されているのです。
第2問
【A】
問1 解答 ア: 5, イウ: 3-4
ア: 時間帯ごとの総売上が知りたいので「購入時刻」と「購入した商品の合計金額」の情報が必要です
。
イウ: 曜日別の各商品の購買状況が知りたいので「購入日, 曜日」と「商品コード, 購入商品名」、「購入した商品の個数」の情報が必要です。各商品の購買状況とは”何がいくつ買われたか”という情報です。
問2 解答 エ: 0
下線部Aのポイント会員情報とレシート上の情報からは顧客の商品購入理由は把握できません。
他の選択肢
1: 会員情報と商品の購入履歴は情報システムで管理されているので得ることができます。
2: 会員情報(年齢)と商品の購入履歴から得ることができます。
3: 会員情報(年齢, 性別)と来店時間によって得ることができます。
問3 解答 オ: 3, カ: 5
Ⅰ: 店コードは本部のデータベースに情報を収める(い)、そして配送センターからどこに商品を届けるかの把握(あ)に必要になります。また顧客が商品を購入したときに購入した店舗情報が発生するので(う)において店コードは必要ありません。
Ⅱ: ポイント会員IDは顧客の識別が必要な場面(い, う)で必要になります。(う)では各顧客の各種情報と購買状況の把握やポイントの付与に、(い)ではそのデータを保管するために必要となります。また配送センターは商品の配送が仕事であるため(あ)において顧客個人の情報は必要ありません。
問4 解答 キ: 0, ク: 6, ケ: 3
Ⅰ: 「ポイントカードのポイント数」を表示するので(あ)のアカウントの対応付けが必要です。
Ⅱ: 「ポイントカードをよく利用するする実店舗」の把握に(あ)、「その商品」の把握に(い)、「在庫がある実店舗」の把握に(う)が必要になります。
Ⅲ: 顧客の「実店舗も含めて」の購入状況の把握のため(あ)(い)が必要になります。
【B】
問1 コ: 5, サシ: 12, スセ: 18
乱数rの値によって数値の処理が変わってきます。rが1~3のときは千円札6枚を得るので「手元の一万円札の枚数」は変わらず、「手元の千円札の枚数」は
今回の1回のシミュレーションでは手元の千円札の枚数の最小値は
問2 解答 ソ: 1
「最後まで千円札が不足しなかった」場合の「『手元の千円札の枚数』の最小値」は0以上であるはずです。このグラフで値が0以上となるので0のときだけで800件存在します。全体が10000回であるので
他の選択肢
0: 全員が一万円札で支払うと一回あたり不足する千円札は4枚なので10人では
2: 別の乱数を用いると、1万円札, 千円札で支払われる確率が変わってしまいシミュレーション結果が全く同じになる可能性は低いです。なお同じ乱数であってもシミュレーションでは必ず同じ結果になるわけではありません。
3: 全員が千円札で支払った場合、不足する千円札は常に0となります。しかしこのグラフは最小値を表すのであり、常に値が0かどうかは把握できません。
問3 解答 タ: 2
千円札で5人払うと、一万円札で払う人は5人だと分かります。一万円札で支払う人5人であった場合、お釣りとして手元からなくなる千円札は
他の選択肢: 起こる例を考えます。
0: 最初の一人が千円札で支払うと手持ちの千円札は20+6で26枚になります。以降9人が全員一万円札で払った場合お釣りの千円札は4×9=36枚必要になり、不足します。このような起こり得る例があります。
1: 10人全員が千円札6枚で支払った場合、お釣りで千円札が必要になる場面はなく、用意した千円札ま全く使いません。このような起こり得る例があります。
3: はじめの2人が千円札で払うと千円札は6×2=12枚増え、手元の千円札は20+12=32枚になります。その後の8人が一万円札で支払うと、お釣りで必要な千円札は8×4=32枚となり、手元の千円札で不足はしません。このような起こり得る例があります。
第3問
問1 解答 ア: 2, イ: 2, ウ: 2, エ: 3, オ: 5
アイ: 図1によると工芸品2↔は部員2の2日目を指し示している。よって工芸品4は部員2が2日目から一日間書けて制作することになる。
ウエオ: 最も早く空きになる部員が次の工芸品を担当するため、工芸品4まで割り当てた図1を見ると、次に空きになる部員は部員2であり、工芸品5は表1より5日間制作に期間を要する。
問2 解答 カ: 4, キ: 1, ク: 1
カ: Akibi[N]
はある時点における部員Nの次の空き日を管理する配列である。ここで部員3の次の空き日は4日目である。
キ: (05)行目の条件分岐の中に(06)行の工芸品を作成する担当の指定をしているのが分かる。(03)行目では初期の担当を部員1と定めているため、部員1より繰り返しで該当する部員の空き日の方が早ければ担当を変更すればよいと分かる。つまり条件式には「Akibi[buin] < Akibi[tantou]
」が該当する。これは「もし部員Nの空き日が現在の担当部員の空き日より小さければ」を意味している。
ク: キのように現在の担当部員より繰り返しで指定される部員の空き日が短ければ実行される。問題文ではAkibi = [5, 6, 4, 4, 4]
と指定されているので、繰り返し文でbuin=3
の時にtantou
は更新される。buin
が4以降では部員3と空き日が同じため実行されない。
問3 解答 ケ: 1, コ: 4, サ: 2, シ: 0
ケコ: 繰り返し文の中身を指定する。繰り返し文の中身では問2の担当者を決めるプログラムが記述されている。工芸品1から9の担当を決める必要があるので、繰り返し文は「kougeihin
を1からkougeihinsu
」まで繰り返す必要がある。
サ: サの行では工芸品の作成の終了日を決定する。図1も参考にしながら見てみると、工芸品の制作が終わる日は「取り掛かった日付+作成日数-1:で表せる。つまりAkibi[tantou] + Nissu[kougeihin] - 1
となる。
シ: また担当者の次の空き日を(11)行目では更新する。空き日は前の工芸品を作り終わった次の日であるため、サのAkibi[tantou] + Nissu[kougeihin] - 1
の次の日であることが分かる。つまりAkibi[tantou] + Nissu[kougeihin]
となる。これは図1を参考にしても読み取れる。
第4問
問1 解答 ア: 3, イ: 0, ウエ: 0-2
アイ: データの種類には特徴によって分類でき、それを尺度水準という。尺度水準には以下の種類が存在する。
尺度水準 | 説明 | 例 |
---|---|---|
名義尺度 | 値に順序や大小がなく、分類や区別のために使用される。 | 性別(男性・女性)、血液型(A型・B型・O型)、都道府県名 |
順序尺度 | 値に順序や大小の関係があるが、その間隔は一定ではない。 | 学年(1年生、2年生、3年生)、満足度(非常に満足~非常に不満) |
間隔尺度 | 値に順序があり、間隔が一定だが、絶対的なゼロ点がないため比率計算はできない。 | 気温(摂氏)、カレンダーの日付、テストの偏差値 |
比率尺度 | 値に順序があり、間隔が一定で、絶対的なゼロ点が存在するため比率計算が可能。 | 身長、体重、収入、距離 |
これをもとに考えると地方は名義尺度であり、旅行者数などは比例尺度に該当する。
ウエ: 選択肢ごとに正誤を判定する。
0: 正しい。(a)の棒グラフを見ると帰省等に該当する旅行者数は関東が最も多い。
1: 誤り。(a)の棒グラフを見ると観光等に該当する旅行者数は関東が最も多い。
2: 正しい。(b)の帯グラフを見ると旅行者数の合計に対する出張等の旅行者数の割合では、関東より東北の方が高い。
3: 誤り。(b)の帯グラフを見ると旅行者数の合計に対する観光等の旅行者数の割合では、近畿より中部の方が高い。
問2 解答 オカ: 1-3
選択肢ごとに正誤を判定する。
0: 誤り。観光/帰省等の旅行者数のグラフを見ると、2都道府県を比べたときに必ずしも観光等の旅行者数が多い方の都道府県は帰省等の旅行者数も多いとは言えない。反例(観光等の旅行者数が9000人以上の中で帰省等の旅行者数が少ない2都道府県)が存在する。
1: 正しい。帰省/出張等の旅行者数のグラフにおいて、縦軸をx, 横軸をyとおき、
2: 誤り。これらの図からは読み取れない。
3: 正しい。全ての散布図において正の相関が見られるため正しい。
4: 誤り。観光等の旅行者数を増やすことで帰省等と出張等の旅行者数が増えるかどうかは分からない。
問3 解答 キ: 0, ク: 3
キ: 旅行者数の散布図を見ると、直線より上側にある点(出張等の旅行者数>観光等の旅行者数 を満たす都道府県)は白抜きの点2つしか存在しない。ここで同都道府県に置ける人口は同じであるから旅行者数を人口で割ったグラフにおいても同じ都道府県のみが「出張/人口 > 観光/人口」の条件を満たすことになる。
ク: 旅行者数の散布図ではグラフの両軸においてXの方が値が大きい。しかし人口で旅行者数を割ったグラフでは大きさがXとYで逆転している。これはXの人口が大きいことにより、人口における旅行者数の割合が小さいことを表す。
問4 解答 ケ: 2, コ: 3, サ: 2, シ: 4
ケ: 観光等の旅行者数が人口の4倍以上の都道府県を確認するには「観光/人口」が4.0以上を見ればよい。観光/人口が4.0の都道府県はD、Eの2都道府県が存在する。
コ: 箱ひげ図に基づき「観光/人口」および「出張/人口」をそれぞれ第三四分位で都道府県を分類すると、出張等も観光等も多めでない都道府県の数が一番多くなる。
サ: コのように都道府県を分類した時、出張等も観光等も多めの都道府県はCのみである。
シ: コのように都道府県を分類した時、出張等は多めでないが観光等は多めの都道府県はDとEの2つ存在する。このうち「出張/人口」を「観光/人口」で割った値を求めると、Dは
更新履歴
- 1/18 23:10 準備記事公開
- 1/19 20:14 第1問の解答・解説追加
- 1/19 20:55 第2問の解答・解説追加
- 1/19 21:10 全体概観追加
- 1/19 21:25 第3, 4問の解答だけ追加
- 1/19 24:00 第3問の解説追加
- 1/20 00:40 第4問の解説追加(一部未記載)
- 1/20 01:00 第4問の解説追加(全部)
- 1/20 09:35 第2問 問4 ケ の解答を修正
- 1/20 22:05 第2問 問3 A オ の解答を修正
解答解説最速で公開成功🎊🎉
速度重視のためまだ校閲はしておらず、解説の正確性は保証されていません。誤りがあればこの記事のコメントやX等でお知らせください。随時修正を加えていきます。
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