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安定したGUI付Linuxを使う on UTM v4.2.5 on M1 Mac

2023/06/12に公開

TL;DR

公式ギャラリーのイメージ から Debian 11 (Xfce) を落として使いましょう。

公式もこう言ってるのでーー

For the best performance, we recommend the Debian images.

背景

UTM が いつのまにか V4 になっていた。
Mac 環境で開発をすると、どうしてもアレが足りないコレが足りない、ライブラリそろえるの面倒!!ってなるので、手軽にLinuxを用意して雑に使い捨てられないかということを考えていた。
ついでに、雑に変なサイトにアクセスして遊んだり、雑にウィンドウを触ったりしてみたいので、GUIも入れてみようと思う。
応答性やパフォーマンスもどれくらい良くなったのかも知りたい。

(Windows を UTM で動かすことについては、いろいろ試行錯誤したが、ゲーム用途ではいまいち応答性が悪かった(〜v3の頃)こともあり結局マシンを買い足したのではそれはもう個人的にはどうでも良くなった。)

準備

ここで言う「安定したGUI付きLinux」は、セットアップ手順が確立されていて、かつ基本的なところで動かないがないもの、というニュアンスです。

  • M1 Mac
    • 私はUS配列です。
  • UTM v4.2.5
    • 公式HPの配布バージョンはあまり気にしてなくて、いつも直接 GitHubのリポジトリ から最新を落としている。
  • Guest Tools
  • 入れてみたい OS の ISO (今回も Arm 版で動くものから選んでいく)
    • Ubuntu 23.04
    • Rocky Linux 9.2
    • Debian 11
      • etc...
  • GUI は Xfce を使う予定です。
  • ブラウザは Chromium を極力入れます。

どのディストリビューションを試す?

  • Rocky 9.2
  • Ubuntu 23.04
  • Debian 11 (これはギャラリーから落とす)

Xfce の理由

LXDE でも良かったけど、マウスのスクロールリバースを簡単に変更できなかった。
Xfce4 だと設定画面から一発でできる、愛してる。

UTM で Linux を立ち上げていく

ISO からインストール

新規で以下の手順で進める。

  1. 仮想化
  2. その他
  3. ISO を入れる
  4. メモリ(とりあえず 4GB)
  5. CPU も 4 にしとく
  6. ディスクはとりあえず64でそのままにしとく(いきなり 64GB 全部確保されるわけではないので)

起動してからのインストール手順は、各ディストリビューション準拠。
最終的にリブートする前にISOを取り出さないと、インストーラが無限ループするので注意。

以下、個別に Xfce を入れる手順。

Rocky 9.2 + Xfce

(この手のはUTM 上で起動したコンソール画面より openssh を先に入れて立ち上げて VSCODE で繋ぐなりした方が準備が楽な気がする。)

インストールが終わって再起動後、ログイン後に以下の実行

sudo su
dnf install -y epel-release
dnf --enablerepo=epel group -y install "Xfce" "base-x" 
dnf install -y langpacks-ja
localectl set-locale LANG=ja_JP.utf8 
exit   # GUI立ち上げたいユーザーに戻る

echo "exec /usr/bin/xfce4-session" >> ~/.xinitrc 
startx

Ubuntu 23.04 + Xfce

インストールが終わって再起動後、ログイン後に以下の実行

sudo su
apt -y install task-xfce-desktop    ## こいつが非常に遅いうえに95%でフリーズする可能性がある 私はここで1回詰まった!!!

apt -y install vim
cd  /usr/share/lightdm/lightdm.conf.d
mv 50-unity-greeter.conf 50-unity-greeter.conf_old
sudo vim /usr/share/lightdm/lightdm.conf.d/50-xfce-greeter.conf

        [SeatDefaults]
        greeter-session=unity-greeter
        user-session=xfce
        allow-guest=false

--save

apt -y install language-pack-ja-base language-pack-ja fonts-noto-cjk-extra
localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja" 

apt install chromium-browser  
reboot

Ubuntu 23.04 は、lightdm の conf を正しく書き直さないと、「Failed to start session」というエラーが出て、ちょっと面倒なことになる。

ギャラリーから DL して起動する

前述の通り、2023/06/11 現在進行形で ArchLinux や Debian 11 はセットアップ済みイメージが配布されている。
ギャラリーを見ると Fedora 36 、Ubuntu 20.04 あたりも居るが、イメージは用意されていない模様(インストールガイドに沿ってやれば動くよ!程度の情報)。

インポートも超簡単。愛してる。
簡単すぎるから割愛

比較

ディスクサイズ

各セットアップ直後のディスクサイズ概算比較。
Console と書いてあるのは、ディストリビューションを Minimal Install した直後のを複製したもの。

du -sm *
3696	Debian 11 (Xfce).utm
3793	Rocky 9.2 (Xfce).utm
1356	Rocky 9.2 (Console).utm
6639	Ubuntu23.04 (Console).utm
9337	Ubuntu23.04 (Xfce).utm   
18249	Windows 11 (test).utm

Debian 11 と Rocky 9.2 が GUI付きで軽い。
Ubuntu は結構ディスクを喰っている。

セットアップと動作

  • Debian 11
    • 特に不満がないうえ、RTA的に数分で準備完了になるので一番良い。
      • 音も出るし、動画再生もサクサク動く。ディスクサイズもそんなに喰わない。
  • Ubuntu 23.04
    • Xfce と一緒に入った Firefox がデフォルトで文字化けしているうえに、直し方が不明ときた。
      • Chromium は問題なく日本語なのであまりデメリットではない。
    • セットアップに1時間くらいかかる。インストール周りに時間がかかりすぎる。
      • もしかしたら、参照リポジトリの向き先を日本向けミラーに変えるとか必要だったのかもしれない。
    • セットアップ完了時点で 9GB も喰っている。気軽に複製したりして運用するには気持ちでかい。
  • Rocky 9.2
    • dnf の install 周りは結構サクサクインストールされていくため、Ubuntu ほどストレスにはならない。
    • サウンドが一切鳴らない。
      • 何か別のライブラリをインストールするのか UTM との相性問題かは不明。未調査。

パフォーマンスについて

未検証。余裕があったらやりたい。

ただ、MacネイティブでのSoC性能から多少劣化はすれど、ディストリビューション間でそこまで処理に差がでるとはあまり考えにくいとは思っているけど...(カーネルのバージョン違いによる違いはあると思うけど)

所感

  • 結構頑張って3つインストールしてみたけど、特に面倒なセットアップのいらない Debian 11 のセットアップ済み配布イメージが一番手軽だったうえに、特にネガティブな面が見受けられなかった。
    • GUI付きLinuxを使うなら、ギャラリー配布イメージが一番手っ取り早い、ということがよくわかった。
  • 一方で、CUIのみで事足りることであれば、Rocky 9.2 は インストール完了時点で 1.3GB 程度しかないため、良い感じ。
    • 但し、CentOS 系なので Ubuntu 系で慣れている人にとってはコマンドとConf置き場等々の読み替えが苦行なので注意。
  • Rocky 9.2 で音が出ない問題を解決できるなら、評価が少し変わるかもしれない。
    • ただ、そこまで必死に調べるくらいなら Debian 11 で良い。それでやりたいことは満たせる。

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