LayerX 実務型エンジニアインターンで得た学び
みなさんこんにちは!みーや(Yusaku)と申します。
この度、2025年8月に株式会社LayerXにて実務型エンジニアインターン(1ヶ月、以下インターン)に参加させていただきました。この記事では、エンジニアとしてのキャリアを目指す学生である私が、インターン参加のきっかけから参加して感じたことまで幅広くお伝えします。
自己紹介
みーや(Yusaku; Miyata Yusaku)
高専から3年次編入した、九州大学の情報系大学院生です。Webアプリケーション、とくにフロントエンド(TypeScript/React/Next.js)を扱っています。
長期インターンとしては、東大スタートアップでのオークションサイト開発、人材系企業での質問箱サービス開発、コンサルティングファームでの教育系プロダクト開発を行ってきました。
福岡未踏への参加経験、プログラミングサークルのメンターなどもやってます。
ポートフォリオ:https://pkmiya.net/
X:https://x.com/pkmiya__
参加のきっかけ
はじめは、LayerXで同インターンに参加していた研究室の先輩からお話を伺いました。
その際、ユーザにとって圧倒的な使いやすさを重視するというプロダクト、羅針盤という行動指針に示されたカルチャーに惹かれ応募を決めました。
無事に通過した選考については、「説明の明快さ」「実装力」「UI視点」「学習サイクル」を強みとして、「技術選定の背景」「未知問題への対処」を伸び代としてフィードバックをいただきました。
LayerX 羅針盤:https://speakerdeck.com/layerx/compass_202209
所属部署、担当業務
インターンでは、バクラク事業部の債権管理開発チームに配属され、「バクラク債権管理」というプロダクトの開発を担当しました。
バクラクは法人支出管理システムです。中でも「バクラク債権管理」は、業務負担を減らし、回収を加速させる債権管理システムです。入金と請求の自動照合、AIによる消込提案、仕訳データの自動生成などの機能により、債権管理にかかる工数を大幅に削減します。
バクラク債権管理:https://bakuraku.jp/ar-management/
自分が感じたLayerXの特徴
はじめに、インターンを通じて個人的に新鮮さや面白さを感じたLayerXの特徴を、技術的観点から3つ、文化的観点から2つをご紹介します。
[Tech-1] Pull Requestを止めないしくみ。
たとえば、レビュワーアサインの自動化、レビュー待ちの PR を Slack に通知する機能があり、高速・高品質でサイクルを回す環境が整備されていました。
[Tech-2] モノレポ構成とAPI Gateway Patternアーキテクチャ。
バクラクシリーズは、プロダクト間のシームレスな連携が強みとなっています。API Gateway Patternアーキテクチャを採用することで、複数個のサービスを容易に利用することができます。
[Tech-3] GraphQLとDataloaderによる高パフォーマンス。
上記の引用記事にも記載があるように、バクラクシリーズのフロントエンドとAPI GatewayはGraphQLによって疎通を行い、かつDataloaderなるライブラリを利用しています。GraphQLによってオーバーフェッチを防げる上、Dataloaderによってフェッチの最適化やN+1問題の解決を行うことができるため、パフォーマンスの改善が見込めます。
[Culture-1] timesチャネルがない。
エンジニアにおなじみのツイッター的役割を果たすtimesチャネル。
はじめは私も戸惑いましたが、timesがないからこそメンバー同士の議論が活発化し、業務がスムーズに進むのだと思いました。
https://medium.com/@civitaspo/layerxに転職して3ヶ月経ったので良いところとやったことをまとめておくの巻-ec3f0286a359
[Culture-2] ユニークな対話方法。
LayerXにはGatherというコミュニケーションツールが導入してあり、リモートでも孤独感を比較的感じずに業務をこなすことができました。
LayerXの文化は特徴的だと思います。羅針盤もそうですが、社員の方の声、たとえば、同じ部署で私がお世話になったnekootoko3、2025年4月に新卒で入社されたyuchamiさんの記事が参考になると思います。
nekootoko3の記事:https://note.com/nekootoko3/n/ne3de5db5c0d3
yuchamiさんの記事:https://note.com/sakai_tech/n/nee0072c13180
インターンフィードバック
今回のインターンを通じていただいたフィードバックの一部をご紹介します。
まず、人柄やコミュニケーションのしやすさ、そしてフロントエンドタスクの実装スピードを評価いただきました。一方で、課題が発生した際の進め方や問題の切り分けにおいては改善の余地があり、ユーザー体験へのこだわりやドメイン理解・システム理解・実装力を高いレベルで組み合わせることの重要性を実感しました。
多くの技術が初めてでキャッチアップに苦労していたため、伸び代はコミットの質や量だと予想していました。しかし実際には「課題の本質解決」に関する指摘をいただき、はっとさせられました。
上記に記載されたようなLayerXのエンジニアに求められる人物像は、インターンで私のメンターを担当してくださったkiyoさんが執筆された以下の記事に詳しく紹介があります。
LayerXの環境では、フィードバックを素早く吸収し改善していく「高速な成長サイクル」が求められており、この経験を通じて、自身の強みと伸び代を明確に認識することができました。
羅針盤に学ぶ
今回のインターンを通じて、LayerXのカルチャーやいただいたフィードバックをもとに、エンジニアがなすべきことについて一考する機会となりました(インターンに参加してやりたいこと・学びたいことの上位だったので、貴重な機会でした...!)
たとえば、LayerX羅針盤のひとつに「使われないものを作らない」があります。LayerXのプロダクト開発原則としてはこれに加え「仕様をシンプルにする」「言われた通りに作らない」があります。
すなわち、上から降りてきた要望を真に受けてすぐに実装を進めようとするのではなく、「このまま仕様に落とし込んで良いのか?」「この機能は顧客の課題を真に解決するのか」をまずは深く考える必要があるということです。
今まで受託開発を主としてデリバリーの質と速度を意識して開発してきた分、成果物が顧客にとって価値のあるものか本質に立ち返って考えるべきだと学びました。これは職種や領域が暗に決められたベンチャー企業等の企業規模、自社開発等の企業種別に限らず、ITを通じて価値提供をおこなうエンジニアには欠かせないマインドだと思います。
まとめ
今回のインターンを通じて、GraphQLやgRPC、Goといった技術スタックを身につける一方で、課題の切り分けやユーザー体験を起点にした開発姿勢といった伸び代にも気づくことができました。
エンジニアとして価値貢献するという面においては、同じソフトウェア・エンジニアであっても、企業によってカルチャーや求められる人物像が大きく異なることがあり、それを深く理解した上で相互確認しつつパフォーマンスを出すことが重要だと気づけた点が何よりも大きいです。
特に学んだのは、「誰のどんな課題を解決するのか」を深く理解し、シンプルで本質的な解決策を届ける姿勢の大切さです。成長フェーズにあるバクラク事業(債権管理プロダクトにおいてはリリースからわずか半年!)だからこそ、ビジネスや顧客の本質的な課題を追い求める姿勢が強く求められているのだと感じました。
今回得た気づきを今後のキャリアに活かし、より高いレベルでドメインやシステムを理解し、高い実装力をもとに、事業に貢献できるエンジニアを目指していきたいと思います。
引用
- https://speakerdeck.com/layerx/compass_202209
- https://bakuraku.jp/ar-management/
- https://tech.layerx.co.jp/entry/2024/12/02/125912
- https://speakerdeck.com/layerx/bakuraku-devsumi-2024-yyoshiki41?slide=32
- https://tech.layerx.co.jp/entry/2022/06/13/120000
- https://medium.com/@civitaspo/layerxに転職して3ヶ月経ったので良いところとやったことをまとめておくの巻-ec3f0286a359
- https://tech.layerx.co.jp/entry/2023/10/23/174723
- https://note.com/nekootoko3/n/ne3de5db5c0d3
- https://note.com/sakai_tech/n/nee0072c13180
- https://note.com/shirakiyo/n/n21b45041e7b0
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