WordCamp Kansai 2024 Sessions Day
開会式・キーノート
関西での開催はWordCamp Osaka 2019から5年ぶりの開催!
WordCampとは
WordPressユーザーが主催するコミュニティイベント
カジュアルユーザーからコア開発者まで、いろんな人が参加し交流するイベント
WordPress Meetupとは
オフライン・オンラインイベントを定期的に開催しているグループ
2名以上が集まってWordPressの定見をシェアする場であればOK
なぜWordCampをやろうと思ったの?
業務としてWordPressをあまり触っていなかった
キャリアの転機にWordPressがいた
"Connecting the dots" 興味のある分野を繋げていくことでキャリアやコミュニティが広がっていった
群衆の英知もしくは狂気
コミュニケーションネットワーク構築のシミュレーションサイト
LINE公式アカウント&WordPressで更新頻度が上がった話
日本酒ゴーアラウンド
参加賞のバッジをつけて店舗にいくと付き出しとお酒が一杯ついてくるイベント
街バルのようなイベント
公式サイトを作成
- 2018年:WordPress
- 2019年:Ionic/Angular + WordPress
- 2020年:WordPress
- 2021年:WordPress
- 2022年:Ionic/Angular + WordPress
- 2023年:Astro + WordPress
コロナ禍でのサイト対応
予約制にしたり混雑状況をサイトに掲載するようにした
WordPressのダッシュボード上から更新が可能
混雑度更新の課題
更新率:40〜60% しか更新してもらえていなかった
オペレーションの難しさが課題となった
対策案
- 参加賞をアプリにして人流を管理
- お店の入り口にビーコンを設置して反応するように
- 費用が合わずに断念
- 人感センサー
- LINE公式アカウント
LINE公式アカウントを使って混雑度を更新
LINEは説明不要なほどの利用率であるために、誰でも簡単に更新できるのではないか?
予め店舗にアカウントPWを配布し、LINE公式アカウントで認証しておいてもらう
Messaging API
LINEにあるMessaging APIを利用してWordPressのカスタムフィールドデータを更新して表示
2023年の利用率
更新率:90%
まとめ
- LINEはほとんどの人が抵抗なく使用できる最強の運用ツール
- やってることはWordPressと同じだけどLINEなら更新してもらえる
- Messaging APIから通常の投稿も可能
- リッチメニューを組み合わせれば複雑な操作も簡単に実装可能
- 最強はアナログ
ヘッドレスCMS開発者から見たWordPress
WordPressもヘッドレスCMSとして利用可能だが今回は割愛
WordPressとヘッドレスCMSの比較
ヘッドレスCMS登場の背景
JAMstackというシステム構成が登場
ヘッドレスCMSとは?
従来のCMS
フロントエンドとバックエンドがCMSに内包
ヘッドレスCMS
バックエンドのみでフロントエンドが存在しない
バックエンド側のルールや言語を気にする必要がなく、自由なコンテンツの作成・管理が可能
API連携で部分的な箇所のみCMSを導入可能
責任共有モデル・責任範囲の違い
従来のCMSとヘッドレスCMSでは、責任範囲がことなり、ヘッドレスCMSはフロントエンド部分に縮小される
WordPress VS ヘッドレスCMS
比較するレイヤーが違っているので、簡単に同じものさしで比較できるものではない
使い方によって何が必要なのか見極める必要がある
ヘッドレスCMS開発者からみたWordPress
ベンチマークやリサーチ対象として
- 移行を検討しているという相談
- できること、できないこと
- よく使われる機能やプラグイン
- 導入事例
- データの持ち方(DBの構造など)
エンジニア・プロダクトオーナーへのインタビュー
エンジニアから見たWordPress
- 実装要らずでかなりのクオリティのサイトを作れるのでターゲットが1位
- テーマが豊富
- 歴史があり、さまざまな活用方法やTipsが豊富
- 利用者と開発者で見えている世界が違う印象
- 利用者:低コストで多機能
- 開発者:メンテナンスコストが高い
- 管理画面の拡張性がある
- OSSなため究極的にはなんでもできる
- フロントエンドやバックエンドといったレリヤーを意識する必要がない
- 事例が豊富
エンジニアから見たヘッドレスCMS
- 学習コストが少ない
- エンジニアのリソースが必要
- ヘッドレスCMSに障害があるとコンテンツデータの取得作成ができなくなってしまう
- WPでは簡単にできることができない
- ランキングなど
まとめ
エンジニア目線として、本質は何かをしっかり見極めて、適材適所にあった技術を選定する必要がある
これからはサービスの合わせ技も重要になってくるはず
WordPressをきっかけに、人生をキャリアアップしていったお話
WordPressとの関わり
10年間、仕事のほとんどがWordPress
年代ごとのキャリア
20代
受託の仕事をモリモリやる
必要なもの:知識や経験
→ WordPress勉強会に参加して勉強・勉強会で発表してアドバイスや意見をもらう
30代
ディレクションをバリバリやる
必要なもの:仕事を手伝ってくれる人
WordCampスタッフに立候補し、気が合いそうな方やスキルの高い方をチェック
後日に一本釣りして仕事をお願いする
40代
体力・気力・頭の衰えを感じる。でもまだまだ働き続ける必要あり
必要なもの:自分の仕事を作る
受託は若い頃のような勢いで取り組むことがむずかしい
定年のないフリーランスが歳とったとき
メリット
ずっと働き続けることができる
体と頭が動く限り収入を得ることができる
デメリット
ずっと働き続けないといけない
会社員のような退職金や年金がない
無理のない仕事をする
無理なく = まるで呼吸するようにできてしまうことこそが「得意」
自分にとっては当たり前すぎて自分では気づくことが難しい
自分の「得意」は人から見つけてもらう
自分の得意なこと・好きなこと・関心のあることをたくさん情報発信する
結局、好きなことしか続かない
まとめ
仕事も大事だけど人間関係も大事
- 緩やかに衰えていく体力・気力・健康を実感
- 突然現れる人生の余白をどうする?
- 仕事と同じ、細く長く付き合っていける人間関係はとても大事
AI 時代のアウトプット〜二人合わせてブログ歴35年、ブロガーのススメ
言いたいこと
- インターネット(SNS)のカオス化
- 信頼できる発信者が増えて欲しい
そもそもなぜブログを続けているのか?
アンケートをとってみた(多少偏りはあるかも)
- 10年以上続けている人が85%
- ブログを続けている理由
- 活動履歴を残せる:70%
- アウトプットや制作が:好き53%
- テーマやコミュニティが好き:49%
- 誰かのためになっている
- 習慣になっている
- ブログを続けることになったきっかけ
- ブログを続けていてよかったこと
- 繋がる
- たくさんの友人知人ができた
- リアルの場で読んでくれる人に会えた
- ためになる
- リアクションがうれしい
- 有名になる
- 訪問先で知ってくれている
- 飲み会等でファンですと言ってもらえる
- もうかる?
- 仕事の依頼がブログから来た
- ブログきっかけで出版した
- 作業時間0でも5〜6万の収入ができた
- 繋がる
ブログを続ける理由
- エビデンスを残す = アウトプットを続ける
- アウトプットする人の元に情報が集まる
発信しないということはいないのと同じ
SNSではなくなぜブログなのか?
- 表現力の高さ
- 自分だけの場所
- SNSは読まれない
- 情報が多くアルゴリズム等の問題で届かない人が生まれている
なぜWordPressなのか?
WordPress:自分だけの場所
各種プラットフォーム:借りているテナント
良し悪しではない
プラットフォームからWordPressに移行するという形もアリ
ブログへの回帰
クラフトインターネットという考え方
クラフトビールのように手間暇かけて作ってきたインターネットコンテンツが今後有用になっていく?
ブログが書けない問題
書くことがない
SNSで発信しているものや自分で面白いと思っていないこと、スマホで写真撮っているものなど、
自分は気づいていないけど周りから見たら面白いものがある
書いても続かない
レスポンスがないとモチベーションを維持できない
SNSと連携して露出を増やす
そもそもFBをくれるのは知り合いであることが多いので、その中に共有してFBをもらう
お金よりもFBが大事
書くのが難しい
「書く」ということに対するハードル
書くのが難しいなら書かなくて良い
写真を投稿したりするだけでも良い
AIに書いてもらう
自分でブログを書けないならAIに書いて貰えばいいじゃない
AIにテキストを書いてもらう
ブログ記事を生成AIで叩き台の文章を作ってもらう
箇条書きでまとめてもらったり、書いた文章のFB(質問)をAIからもらう
音声を書き起こす
音声データ等をボイスレコードしたものをAIに文章として書き起こしてもらう
いっそのこと音声をコンテンツとしてアウトプットという手段もアリ
iOS「ジャーナル」
その日撮った写真や行動をまとめてくれて、日記にしませんか?のように提案してくれる
AI時代のアウトプット
日経クロストレンド:アウトプットの質はひたすら低下していく
AIが生成した情報をAIが学習して〜を繰り返して誤った情報が溢れてしまう
AI時代はアウトプットが世界の一部になる
→AIの情報の一次ソースは?
人が書いた文章は逆に価値が出てくる世界?
→AIが書いたものの最後に感想を書いたようなことでも良い
信頼できる発信者が増えて欲しい
人が一次ソースの情報を出して欲しい
自分が欲しい情報を発信するとAIがその情報を学習してコンテンツを多く出してくれるようになるかも?
AIは新しい情報を生み出さない。できることは情報をまとめること。
AIが出す情報に「本音」は絶対に存在しない
WordPressに期待すること
ブロガーよりもライトな層にブログを書けるようになってほしい
コミュニティのコアである存在・ツールであってほしい
手軽な存在であってほしい
Web制作2年目の私がブロックテーマを作成してみた話
制作2年目の私にとってのWordPress
最初からブロックエディターだった
ブロックテーマって何?
ブロックテーマとブロックエディターについて
ブロックエディターとは
文章や画像などを「ブロック」という単位で管理する機能
ブロックテーマとは
ブロックエディターに対応しているテーマ ではない
テンプレートがブロックで構成されたテーマ のこと
→ フルサイト編集が可能なテーマのこと
フルサイト編集とは
ノーコードツールと似たようなもの
HTMLやCSSの知識がなくてもサイトを制作することができる
WordPressの強み + 直感的な編集機能
ブロックテーマで作成したサイト制作の話
テーマの種類
- クラシックテーマ
- 管理画面で編集できるのがコンテンツのみ
- ハイブリッドテーマ
- クラシックテーマとブロックテーマの間(今回は触れない)
- ブロックテーマ
- コンテンツ以外のヘッダー・フッター・サイドバーなどのサイト全体を編集できる
ブロックテーマにした理由
- フルサイト編集へ移行の流れがある
- ブロックエディターが活用しやすい依頼内容だった
ブロックエディターが活用しやすい依頼内容とは?
各モジュールのデザインパターン(デザインコンポーネント)がベースであり、
それらを組み合わせてデザインの統一感を出していこうという内容だった
おすすめのプラグイン
Create Block Theme
ブロックテーマを必要な機能をチェックを入れて作成と押すだけで簡単にブロックテーマが作成できる
ブロックテーマは設定値を初期値に戻すボタンがあるが、オリジナルでブロックテーマを作っていない場合、ベースとなったTwenty Twenty Fourに戻ってしまうというような事故が発生する可能性がある
これをオリジナルのブロックテーマとすることで、必要最低限な設定をデフォルトとした状態でテーマを作成することができる
MW WP Form のメンテナンスを引き継いでもらった話
MW WP Formとは?
- 確認画面つきのお問い合わせフォーム
- 2017年7月くらいに初期バージョンをリリース
- 自由なHTMLでフォームを作りやすい
- フックがたくさんあってカスタマイズでできることが多い
開発終了の理由
- 設計があまり良くない & 多機能すぎて脆弱性等の悪いところを改善しにくい
- WordPressがブロックエディターになった
- Snow Monkey Formsを作ったから使わなくなった
- 開発や配布をやめても古いバージョンを使い続ける人がいるだろうから、最低限の脆弱性対応だけをメンテナンスしていた
- 明確に辞めると宣言しないかぎり使え続ける人が残ると指摘された
Snow Monkey Forms について
- 同様に確認画面つきのフォーム
- ブロックエディターに対応
- Snow Monkey Formsはどのテーマでも使用できる!
引き継ぎの申し出から引き継ぎ完了まで
X(旧Twitter)でキタジマさんがツイートしたものをWebの相談所さんが発見
X(旧Twitter)やBacklogを使って引き継ぎを行う
以前からMW WP Formを使っていて、プルリクエストを出した経験もあるところから引き継ぐことに対する心理的ハードルは低かった
引き継ぎ後の対応
- 2件の脆弱性対応
- 5,6件個人からの問い合わせに対応
- 有償サポートが必要な対応内容は一切なかった
- サポートフォーラムに回答
- エゴサなどで反応を確認
- 必須PHPバージョン・WordPressバージョンの引き上げを検討中
OSSっていいよね
- Five for the Futureの一環として行なっている
- 反応を見ていると意見はあっても協力してくれる人がいない
- OSSなので、今後関わりたいという人がいればぜひ連絡が欲しい
- セキュリティ機関などからのレポートはかなり細かくて勉強になる
- Snow Monkey Formsのフックを調べたという話がきた
- MW WP FormsからSnow Monkey Formsに移行したいけどフックが足りずに移行できないという内容の記事
- 後にプルリクエストを実際に送ってもらうことができ、リリースを行なった
Five for the Futureとは?
「未来のために5%の時間だけWordPressに貢献しよう」というもので
企業がWordPressへ貢献しているコントリビューターを支援していくもの
プルリクくれてもいいんだよ?
みなさまからの Issue & Pull Requestをお待ちしております
アップデートちゃんとしようね
- プラグインはもちろん、WordPressコア、PHP、サーバーを最新の状態に保つ
- 本番環境とは別にテスト環境を用意しておく
- 利用しているWordPressバージョンの確認はダッシュボート>ツール>サイトヘルスで確認可能
- WP CLI コマンドを利用してメンテナンス
- 改ざんやファイルの追加が行われていないかチェック
- バックアップを必ず取りましょう
- バージョンアップ等の情報収集、使っているプラグイン・テーマの動向をチェックしましょう
ディスカッション
どうやったらプロジェクトを終わらせられる?
アクティブユーザー数が多いとWordPress公式から引き留めがあり、閉じるに閉じれない
既存サイトに組み込まれていると簡単には変えられない
フォームプラグインの変更で不安に思うことは?
今のフォームで実現されている機能が別のプラグインになることで実現できなることによる不安
実際に MW WP Forms から変更した実績としてどうだったか
確認画面が作れるというメリットで導入していたが、お客さんを使えなくなることを説得して移行することになった
スムーズな移行ではなかったが、納得をしてもらうことはできた
→WordPressはプラグインありきで機能を作ることが多いので、プラグインでどうにもならないことはそれに倣うしかない
ずっと使い続けることがあるとは限らないということを事前に説明しておくことができるかがカギ
続けてほしいなら何ができますか?
将来的には使い続けることはない方が良いと思う
使い続けるのであればこのプラグインでしかできない機能などの情報を発信してもらえると嬉しい
移行先を提示するためにも、どのプラグインフォームだとこれができるあれができるというような段階的移行ができると良いかも