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AIの未来を形作るRAG: 業界別事例とその影響

2023/11/25に公開

RAG(Retrieval Augmented Generation)の概要
近年、人工知能(AI)技術の中でも特に注目されているのが、 Retrieval Augmented Generation(RAG) です。
これは、大規模なデータベースや文書から関連情報を検索し、その情報を基に回答や文書を生成する技術です。
RAGの特徴は、単にデータを学習するだけでなく、必要に応じて特定の情報を検索し、それを基に新しい内容を生成する能力にあります。

RAGがどのようなものなのかを簡単に図示するとこのような形になります。

ちなみにRAGと従来のAIの違いはこちらです。

従来のAI(自然言語処理モデル):

  1. データ学習: トレーニングされたデータセットに基づいて学習し、その知識を利用して質テキストを生成して回答する。
  2. 制限: トレーニングデータに含まれる情報に限定されるため、最新の情報や特定のドメインの詳細な知識を提供するのに限界がある。
  3. 応用範囲: 汎用的な質問に対しては有効だが、特定のドメインや最新の情報に関する質問では精度が低下することがある。

RAG(Retrieval Augmented Generation):

  1. 検索と生成の統合: RAGは、従来の言語モデルの能力に、外部の情報ソースからの検索機能を組み合わせる。これにより、言語モデルがトレーニングされたデータに含まれていない情報も取得し、利用することが可能になる。
  2. 情報の最新化と特定化: RAGは、特定のドメインの最新情報や、トレーニングデータには含まれていない詳細情報を取得できる。これにより、より正確で詳細な生成が可能になる。また、トレーニングを行わないことで、AIが機密データを漏らしたり、不正確な情報や誤解を招く情報の「幻覚」(ハルシネーション)を起こす可能性が低くなる。
  3. 応用範囲の拡大: RAGは、特定の専門知識が必要な質問や、最新の情報に基づく質問にも対応できる。これにより、ビジネス分析、研究、医療診断など、より専門的な応用が可能になる。

RAGを導入するメリット
RAGの導入には多くのメリットがあります。その中でも代表的なものでいうと、データ検索の精度と効率の大幅な向上です。従来の検索エンジンやAIモデルでは難しかった専門性が高く複雑な質問に対しても、関連性の高い回答をもらうことができます。そのことにより、様々な業務や研究における意思決定にも貢献し、時間と労力の削減につながります。

以下で具体的な事案を5つ紹介します。

具体的な事案

  1. 情報技術会社:
    課題: 社内情報検索の効率性と正確性の向上。
    導入方法: Google CloudのVertex AI Searchを用いて社内情報回答用のAIボットを開発。
    成果: 3週間で400件以上の質問に対し、約73.9%が解決。社内資料検索時間の短縮と効率化を実現。

  2. 大手通信会社:
    課題: 顧客問い合わせ対応の効率化。
    導入方法: RAGを用いたチャットボットの導入。
    成果: 顧客満足度20%向上、オペレーターの作業負荷30%減少​​。

  3. 大学や研究機関:
    課題: 研究者の情報収集と分析の効率化。
    導入方法: RAGを用いた論文検索と要約の自動生成。
    成果: 効率的な情報収集と研究質の向上。

  4. 医療機関:
    課題: 診断の正確性と患者ケアの質の向上。
    導入方法: 診断支援システムにRAGを組み込み。
    成果: 医師の診断精度の向上と患者ケアの質の向上。

  5. 金融サービス会社:
    課題: 財務アナリストの意思決定支援と業務効率化。
    導入方法: Amazon KendraとAI21 LabのJurassic-2 Jumbo Instruct LLMを使用。
    成果: 正確なデータを使用した迅速な意思決定、詳細で包括的な財務ポートフォリオの迅速な構築。

結論
RAG技術は、上記のように情報技術、通信、教育、医療、金融といった多岐にわたる業界でその有効性が示されています。情報の検索と分析、意思決定の支援、顧客満足度の向上など、RAGがもたらす利益は絶大なものになります。

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参考文献

  1. Amazon Web Services. (2022). 高精度な生成系 AI アプリケーションを Amazon Kendra、LangChain、大規模言語モデルを使って作る. Retrieved 11/21/2023 from https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/build-high-precision-generative-ai-applications/
  2. Cotter T., & Murphy C. (2023). Document Retrieval Augmented Generation using generative AI: A comprehensive overview: Luxoft. Retrieved 11/21/2023 from https://www.luxoft.com/blog/document-retrieval-augmented-generation-using-generative-ai-a-comprehensive-overview
  3. DevelopersIO. (2022). RAGを使った社内情報を回答できる生成AIボットで業務効率化してみた. Retrieved 11/21/2023 from https://dev.classmethod.jp/articles/rag-internal-information-response-ai-bot/
  4. Kim M. (2023). What is retrieval-augmented generation?: IBM Research Blog. Retrieved 11/21/2023 from https://research.ibm.com/blog/retrieval-augmented-generation-RAG
  5. Kyutaro. (2022). RAGの解説: LLMとベクトルデータベースを活用したアプローチのまとめ. Retrieved 11/21/2023 from https://note.com/kyutaro/n/n5c2b6c2e1955
  6. Lewis, P., Perez, E., Piktus, A., Petroni, F., Karpukhin, V., Goyal, N., Küttler, H., Lewis, M., Yih, W.-t., Rocktäschel, T., Riedel, S., & Kiela, D. (2020). Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks: Cornel University. Retrieved 11/21/2023 from https://arxiv.org/abs/2005.11401
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