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テックイベント運営入門-毎回100人以上が参加するイベントの裏側-

2024/07/30に公開

この記事の概要

こんにちは、エンジニアの加藤(@tomo_k09)です。
開発業務をしながら、PharmaXのテックイベント運営も担当しています。

PharmaXでは毎月オンラインでテックイベントを開催しているのですが、毎回100人以上参加していただけるまでになりました。そこでこの記事では、PharmaXのテックイベントはどのように運営されているのかについてご紹介します。

エンジニア向けのテックイベント運営に携わっている方やこれからイベント運営をしたいという方の参考になれば幸いです。

PharmaXではどのようなイベントを開催しているのか

PharmaXでは、企業様をお招きし、毎月コラボイベントを開催しています。
イベントの内容としては、大枠のテーマがあり、そのテーマに関するLT・パネルディスカッション、Q&Aをするという流れになっています。

直近のコラボイベントでは、Algomatic社、Spiral.AI社をお招きして、生成AIソフトウェアアーキテクチャというテーマで開催したのですが、↓のようなLTテーマとパネルディスカッションを行いました。

<イベントテーマ>

  • [生成AIソフトウェアアーキテクチャ

<LTテーマ>

  • LLMチャットアプリケーション・アーキテクチャの工夫(PharmaX)
  • より柔軟に応答するLLMアプリケーションを目指して(Spiral.AI)
  • RAGをテーマに考える、LLMの認知アーキテクチャとソフトウェア設計(Algomatic)

<パネルディカッションテーマ>

  • LLMアプリケーションを作る上で特に苦労している点は?
  • 新しいモデルや機能をどう感じている?

アーカイブ動画もありますので、こちらを倍速で見ていただくとどのようなイベントなのかイメージがつきやすいかと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=kAXURLuRBNA&t=4s

テックイベント運営の大まかな流れ

PharmaXがどのようなイベントを運営しているかイメージがついたところで、次にこのイベントをどのように運営しているのか具体のHowの部分について解説できればと思います。

イベント運営の大まかな流れは以下のようになっています。

  • テーマを決める
  • コラボする企業を探す
  • キックオフミーティングを開催する
  • イベントページを開設する
  • 集客する
  • イベント当日に必要な資料の準備を開催する
  • イベント開催を開催する
  • イベントレポート記事を公開する

これらの進捗を週1回の定例ミーティング(30分)を確認しています。
ちなみに、これらの準備は基本的にエンジニア2名(うち一人は登壇者)、広報チーム2名で行なっています。

次にそれぞれのステップで具体何をやっているかについて見ていきましょう。

テーマを決める

まずは今回のイベントのテーマを何にするか決めます。

PharmaXでは2024年はLLMに注力するという大枠の方針があるため、LLMというジャンルの中でイベントテーマを決めることが多いです。

コラボする企業を探す

テーマが決まったらコラボしていただける企業様を探します。(このステップが1番大変)
基本的には、テーマに沿った内容で情報発信をしている企業様をGoogle検索やZenn、Qiitaなどで探してお声がけをしています。

先ほど例を出した生成AIソフトウェアアーキテクチャのイベントの時は、Googleで検索して生成AIソフトウェアアーキテクチャに関する記事がヒットしたAlgomatic社とSpiral.AI社にお声がけさせていただきました。

その記事を書いた方のSNSアカウントがあれば、SNSアカウント経由でお声がけしていますが、SNSアカウントがない方の場合は、コーポレートサイト経由で「この記事を拝見してとても良い内容だったので、ぜひ登壇いただけませんか」という依頼をしています。

キックオフミーティングを開催する

コラボ企業が決まったら、キックオフミーティングを開催します。

キックオフミーティングはイベント開催予定日の1ヶ月ちょっと前くらいに開催するようにしています。
理由としては、単純にイベント集客の期間を長めに取った方が申し込み数が増えるからです。

キックオフミーティングでは、以下のような内容について話します。

  • 登壇者自己紹介
    • 初めましての場合がほとんどなので、まずは自己紹介から始めます
  • イベント概要の説明
    • PharmaXではいつもこんな流れでイベントを開催していますという説明をします
  • イベントテーマの共有
    • お声がけしている時点で、イベントテーマは共有しているのですが、改めてイベントテーマについて説明しています
    • イベントテーマに沿った内容の中で、登壇者の方が具体どのようなことをLTとして話せそうかのすり合わせもこのタイミングで行います
  • パネルディスカッションテーマの決定
    • イベントの方向性が決まったら、パネルディスカッションのテーマを決めます
    • LTの中で触れられないけど視聴者の方が知りたそうという観点でパネルディスカッションテーマを決めることが多いです
  • 事前提出物のお願い
    • イベントの集客はconnpassを利用しているので、イベントページに必要な情報の提出をお願いしています(企業ロゴ、登壇者写真・プロフィール文、コーポレートサイトURL、採用ページURL、LTタイトル・サマリなど)
    • イベントページをなるべく早く公開したいので、キックオフミーティングの3日後くらいを期限に提出していただいています
    • 事前提出物はNotionページを共有して、そのページで提出いただいています

キックオフミーティング後は、基本的にSlackコネクトで登壇者様とやり取りを行なっており、提出物のリマインドや本番当日に使うZoomのURLの共有などをSlackを通して実施しています。

イベントページを開設する

事前提出物が揃ったら、connpassでイベントページを作成します。
具体のイベントページは下記リンクからご覧ください。

https://yojo.connpass.com/event/319852/

ヘッダーはCanvaでテンプレートを作って、写真とイベントタイトルだけ差し替えれば使えるようにしています。

集客する

イベントページを公開したら、毎週イベント告知のポストをXでしています。
https://x.com/ueeeeniki/status/1815916793694937182

だいたいイベントの1ヶ月前くらいにイベントページを公開しているので、4〜5回くらいイベントの告知をSNS上で行なっており、可能であれば登壇者の方にも告知のご協力をいただいています。

イベント当日に必要な資料の準備をする

集客と並行して、イベント当日に必要な資料を準備します。
いつも準備している資料は2つあって、それが「イベント時に投影するスライド」と「トークスクリプト」です。

イベント時に投影するスライドは↓のようなものです。

こちもイベントのアーカイブ動画を視聴していただければイメージがつくかと思います。

トークスクリプトは、モデレータが滞りなくイベントの進行を進められるように用意するシナリオのようなものです。
「モデレータがどのようなことを話すのか」や、登壇者が時間をオーバーして話をしないよう何時何分にアラートメッセージを送るかなどかなり細かく作り込んでいます。

以下はトークスクリプトの一部です

当日リハーサルを行う

イベント開催時間の30分前くらいに登壇者とモデレータが集まり、リハーサルを行なっています。

Zoomのウェビナー機能を使ってイベントを開催しているのですが、Zoomのウェビナーには練習セッションという機能があるのでそれを使って、ちゃんと資料を共有できるかやイベントスケジュールの確認、パネルディスカッションの流れ・内容の確認などを行なった上で本番に臨みます。

以下は当日リハーサルで使っている資料の一部です。

イベントを開催する

リハーサルが終わったら、Zoomウェビナーの練習セッションから本番ウェビナーに移動してイベントを行います。
イベント開催後には15分程度、登壇者同士で軽い振り返り(懇親会みたいなもの)を行なっています。

イベントレポート記事を公開する

イベントが終わったら、イベントレポート記事を公開します。

そこまで工数をかけずイベントレポート記事を作りたいので、登壇者プロフィールや当日使った資料、アーカイブ動画の紹介をするくらいのライトな記事を公開しています。
https://note.com/pharmax/n/nd76bc0dc2236

これくらいライトな記事でも拡散すれば、それなりにPVを取れるのでけっこうコスパが良いです。

これで1つのイベントは終わりですが、毎月イベントを開催しているので、だいたい次のイベント準備がすでに始まっています。

テックイベントを運営する上で大事なこと

最後にテックイベントを運営する上で大事なことについて触れておきます。

継続することが何より大事

単発でイベントをやったところで、なかなか認知度は上がりません。年単位で継続しない限り、かなり厳しいでしょう。
テックイベントで認知度を上げたいと考えている場合は、年単位でコミットするという覚悟を持つことが大事だと思います。

PharmaXの場合は、connpassのグループ数が1000人を超えたあたりから、少しずつ認知度が上がった感覚を得られ始め、2000人を超えた今は「いつもLLMのイベントを見ています」とお声がけいただくことが増えてきました。

まずはconnpassグループ1000人越えを目指して頑張ってみると良いかもしれません。

徹底的にイベント準備をテンプレート化する

イベント準備の負担が大きいと継続して開催することが難しくなってしまうので、いい意味で手を抜きつつ、イベント準備をテンプレート化することがオススメです。

イベント準備をテンプレート化することにより、運営の負担が軽減し、脳死で準備することができるようになります。
本当にイベント準備が楽になるので、どのイベントでも同じような準備をすればOKという状態に持っていくことが非常に重要です。

集客できる人数はイベントテーマで決まる

今まで数多くのイベントを開催してきましたが、集客できる人数はイベントテーマで決まる感じがしています。

例えば、アーキテクチャのような正解が1つとは限らないテーマは集客力があるなと感じました。
あとLLMのような今トレンドの技術系の話は集客力があります。

あまりにもニッチするぎる話題だと、準備の労力の割に集客できないという結果になるので、イベントテーマはしっかりと考えることをお勧めします。

終わりに

以上、Pharmaxのイベント運営がどのように行われているかの紹介でした。
テックイベント運営に携わっている方の参考になれば幸いです。

次のイベントは2024年8月7日にLLM Night〜LLMチャット&ボイスボットのUX改善戦略というイベントをやります!
ご都合よろしければ、ぜひご参加ください。お待ちしております!
https://yojo.connpass.com/event/325426/

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