「ユニコーン企業のひみつ」を読んだ
2年近く前の本だけど、今更ながら読んだ。
Web の書評には「米国でスクラムをやっているのは、レガシー企業。ユニコーン企業はスクラムはやっていない」という趣旨のことが書いてあった (訳者あとがきにも書いてある) ので、関心を持った。
ただ、読んでみると、スクラムを置き換えられるようなことは、あまり本書には書かれていなかったように思う。
スクラムチームがスクワッドという職能横断チームに置き換わるくらいだろうか。
スクラムイベントとか、プロダクトバックログ/スプリントバックログなどの概念を置き換えられそうなものはなかったように思う。
脱スクラムしたい気持ちもちょっとあったので、その点は残念。
一方で、モダンな IT 組織の文化的特徴がうまく言語化されてまとまっていた。
「プロジェクト」(一度リリースしたらそれで終わり、納期や予算に厳しい) ではなく「プロダクト」(リリースして改善してを繰り返す、納期や予算よりもユーザー価値を重視) をやるべき、とか。
個々のメンバーが信頼され、大きな権限を与えられていることとか。(開発マシンにアプリを自由にインストールできるということとか、社内のコードには全部アクセスできるというようなこととかから、スクワッドのやることを自分たちで決めるよう促されるということまで)
失敗をしても大丈夫、という雰囲気が醸成されていることとか。
あとがきによれば、本書の対象読者は、基本的には開発者や PdM などのメンバー〜マネージャークラスだが、本当は経営者に読んでほしいという。
私も読んでいるうちに、これはぜひ経営者に読んでほしいと思った。
ちなみに、脱スクラムしたいといったが、個人的に脱したいのは主にストーリーポイントで、調べてみたらこれはスクラムに含まれている話ではないような気もしてきた。
なので、誤解に基づいて脱スクラムしたいと思っていた可能性がある。