【Flutter】シミュレータより手軽? web-server モードの活用とビルド種別の違い
はじめに
FlutterでWebアプリを開発する際、Android StudioのエミュレータやiOSシミュレータを立ち上げて、「PCが重い…ファンがうるさい…」とストレスを感じたことはありませんか?
実は、Web向けの開発であれば重厚なシミュレータは必須ではありません。flutter run -d web-server コマンドを活用すれば、お使いのブラウザだけで軽量かつ効率的に動作確認が可能です。
本記事では、Web Serverモードの具体的なメリットと、用途に応じたビルドモード(Debug, Release, Profile)の使い分けについて解説します。
参考
web-server モードのメリット(vs シミュレータ)
通常、モバイルアプリ開発では重いシミュレータ(Emulator)を起動しますが、web-server モードには以下のメリットがあります。
PCのリソース消費が少ない: エミュレータを起動しないため、メモリやCPUに優しい。
実機確認が容易: 同一ネットワーク内のスマホからPCのIPアドレスにアクセスするだけで、手軽に実機での表示確認ができる。
インストール不要: 閲覧側に専用アプリのインストールが不要。
開発モード(Debug Build)
開発機能(Hot Reload等)を含んでいるため、デバッグには必須ですが、動作パフォーマンスは犠牲になります。
- 特徴: 開発ツール込み。動作は「激重」。
- 用途: 機能実装、UI構築中。
flutter run -d web-server
リリースモード(Release Build)
開発機能を排除し、最適化(Minify/Tree Shaking)を行った状態です。
- 特徴: ビルドには数十秒かかるが、ブラウザでの表示・動作は「爆速」。
- 用途: 本番相当のパフォーマンス確認、カクつきの検証。
flutter run -d web-server --release
プロファイルモード(Profile Build)
リリースモードに近いパフォーマンスを維持しつつ、DevToolsでのパフォーマンス計測が可能です。
- 特徴: デバッグ機能の一部を有効化。
- 用途: アプリのボトルネック調査。
flutter run -d web-server --profile
おわりに
今回は、シミュレータを使わずにブラウザでFlutterアプリを動作させる web-server モードについて解説しました。
PCのリソース消費も抑えられるため、カフェなど電源が確保しにくい環境での開発にも非常に有効です。最後に、覚えておくと便利なオプションをまとめました。
主要な Web Server オプション
| オプション | 役割 | 設定例 |
|---|---|---|
--web-port |
起動するポート番号を固定する | --web-port 8080 |
--web-hostname |
接続を受け付けるIPアドレスを指定する | --web-hostname 0.0.0.0 |
--web-renderer |
レンダリング方式を指定する(html か canvaskit) | --web-renderer html |
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