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エンジニアなら読んで損なし技術同人書9選(インフラより)

2022/09/09に公開1

こんにちは。株式会社ペライチ のインフラエンジニア曽根です。

エンジニアたるもの常に情報収集は欠かせませんね。

最新の情報や知識は Web ニュースや Web のブログ記事などで入手できますが、腰を落ち着けて情報を吟味したり知識を学ぶためには、情報をまとめたうえに順番立て教えてくれる書籍の活用がお勧めです。

勉強は欠かせない

今回は、いわゆる一般的な書籍(商業誌と言います)ではなく、技術同人誌を紹介します。

技術同人誌をお勧めする理由は、ずばりエンジニアのとがった意見が聞けるからです。

商業誌と同人誌の違いはなんでしょう?

商業誌には書籍コード(ISBM)がついている?同人誌には ISBN を持ったものもあります。

書籍コードがついていますから、同人誌でありながら一般的な書店に注文できます。

私は、商業誌と同人誌の最大の違いはプロの編集者が内容に関与するレベルの違いであると思っています。

編集のプロ

同人誌はほとんどの場合、著者 1 人もしくはグループで作成して厳しい編集工程を経ることなく出版することがほとんどです。書籍を商品化するプロであるプロ編集者が関与していない。そのため、商品化を前提にするとそぐわない行き過ぎた表現があることも事実ですが、著者が好きなことをしているエネルギーが感じることもできます。

どうせなら、パワーを感じる本の方がいいじゃないですか。

そんなエネルギッシュな技術同人誌 9 冊(今回はインフラ視点から)を紹介します!(2022 年 9 月 8 日現在)

まずは、そろそろ欠かすことができなくなったコンテナ技術の書籍から。ペライチの構築でもたいへん参考にさせていただきました 😁。

1. マンガでわかるDocker ① 〜概念・基本コマンド編〜

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/825879

ファミコンのカセットみたいに
コンテナを入れ替えれば
いろんな開発環境を動かせる

…ファミコンのカセット?

初心者のわかばちゃんでも分かるようにマンガで教えてくれる、たいへん Docker が分かりやすくなる本です。

それだけでなく、プロジェクトごとに開発環境が分けられるとか、 Docker クライアントのインストールは Edge ではなく Stable を使用しなさいなど、実用的な内容も書かれています。

とてもページ数の少ない本ですので、気軽に読み始められます。(現在のところ全 3 冊あります)

なお、わかばちゃんは改訂2版 わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門〈GitHub、SourceTree、コマンド操作対応〉 | 湊川 あい, DQNEO |本 | 通販 | Amazonにも出てきます。

続いて、コンテナを活用したサービス構築について 3 冊。

2. 実践Terraform AWSにおけるシステム設計とベストプラクティス

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/1570072

■ Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B07XT7LJLC

『実践 Terraform』では、 AWS を題材に Terraform の設計と実装を学びます。ECS Fargateなど
のマネージドサービスを中心にアーキテクチャ設計を行い、 Terraform で実装していきます。
変更しやすいコードを維持し、本番運用に強いシステムを構築するために必要となるプラクティ
スもあわせて紹介します。200以上のサンプルコードを用意したので、ぜひ手を動かしながら一緒
に学びましょう。

Docker を使ってサーバ起動をコード化したら、次はインフラ周りもコード化して流行の IaC(Infrastructure as Code)です!

この本では、AWS 上でネットワーク、ストレージ、ロードバランサをすべて Terraform で作成して、ECS/Fargate でコンテナを起動(単純な nginx コンテナ)します。

ロギングやデプロイパイプラインなどひととおりの環境を Terraform で作成できるようになります。

Terraform についての本は他にもいくつかありますが、この本はサービス構築に必要なことが網羅的に記載されている本です。

3. TerraformでFargateを構築してGitHub Actionsでデプロイ!Laravel編

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/3096761

■ Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B09GFB67X1

本書に書かれているうちの3割ぐらいの内容は、執筆着手後に実際に
TerraformやFargateを触ったことで得た知識かもしれません。執筆という
アウトプットを通じて、筆者自身も多くのインプットが得ることができ、
とても良かったと思います。

執筆によって多くのインプットを得た、これぞ同人誌を作る醍醐味かもしれません。熱さを感じます。

この本は先ほどの「実践 Terraform」より後に書かれているため先行書を意識していることが伺えます。

例えば GitHub Actions でのデプロイ(ecspresso を使っています)を実行します。(より実践的)

しかしそのため、ecspresso で管理するファイルを Terraform 管理外にするなど、標準的な手法の紹介があります。

「実践 Terraform」の次に読むと理解が進むでしょう。

ところで、Amazon 版は表紙が弓道の女の子なんですが、なぜ弓道なのでしょう?

4. コンテナ時代のWebサービスの作り方 ver. 202107

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/1316133

本書は技術書典7にて配布した「コンテナ時代のWebサービスの作り方」の202107版です。
Terraformのバージョンも1系になり、インフラのコード化もTerraformだけでなくCDKなどの
新たな手段が生まれてきています。第一版の頃に比べるとインフラのコード化は当たり前に
なりつつあります

この本は、第一版(技術書典 6 2019 年 4 月)、第二版(技術書典 7 2019 年 9 月)に続き、2021 年に出版されました。

その間にだいぶ内容は書き換わり、なんとデプロイする Web アプリケーションも Rails → sinatra → Go と変わっています。ここまで変わると商業誌ならふつう違う本になるんじゃないかなー 😅。

先ほどの「Terraform で Fargate を構築して GitHub Actions でデプロイ!Laravel 編」の Web アプリケーションは php 言語でしたが、こちらは Go 言語。ですがサービス構築に必要な既述については言語による差はほとんどありません。

ただ、最初から一貫して 1 つの Web サービスの構築だけに焦点を当てていて、Web サービスに関わらない部分に関しての記述はかなり少なめです。

余分な記述がない、そういうソリッドな内容の方が理解しやすい、という方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

ここからは構築を離れ、ちょっと変わった内容の本を紹介します。

5. Discord Bot運営実践入門

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/1533599
■ Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B08HRRGHQ6

すべての責任と裁量が自分にある、それが個人開発です。これまで趣味程度の
小さなアプリケーションしか開発したことがなかった筆者にとって、shovel を広
く世間に公開するというのはとても大きなチャレンジでした。
(中略)ですが、今となっては、本当にやってよかったという思いしかありません。

Gamer 向けチャットサービスとして有名な Discord(ユーザーは 1 億人以上)にて稼働している、Bot サービスの運営ノウハウの本。

個人で行う構築、テスト、アップデート、とサービスの運営について多岐にわたる内容が熱く記載されています。

姉妹本としてDiscordBot開発実践入門 - cod-sushi - BOOTHもあります。

そうそうこの本は、私が今まで見てきた同人誌の中で抜群に誌面のデザインとレイアウトが美しい本でした。

6. 現場で使える Django 管理サイトのつくり方

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/2322158

■ Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B08HVJPRR8

カスタマイズ系での困りごとを現場ではよく耳にします。これらを踏まえると、管
理サイトをカスタマイズする場合は事前にその限界(基本仕様でどこまでできるのか)と
カスタマイズの特性(どんなカスタマイズが簡単でどんなカスタマイズが難しいのか)を
把握しておく必要があるでしょう。

なんと、Django で Web アプリケーションを作る本ではなく、Django で作った Web アプリケーションを管理する Django の管理サイトの解説とカスタマイズの本。なんとマニアックな(ほめてます)

Django の管理サイトとは要するに「http://アプリのドメイン/admin」にアクセスすると現れる、admin 用サイトのことです。

著者は現場で使える Django の教科書《基礎編》[3.2 LTS 対応版] | 横瀬 明仁 | 非営利団体・慈善団体 | Kindleストア | Amazonを商業誌で出版されている方です。

この同人誌はその商業誌のサポート誌のような位置付けともとれます。

7. プロフェッショナルIPv6

■ BOOTH
https://professionalipv6.booth.pm/items/913273

■ Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4908686114

…その執筆は、正直なところ、途中で断念したくなるぐらい大変なものでした。
IPv6の解説書があまり世に出ていないのは、本気で書こうと思
うと限りなく書くべきことが見つかるからかもしれません。筆者がIPv6に関する記事を書き
始めたのは2011年のことですが、それなりに時間をかけて書き続けてきたにもかかわらず、
こうして書籍として公開できる形にできたのはようやく2018年のことです。

クラウドファンディングで資金を募り、気合いを入れて、情報の少ない IPv6 の技術書を作ろうと立ち上がった熱い本です。

すごい技術書を一緒に作ろう。あきみち+ラムダノート『プロフェッショナルIPv6』|マクアケ - アタラシイものや体験の応援購入サービス

それにも関わらず電子版は無料で入手できます。(紙版は有償)

姉妹本として徹底解説v6プラス | 日本ネットワークイネイブラー株式会社 監修, 小川晃通, 久保田聡 | 工学 | Kindleストア | Amazonがあります。(こちらは電子版、紙版ともに有償です)

8. アドベントカレンダーはじめました。

■ 技術書典
https://techbookfest.org/product/5155468150308864?productVariantID=5187708456534016

富士通全体でも 2016 年から有志によるアドベントカレンダーが作られており、
独自のカレンダーを立ち上げているグループ子会社もあります。
そこで、今年は当社でもアドベントカレンダーをやってみたいと思い、作ってみました。

IT 業界年末の風物詩、アドベントカレンダー。この本は、その会社アドベントカレンダー(株式会社富士通システムズウェブテクノロジー)を社内向け書籍にまとめ、さらにそれを外部向けの同人誌にしたものです。

アドベントカレンダーまでなら会社でやるのは珍しくないですが、アドベントカレンダーを同人誌にしてしまうのということを私は見たことがありません。

調整が大変であったであろうと思いますが、記録に残る貴重な同人誌になったのではないでしょうか。

無料なのでぜひ気軽に読んでいただき、こんな同人誌の作り方もあるのだなぁ、と感心しましょう。

9. 1日で自作するポータブル・ハッキング・ラボ

■ BOOTH
https://booth.pm/ja/items/1521945

『ハッキング・ラボのつくりかた』を読了済みであれば、仮想化ソフトを駆使してハッ
キング・ラボを構築したことと思います。その既存のハッキング・ラボに、本書で解説
するポータブル・ハッキング・ラボをドッキングできます。

著者はAmazon.co.jp: ハッキング・ラボのつくりかた 仮想環境におけるハッカー体験学習 eBook : IPUSIRON: 本を始め、暗号・ハッキングの書籍を多数執筆した方です。

この本はそのハッキング・ラボのつくりかたの姉妹本として製作された同人誌です。

内容はラズベリーパイ、Android 端末をハッキング機器として調整するというもの。ラズパイ買って L チカやったあとは、余ってるんでしょ?攻撃端末として、日常的に持ち歩いている Android 端末を使えば初期費用ゼロですね!それで小型でポケットに入るハッキングツールを自作しましょう!!ということで、ロマンあふれる(?)内容となっています。

商業誌をカバーするマニアックな同人誌という構成がおもしろい本です。

以上、9 冊の本を紹介しました。いかがでしたでしょうか。

近日技術書典13が開催されます。

技術同人誌が気になった方は、ぜひ技術書典サイトを訪れて本を眺めてみてください。新たな出会いがあるかもしれません。

採用情報

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https://hrmos.co/pages/peraichi/jobs?category=1629135637016141824&utm_source=techblog&utm_medium=referral&utm_campaign=article-3e902c19948971

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ペライチ

Discussion

natsume_yashinatsume_yashi

思うに、これらのこと全く技術的な要素や進歩的な要素は無いと思います。エンジニアが楽になる話、興味有る話しで実際の制作には全く役に立たない話ばかりと思うのですが。成果物を利用する顧客の視点が欠除していると思うのですが。
これらの話に乗せられない事を祈るばかりです。