完全リモートワーク下のスクラムチームに転職して手に入れた3つの知見とたった1つの結論
背景
こんにちは。株式会社ペライチ のサーバーサイドエンジニアの福原です。
2022 年 1 月 1 日(実際の稼働は 4 日)から現職に転職しました。
およそ 3 ヶ月が経とうかという頃です。
前職は新卒で入社した会社で、およそ 5 年ほど web 系のエンジニアとして保守開発や日々の運用、果ては受託開発からチームでの自社サービスまで多岐にわたる経験をさせていただいていました。
そんな中、とある転機から人生で初めての転職、それも完全リモートワークで面と向かって顔を合わせる機会もほぼゼロという開発チームへの転職を経験することになりました。
もちろん、前職でもコロナ禍においてはほぼ完全リモートワークとなっていました。
しかしもともとは毎日オフィスに出社して顔を合わせ同じ食卓を囲んだことのある方々でしたので、大前提となる関係値が段違いです。
私と同じように完全リモートワークな環境への転職を検討した、あるいは検討している方はこんなふうに感じたのではないでしょうか。
- 既に関係が出来上がってる環境に完全リモートで入り込めるだろうか...
- 困った時に気軽に相談できなかったらどうしよう...
- 誰とも仲良くなれなくて腫れ物みたいな扱いになったら...
当然私も感じました。
その上で、ほんのちょっとの勇気を振り絞って転職することに決めた結果、この身を持って体験して手に入れた 3 つの知見と 1 つの結論があります。
これらが
- これから完全リモートワークな職場に転職しようとしている方
- 完全リモートワークな中で新しい人を受け入れようとしている方
などにとって有用なものであることを祈り、本記事にまとめます。
上記のような方々の助けになれば幸いです。
※あくまで弊社において私が体験したことを元にしています。全ての環境が同様だとする根拠はありませんのでご了承ください。
それでは早速見ていきましょう!
大前提
まずは今回私が参加することになった開発チームの前提を確認しておきます。
- 全社でおよそ 40 名程度(業務委託含む)
- 半分程度が開発者
- 3 ~ 5 人のスクラムチームが複数ある
- 各チームのスクラムマスターが必要に応じて集まるスクラムオブスクラム形式となっている
- 1 スプリントの期間は 2 週間
- スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブなど各種会議体もきちんと実施
このくらいでしょうか。
割と基本に忠実なスクラム体制だといえます。
3 つの知見
私が今回の完全リモートワークなチームへの転職で手に入れた 3 つの知見は以下の通りです。
- 恐れることはない、所詮は人と人。
- スクラムってよくできてる。
- 魚心あれば水心。
1 つずつ見ていきます。
恐れることはない、所詮は人と人。
- 既に関係が出来上がってる環境に完全リモートで入り込めるだろうか...
- 誰とも仲良くなれなくて腫れ物みたいな扱いになったら...
上記の不安への回答となります。
結論から申し上げますと、何も心配いりません。
少なくとも私にとっては完全な杞憂でした。
これには 2 つ理由があります。
他のメンバーも同様の状況な方が多かったため。
弊社の開発メンバーはここ 1 , 2 年で新規に入社した方が多く、その職歴のほとんどをリモートワークワーク状態で過ごしており、顔を合わせてミーティングをしたり食事に行く機会がほとんどなかったのです。
弊社では四半期に一度、原則オフラインで全社会を開催しています(現在は時世を鑑みてオンライン開催しています)。
昨年の秋頃コロナが一時的に収まっていた時期のオフライン全社会では、「ずっと一緒に仕事してたけど初めて会った」という関係性がほとんどだったそうです。
ですので、顔を合わせたこともない人とうまくやっていけるだろうか、という悩みは私だけではなくほぼ全員の悩みだったというわけですね。
お互いに相手の気持ちがわかるわけですから、新入社員だけが省かれてしまうようなコミュニケーションはまず起こりません。
どんなに環境が変わろうとも所詮は人対人のコミュニケーションでしかない。
なんとなく、これまでに経験がないことだから、という理由だけで完全リモートワークなチームへの転職を恐れてしまっていました。
しかし、よく考えてみると顔を合わせたことがあったり、一緒に食事したことがあったりしても反りの合わない人というのは一定数存在していたような気もします。
逆に、Twitter 上でしかやり取りしたことないけど、話の弾む相手というのもやはり一定数存在します。
つまり、結局は自分と相手のコミュニケーションの問題で、それがオフラインかオンラインかというのは些細な違いでしかない、ということです。
スクラムってよくできてる。
- 既に関係が出来上がってる環境に完全リモートで入り込めるだろうか...
- 困った時に気軽に相談できなかったらどうしよう...
こちらの不安への回答です。
弊社では割と基本に忠実なスクラムの運営がなされています。
オンボーディング中、ひいてはチームの一員として日々活動する上で仕組みに助けられていることが多々あります。
デイリースクラム
デイリースクラムが毎日午前中に開催されるため、あらゆる困りごとや不安の種は最長でも 24 時間でチームに吸い上げられる形となります(もちろん、本人が困りごとや不安を隠さなければ、ですが)。
私はどちらかと言うとコミュ力低めの傾向にあるため、困った瞬間に即相談! というのはハードルを感じるタイプなんですが、この仕組みによって必ず定期的に相談のタイミングが来るので非常に助かります。
※とはいえ、即相談は禁止! なんてことはなく、チームメンバーはもちろん、チームのスクラムマスターに悩み事を持っていった際には(その瞬間は都合が悪くても)必ず時間をとって対応していただける文化です。
デイリースクラムの際に数分でも雑談することで、自分としてもチームの一員であるという自覚も湧いてきますし、既存メンバーとしても新しいメンバーとコミュニケーションするタイミングが取れて一石二鳥です。
スプリントの概念
また、スプリントという概念がオンボーディングにおいて丁度良いマイルストーンとして機能していました。
例えば以下のようなイメージです。
- 1 スプリント目:ローカル環境構築、社内規定確認、ドメイン知識学習
- 2 スプリント目:実装に着手、アサインからデプロイまでを経験
- 3 スプリント目:1 メンバーとして参戦
わざわざオンボーディング用にマイルストーンを切らずとも、チームのスプリント単位で自分がどこまでできていればいいのか理解しやすくてモチベーションにもつながりました。
※ちなみに、私を受けて入れてくれたスクラムマスター目線での記事が先日公開されています。こちらもご参照ください。
スプリントレトロスペクティブ
さらに、スプリントレトロスペクティブの時間が用意されていることも重要です。
スクラムの形式をとっていない場合、オンボーディング中のメンバーの状況は誰かが時間をとって確認する必要があります。
もともと多忙な中で新人のオンボーディングの面倒を見るというのはそこそこ負担になります。
しかし、スクラムイベントの 1 つとしてスプリントレトロスペクティブが存在することで、わざわざミーティングの時間を確保せずともオンボーディングの状況を確認する良い機会がすでに用意されているのです。
新入社員としてもスプリントを通して何を知り何がわからなかったのか共有する機会に恵まれますし、お互いにとって良い時間の使い方になっています。
総括すると、スクラムという体制はオフラインでのチーム運営に限らず、リモートワーク下におけるオンボーディングにも使えるよくできた仕組みである、ということです。
魚心あれば水心。
- 既に関係が出来上がってる環境に完全リモートで入り込めるだろうか...
- 誰とも仲良くなれなくて腫れ物みたいな扱いになったら...
これらの不安への回答になります。
魚心あれば水心、ということわざをご存知でしょうか。
意味は以下の通り。
(魚に水と親しむ心があれば、水もそれに応じる心をもつ意から) 相手が自分に好意をもてば、自分も相手に好意をもつ用意があることのたとえ。相手の態度によって、こちらの態度もきまるということ。
コトバンクより
あなたに仲良くする気があるなら仲良くしますよ、ということですね。
これだけ聞くと相手次第で対応を変えるというなんとも嫌味な言葉ですが、立場を入れ替えれば相手にとっては自分が魚であるとも言えます。
このことわざは私にとって 3 つある座右の銘の 1 つでもあります。
※ちなみに残りは「夢幻泡影」「酔生夢死」。意味は調べてみてください。どちらもそうならないようにと自戒の意味を込めてます。
私も、この人と仲良くなりたい、このチームの一員になりたい、と思ったらやはり自分から相手に好意があることを示す必要があると考えています。
リモートワークかどうかなんて関係なく、自分から好意を示さなければ相手側も快く答えてはくれません。
深く考えすぎず、自分から話しかけてみる程度の小さな勇気だけでこれらの不安は無くなる可能性が十二分にあります。
もちろん、どんなに好意を示しても相手次第では失敗に終わる可能性もあります。
ですが、それは完全リモートワーク下かどうかとは無関係なことです。
これだけでは知見ではなく知識だ、という声が聞こえてきそうなので弊社における取り組みをいくつか紹介します。
分報( times )文化
弊社では分報の文化が根付いています。
開発チームに限らず全社員が Slack 上に times チャンネルを持っており、各自仕事のメモから趣味まで幅広くつぶやいています。
自分が仲良くしたいと思った人の times チャンネルに参加することも魚心の 1 つですし、自分の times チャンネルを頻繁に更新して人となりを知ってもらうのもまた 1 つです。
私は自分のチャンネルに問題対処時の思考プロセスから趣味の話、夕飯のメニューに昨日の株価の話まで投稿しまくることで自分を知ってもらう作戦に出ました(作戦というほど深く考えていたわけではありませんが)。
雑談文化
雑談する機会がチームとして、または会社として用意されています。
リモートワークが主流になって雑談の重要性が叫ばれた昨今、いろいろなところで行われている施策ですね。
弊社も例に漏れず、開発チーム全体で雑談する時間が週 1 回確保されています。
もちろん、強制参加ではありませんしタスク優先ではありますが、魚心を発揮するためにはこういった機会にも積極的に参加するべきです。
前述の times にあれこれ書き込んでいたおかげで雑談会に参加しても相手の方から times への投稿内容について話題をふっていただけたことも多々あります。
結論、コミュニケーションの不安はリモートワークかどうかにかかわらず自ら魚心を発揮できれば解消される可能性が高い、ということです。
まとめ
完全リモートワーク下のチームに転職して手に入れた 3 つの知見についてご紹介しました。
薄々勘づいている方もいらっしゃるでしょうが、結論として私の言いたいことは結局 1 つだけです。
あなたの不安、リモートワークかどうかは関係ないかも?
私も不安な気持ちを抱えて入社し、3 ヶ月が経とうとしていますが、そのほとんどが杞憂でした。
もちろん、弊社がリモートワーク下でも人を受け入れる土壌が用意できていた、というのも否定できませんが、今一度ご自分の悩みの本質を見直す機会になれば幸いです。
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