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Claude Code /context でコンテキスト使用量を可視化する

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Claude Code 1.0.86で追加された/contextコマンドは、AI開発における重要な課題の一つである「コンテキスト管理」を改善する機能です。本記事では、この新機能の使い方から実践的な活用法まで詳しく解説します。

/contextコマンドとは

/contextコマンドは、Claude Codeが現在使用しているコンテキストの詳細な内訳を可視化する監視・分析ツールです。コンテキストウィンドウの使用状況を理解し、最適化することで、より効果的なAI開発が可能になります。

コンテキストウィンドウとは

「コンテキストウィンドウ」は、言語モデルが新しいテキストを生成する際に参照できるテキストの総量と、生成する新しいテキストの総量を指します。これには会話履歴、システム指示、ツール定義などが含まれます。

なぜコンテキスト管理が重要なのか

大きなコンテキストウィンドウにより、モデルはより複雑で長いプロンプトを理解し応答できます。

一方、小さなコンテキストウィンドウでは長いプロンプトの処理や長時間の会話での一貫性維持が制限される可能性があります。

効果的に管理しないと以下の問題が発生します:

  • 🚫 コンテキスト不足: 重要な情報を見逃す
  • 🔄 自動圧縮: 重要な情報が失われる可能性
  • 📉 応答品質低下: 関連性の低い応答
  • 開発効率悪化: 何度も同じ説明が必要
  • 検証エラー: トークン制限超過による処理停止

/context の利用方法

Claude Codeのターミナルで以下を実行するだけです:

/context

すると、以下のような詳細な情報が表示されます:

> /context 
  ⎿  ⛁ ⛀ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁   Context Usage
     ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛀ ⛁ ⛀   claude-opus-4-1-20250805 • 36k/200k tokens (18%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ 
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ System prompt: 3.1k tokens (1.5%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ System tools: 12.9k tokens (6.4%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ MCP tools: 18.1k tokens (9.1%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ Custom agents: 332 tokens (0.2%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ Memory files: 1.4k tokens (0.7%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ Messages: 8 tokens (0.0%)
     ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛶ Free space: 164.2k (82.1%)

出力内容の詳細解説

1. Context Usage(全体情報)

  • モデル名: 使用中のClaude Codeモデル
  • 使用量: 現在のトークン使用量/制限値 (使用率%)
  • 視覚的表示: ブロック文字でのゲージ表示

2. System prompt

Claude Codeの基本動作を定義する指示です。通常は変更されません。

output-styleでシステムプロンプトを修正すると値が変わりそうです。

Claude Codeの「output-style」でデフォルトシステムプロンプトをカスタマイズ

3. System tools

ファイル操作、コード実行などの基本ツール群です。

4. MCP tools(Model Context Protocol)

MCPツールの詳細が表示されます:

MCP tools · /mcp
└ example-tool (external): 621 tokens

5. Custom agents

プロジェクト固有のカスタムエージェント:

Custom agents · /agents
└ example-agent (User): 86 tokens
└ custom-agent (User): 66 tokens

6. Memory files

プロジェクト設定ファイル:

Memory files · /memory
└ Project (CLAUDE.md): 1.4k tokens

7. Messages

現在の会話履歴のトークン数です。

実践的な活用シナリオ

例:コンテキスト溢れの対処

# コンテキスト使用量を確認
/context

# 使用量が90%を超えている場合
Context Usage: 185k/200k tokens (92%)

# 対処法1: 会話履歴をクリア
/clear

# 対処法2: 基本的な圧縮
/compact

# 対処法3: 自動compact設定
/config

対処法の詳細説明:

/clear

完全に会話履歴をリセットします。最もシンプルですが、これまでの文脈が失われます。

/compact

会話履歴をクリアしつつ、要約をコンテキストに残すコマンドです:

  • 基本使用: /compact - 自動的に要約を作成
  • 指示付き: /compact [要約の指示] - カスタム要約指示を指定

/configでの自動compact設定

Claude Codeはコンテキスト使用量が95%に達すると自動的にcompactを実行する機能があります。/configコマンドで「Auto-compact enabled」設定をオン/オフ切り替えできます。

まとめ

/contextコマンドは、Claude Codeを効果的に活用するための強力なデバッグ機能を提供します。定期的にコンテキスト状況をモニタリングし、適切な対策を講じることで:

  • 開発効率の向上: 無駄なやり取りを削減
  • 応答品質の維持: 関連性の高い提案を獲得
  • プロジェクトの継続性: 重要な情報の保持

コンテキスト管理を理解して、Claude Codeをより効果的に活用しましょう。

参考

GMOペパボ株式会社

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