Google Pixel & Android 15のターミナルアプリでClaude Codeを動かそう
はじめに
2025年3月、Google Pixel & Android 15でLinuxターミナル環境が使えるようになりました。Google Pixelユーザーは追加のアプリをインストールすることなく本格的なCLI環境を手に入れられます。
この記事では、Android 15の新機能「ターミナル」を有効化し、Claude Codeをセットアップする手順を紹介します。また、最後に現時点での注意点も紹介します。
Android 15のLinuxターミナルとは
Android 15で導入されたターミナルの主な特徴は次の通りです。
- 完全なDebianベースのLinux環境であり、
apt
を使ってツールやライブラリを自由にインストールできる。 - アプリはセキュアな仮想マシン上で動作するため、Androidシステム本体から隔離され、安全性が保たれる。
- デバイスをroot化したり、サードパーティアプリをインストールしたりすることなく利用できる。
Linuxターミナルの有効化
この機能はデフォルトで無効になっているため、まず有効化から始めます。
- 開発者向けオプションの有効化: 「設定」->「デバイス情報」->「ビルド番号」を7回連続でタップする。
- Linuxターミナルの有効化: 「設定」->「システム」->「開発者向けオプション」を開き、「Linux ターミナル」または「Linux 開発者環境」といった項目を探してトグルをオンにする。
有効化するとアプリドロワーに「ターミナル」が追加されます。なお、初回起動時にDebianのイメージをダウンロードしてくるため、Wifi環境での起動をおすすめします。
Claude Codeのセットアップ
ターミナルを起動したら、Claude Codeをセットアップします。
必要なパッケージのインストール
まず、apt
コマンドでNode.jsとGitをインストールします。最新のNode.jsを使いう場合はnodesource/distributionsなり、nvm等のバージョンマネージャを使ってください。
sudo apt update
sudo apt install -y nodejs npm git
Claude Codeのインストール
次に、npm
を使ってClaude Codeをグローバルにインストールします。
npm i -g @anthropic-ai/claude-code
Anthropicアカウントでのログイン or トークンの設定
claude codeを起動し、/login
でログインかトークンの設定をします。ここでログインを選択すると、ログイン用のURLが表示されますが、ターミナル上でクリックするとアプリ内ブラウザ的なもので開いてしまいます。パスワードマネージャ等が使えないので、リンクを選択してコピーし、デフォルトブラウザ等で開き直すのがおすすめです。
トークンをはりつける場合も、通常のペーストのように貼り付けたいところを長押してもメニューがでてきません。デフォルトのキーボードは、上部にクリップボードの内容が表示されてペーストできるのでこれを利用します。(大変ですね)
Claude Codeを使ってみる
セットアップが完了すれば、claude
コマンドでAIとの対話を開始できます。
簡単な質問をしてみましょう。
claude -p "日本の首都はどこですか"
mcpサーバー等も普通に使えるので、ghコマンドをインストールするなどしてAndroid端末での開発を楽しみましょう。
Android端末側のファイルを見る
/mnt/shared
に、端末側の「ダウンロード」フォルダがマウントされているようです。たとえば、その中にObsidianのVaultを作れば、ターミナルにインストールしたclaude codeからObsidianのメモを参照できます。なぜダウンロードなんでしょう…「ドキュメント」あたりがマウントされていると嬉しいのですが。
注意点
しばらく使ってみて、現時点のターミナルにはいくつかの注意点があります。
セッションの切断
ターミナルアプリがバックグランドにいっているあいだも、プロセスは生きています。しかし、ターミナルのセッションは切れてしまうことがあります。tmux
などのターミナルマルチプレクサを利用することで、作業中のセッションに再接続できました。
VM自体の停止
省電力機能やタスクスケジューラの影響か、バックグラウンドにいっている間にVM自体が落ちてしまうことがあるようです。その場合はVM自体の再起動となるため、tmuxもclaude codeのプロセスも残っていません。しかし、claude -c
のおかげでclaudeのセッションは再開できます。ありがたいですね。
まとめ
Android 15とPixelデバイスの組み合わせにより、追加のアプリなしで本格的なLinux環境とAIコーディングアシスタントをポケットに入れることができました。ぜひ、お手元のPixelで試してみてください。
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