Unreal Engineでバーチャルプロダクション用にViveトラッカーでカメラトラッキングの設定
Unreal Engineを用いたバーチャルプロダクションにおいて必要なカメラの3D空間上での動きのトラッキングにViveのトラッカーを使用するための手順をまとめました。Unrealのバージョンが上がった段階で過去の方法だけだと上手く動かなくなっていたので本記事を書いている次点で最新の手順の備忘録です。
本記事の環境は日本語環境のWin11でUnrealEngine v5.4.4です。
Step1 SteamVRをヘッドセット無しで起動させる
ヘッドセット無しでもSteamVRを動かすためにnull driverを使用するので
*SteamDirectory*/steamapps/common/SteamVR/drivers/null/resources/settings/default.vrsettings 内で "enable": false, を "enable": true,に変更する。
ドライバーの指定を*SteamDirectory*/steamapps/common/SteamVR/resources/settings/default.vrsettings 内で"requireHmd": true,を"requireHmd": false,にして"forcedDriver": "", を"forcedDriver": "null",に変更。また、"activateMultipleDrivers": false, を "activateMultipleDrivers": true,に書き換える。
Step2 トラッカーのみを認識させる
コントローラーがなく、Null Driverを使用しているとベースステーションが認識されないので*SteamDirectory*/steamapps/common/SteamVR/drivers/lighthouse/driver.vrdrivermanifest内で"alwaysActivate": false,を"alwaysActivate": true,に変更する。
Step3 トラッカーの設定
ペアリングが完了していたら先ほどまでの手順実行後SteamVRを起動するとトラッカーが表示されるのでトラッカーのアイコンを右クリックしトラッカーの管理からトラッカーの役割をカメラに変更する。


Step4 Unrealのプラグイン設定
Unrealでプロジェクトを立ち上げ、上部メニューの編集>プラグインで以下のプラグインを有効化する。
- livelink
- livelinkXR
- openXR
- openXRViveTracker
これらがインストールできたら一度Unrealを閉じます。
Step5 UnrealをXRTracking有効化して立ち上げる
Win+Rでrunコマンドから起動してもいいですが、OS設定言語が日本語の場合うまくいかないことがあるのでファイルエクスプローラーからUnrealEditor.exeインストール箇所まで移動し何も選択せずフォルダ内で右クリックから「ターミナルで開く」を選択。
Powershellが起動してカレントディレクトリがインストール箇所であっていることを確認したら.\UnrealEditor.exe -xrtrackingonlyを実行してUnrealEditorを起動させる。

Step6 トラッカーとカメラをリンクさせる
UnrealEditorが起動したらStep4でプラグインをインストールしたプロジェクトを開き、上部メニューでウィンドウ>バーチャルプロダクション>LiveLinkを開く。

パネルが開いたら+アイコンをクリックし、LiveLinkXRソース > 追加する。

追加すると以下のようにトラッカーが認識されているのが確認できる。もしHeadのみが表示されていた場合Step3で行ったトラッカーの設定でカメラになっているか確認する。

次にカメラアクターをドロップダウンから追加する。
カメラ追加後、カメラにlive link controllerを付与する。

次にSubject Representationでカメラの役割付与したトラッカーを選択するとトラッカーとカメラが連動するようになる。

以上で設定は完了です。トラッカーを動かすとカメラビューが動くのが確認できます。

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