ガジェット好きなエンジニアが自作キーボードを作るまでの話
この記事は ヤプリ #1 Advent Calendar 2022 - Adventar 20日目の記事です。
はじめに
はじめまして。株式会社ヤプリでバックエンドエンジニアをやっている水戸と申します。
この記事では、自作キーボード初心者である筆者がLily58 Proを作るに至った経緯と、作ってみた感想を書いていきます。
今まで使ってきたキーボードたち
エンジニアとして働くようになり今年で5年になりました。
元々ガジェット好きだった私は、今までに幾つかのキーボードを使ってきました。
自作キーボードを作るに至るまでに通ってきたキーボードたちをご紹介します。
Apple MagicKeyboard
Apple純正のキーボードです。
パンタグラフキーボード独特のペチペチとした打鍵感が当時は好きでした。
また、Macbookのキーボードと同じものなので、会議などで自席から離れる際も違和感なく使えるというメリットがありました。
PFU HappyHackingKeyboard Hybrid Type-S
海外からも絶大な人気を誇る国産の高級キーボードです。
同僚が使っているのに影響されて、自分も購入しました。
静電容量無接点方式によりキースイッチの寿命は無限であり、スコスコとした高級感のある打鍵感に魅入られる人も多いです。
バッテリーを内蔵せず乾電池で動くのは、バッテリーの寿命でキーボードが使えなくなるということを防ぎ、できるだけ長く使ってもらうという意図があるそうです。
C++の開発者であるビャーネ・ストロヴストルップ氏もHHKBを愛用しているなど、国内外のエンジニアから絶大な人気を誇るキーボードです。
飽き性
私は昔から飽き性でした。
昔から大好きなゲームでさえ、1つのゲームを長くやることは稀でした。
それはキーボードにももれなく訪れることになります。
元々、HHKBを購入する際は「3万5千円もする高価なものだし、これを一生使い続ける覚悟で買うんだ!」という意志を持っていました。
しかし、飽きとは怖いもので、その意志さえも忘れさせてしまうものでした。
遊舎工房との出会い
なにかいいキーボードはないかな?と思いながら仕事をしていたある日、会社のSlackに #talk-keyboard
というチャンネルができました。
キーボード沼にハマった社員の方たちが集まるチャンネルで、そこで遊舎工房というお店の存在を知ることになります。
元々自作キーボードに興味のあった私は、そこで自作キーボードの魅力を知ることとなります。
「たくさんあるキースイッチやキーキャップなどから選んで、自分好みの一品を作る。」
周りの人とかぶるのがあまり好きではない私からすると、まさに天国でした。
そのうちYoutubeの視聴履歴は自作キーボード関連で埋まることになり、自作キーボードを作ることを決意しました。
Lily58 Pro
数ある自作キーボードキットから私が選んだのは、Lily58 Proというものです。
キースイッチは、FEKER HolyPandaを選びました。
元々Cherry MX SpeedSilverを選んでいましたが、AliExpressで注文したところ今回のアドベントカレンダーに間に合わない可能性があり、急いで別のスイッチを探していたところ出会いました。
タクタイル軸で高級感のある打鍵感ということで紹介されており、複数の動画を見て選びました。
キーキャップは、PBTFans Twistを選びました。
遊舎工房の販売ページに乗っている写真のように、シンプルかつかわいい見た目のものを選びました。
アクセントとして黄色いキーキャップをつけるのがお気に入りです。
作ってみた感想
初心者は遊舎工房の工作室で作業すべき
今回、遊舎工房の工作室で作業をしたのですが、初めての方はできる限りここでやったほうがメリットが大きいです。
まず何より、スタッフの方からのサポートなどが受けられます。
また、隣にショップがあるので、ミスなどで部品が足りなくなってもすぐに購入することができます。
あと、後半にはスタッフさんと談笑しながら作業をすすめることができました。
どうやらHHKBのキーキャップ刻印サービスを開発した方だったようで、色々貴重な話を聞くことができました。
競馬の話で少し盛り上がりましたw
はんだ付けは思ったより難しくない
はんだ付けは思っているよりも難しくないですが、コツは必要です。
コツさえ掴んでしまえばある程度きれいにできるようになります。
全く初めての方は、はんだゴテの使い方などは事前に調べておくことをおすすめします。
ビルドガイドはまじで熟読するべき
ビルドガイドは作業時に1字残らず熟読してください。
読み飛ばしながら作業していると、必ずミスを犯します。
私は、最初のステップであるダイオードの取り付けから表裏逆で行っており、最終的にはPromicroの取り付けまで気づきませんでした。
これはPromicroのはんだ付けまでが完了して意気揚々と撮った写真です。
本来ダイオードは裏面に取り付けるのですが、表面とわかるように貼ってあるマスキングテープが見えている時点で間違えてます。
Promicroの裏表も逆です。(チップなどが見える面が下になるのが正しいです)
動作チェックをしようとしていたところ、隣で別の作業をしていたスタッフさんから「それ逆じゃないですか?」とご指摘を頂き初めて気づきました。
Promicroはピン同士の感覚が非常に狭いため、電動はんだ吸い取り機でなければ復旧は難しいです。
遊舎工房では1回1000円で借りることができるので、それをお借りしてなんとか復旧することができました。
本来は有償技術サポートの範疇だと思うのですが、はんだ吸い取りの作業をスタッフさんがやってくれました。
おそらく見ていられなかった感じだったと思うのですが、助けていただいて本当に助かりました…
ちなみに、表裏どちらに取り付けるかなどはビルドガイドに注意書きで書いてあります。
私はそれを読み飛ばしたせいでミスを犯したので、これから作る方は気をつけてください。
(自分も気をつけます)
HolyPanda軸は重たい
HolyPanda軸は、押下圧が67gと重ためです。
様々なサイトでは「67とは思えないくらいの打鍵感」と評価されていますが、個人的には結構重たく感じました。
普段プライベートでSpeedSilver軸を使っているというのも、重たいと感じる要因の1つかもしれません。
また、Factory Lubedの製品であるもののバネの金属音が結構目立ちます。
これ以上の打鍵感・打鍵音を得たければ自分でルブするしかないかもしれないです。
終わりに
全体を通して、とても楽しかったです。
パーツ選びが楽しいのは自作PCと同じ匂いがしますね。
沼と呼ばれるのも頷ける感じでした。
今後また良さげなのがあったら手を出すかもしれないので、これからもキーボード沼に浸かっていきたいと思います。
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