論理包含について
これは論理演算の一つで、英語では implication と呼ばれます。
2つの命題 P と Q に対する論理包含は
P → Q
のように表現されます。
論理演算は、ANDやInclusive ORやExclusive ORなどです。
分かりやすさのために、implicationのTruth tableを示します。
A | B | A → B |
---|---|---|
T | T | T |
T | F | F |
F | T | T |
F | F | T |
上記のTableをみてわかるように、1つ目の命題AがTrueでかつ2つ目の命題BがFalseの時のみ、命題全体がFalseとなるのが、implicationというこの論理演算です。
どうしてこうなるかを例を用いて説明します。
「私が1億円の宝くじに当たったら、あなたに100万円をあげます。」
この文では、2つの命題は以下のものに相当します。
命題A: 「私が1億円の宝くじに当たる」
命題B: 「あなたに100万円をあげる」
私が約束を守った場合(例えば、宝くじに当たってあなたに100万円を与える場合など)はA→B
はTrueとなり、約束を破った場合は命題全体であるA→B
はFalseとなります。
各々命題A,BがTrue, Falseの場合を見てみましょう。
命題AがTrueの場合
「私が1億円の宝くじに当たる」が起こった場合を考えてみます。
この場合、 「あなたに100万円をあげる」がTrueの場合、私は約束を守っていることになるので、A → B
はTrueとなります。
一方、 あなたに100万円をあげなかった場合、宝くじに当たったのに、100万円をあげる約束を果たしていません。そのため、 A → B
はFalseになります。
いったんまとめると、以下のようになることがわかります。
A | B | A ⇒ B |
---|---|---|
T | T | T |
T | F | F |
命題AがFalseの場合
「私が1億円の宝くじに当たる」が起こらなかった場合を考えてみます。
この場合、私は宝くじに当たってないので、 あなたに100万円をあげようがあげまいが当初の約束(= 命題全体のA → B)を破ってはいません。
この命題 A → B
は、宝くじが当たらなかった場合について言及してないためです。
宝くじにあたってないけど、100万円をあげるということがあってもいいでしょう。宝くじにあたってないから、100万円はあげられないと言うこともありえます。いずれの場合も、「私が1億円の宝くじに当たったら、あなたに100万円をあげます。」という約束自体はやぶっていないと解釈します。
というわけで、命題Aがfalseの場合は命題Bの真偽にかかわらず約束はやぶることにはならないので、A→B
はTrueとなります。
A | B | A ⇒ B |
---|---|---|
F | T | T |
F | F | T |
以上より
以下のようなTruth Tableが導かれます。
A | B | A → B |
---|---|---|
T | T | T |
T | F | F |
F | T | T |
F | F | T |
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