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allow-queryとallow-recursionの設定の違い:DNSクエリタイプとの関連性

2024/11/05に公開

DNSクエリタイプの基本

DNSクエリには主に2つのタイプがあります:反復的(イテレーティブ)クエリと再帰的(リカーシブ)クエリです。これらの違いを理解することは、allow-queryとallow-recursionの設定の重要性を把握する上で不可欠です。

1. 反復的(イテレーティブ)クエリ

反復的クエリでは、DNSサーバーは自身が持っている情報のみを返します。もし要求された情報を持っていない場合、クライアントに次に問い合わせるべきDNSサーバーの情報を返します。クライアントは、必要な情報を得るまで複数のDNSサーバーに問い合わせを続けます。

2. 再帰的(リカーシブ)クエリ

再帰的クエリでは、DNSサーバーは要求された情報を持っていない場合、自身が他のDNSサーバーに問い合わせを行い、最終的な回答をクライアントに返します。クライアントは1回の問い合わせで完全な回答を得ることができます。

allow-queryとallow-recursionの違い

allow-query

allow-queryは、DNSサーバーがどのクライアントからのクエリを受け付けるかを指定する設定です。この設定は、反復的クエリと再帰的クエリの両方に適用されます。つまり、allow-queryで指定されたクライアントは、サーバーに対して任意のタイプのクエリを送信することができます。

allow-query { localhost; 192.168.1.0/24; };

この例では、localhostと192.168.1.0/24ネットワークからのすべてのクエリを許可しています。

allow-recursion

allow-recursionは、どのクライアントに対して再帰的クエリを許可するかを指定する設定です。この設定は、再帰的クエリにのみ適用されます。allow-recursionで指定されたクライアントは、DNSサーバーに対して再帰的クエリを送信し、完全な回答を得ることができます。

allow-recursion { localhost; 192.168.1.0/24; };

この例では、localhostと192.168.1.0/24ネットワークからの再帰的クエリを許可しています。

設定の関連性と重要性

allow-queryとallow-recursionの設定は、DNSサーバーのセキュリティと性能に大きな影響を与えます。

  • セキュリティ:allow-recursionを適切に設定することで、DNSサーバーが外部からの再帰的クエリに応答することを防ぎ、DNSアンプ攻撃などのリスクを軽減できます。
  • 性能:再帰的クエリは、DNSサーバーにより多くの負荷をかけます。allow-recursionを制限することで、サーバーリソースを効率的に使用できます。
  • 機能性:allow-queryを適切に設定することで、権威DNSサーバーとして機能させつつ、特定のクライアントに対してのみ再帰的クエリを許可するといった柔軟な設定が可能になります。

まとめ

allow-queryとallow-recursionの違いを理解し、適切に設定することは、安全で効率的なDNSサーバーの運用に不可欠です。クエリタイプの特性を考慮しながら、これらの設定を組み合わせることで、セキュリティと機能性のバランスの取れたDNSサーバーを構築することができます。常に最新のセキュリティベストプラクティスに従い、定期的に設定を見直すことが重要です。

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