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Sendmailの設定ファイル解説:サーバ設定情報の確認方法と設定例
Sendmailの主要設定ファイルについて、より詳細な説明を提供いたします。
sendmail.cf
1.このファイルはSendmailの中核となる設定ファイルです。通常、/etc/mail/sendmail.cf に位置しています。以下は主要な設定項目の詳細説明です:
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Cwlocalhost: ローカルホスト名を設定します。これはメールサーバーが自身を識別するために使用する名前です。
設定例:Cwmail.example.com -
DS: スマートホストを指定します。これは、直接配信できないメールを転送するためのリレーサーバーです。
設定例:DSsmtp.example.com -
DM: デフォルトのドメイン名を設定します。完全修飾ドメイン名(FQDN)が指定されていない場合に使用されます。
設定例:DMexample.com -
DR: リレーを許可するドメインを指定します。これらのドメインからのメールは、他のドメイン宛でも転送されます。
設定例:DRexample.com,trusted.com -
O MaxDaemonChildren: 同時に処理できる最大接続数を設定します。サーバーのリソース管理に重要です。
設定例:O MaxDaemonChildren=10 -
O MaxMessageSize: 受け付ける最大メッセージサイズを設定します。これを超えるサイズのメールは拒否されます。
設定例:O MaxMessageSize=10000000
2. access
このファイルは、特定のIPアドレスやドメインからのメール送受信を制御します。通常、/etc/mail/access に位置しています。
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Connect: 特定のIPアドレスやネットワークからの接続を許可または拒否します。
設定例:Connect:192.168.1 RELAY (192.168.1.0/24ネットワークからの接続を許可) -
From: 特定の送信元アドレスからのメールを許可または拒否します。
設定例:From:spammer@example.com REJECT (指定アドレスからのメールを拒否) -
To: 特定の宛先アドレスへのメールの取り扱いを指定します。
設定例:To:postmaster@example.com OK (postmasterへのメールを常に許可)
3. aliases
このファイルは、メールアドレスのエイリアス(別名)を設定します。通常、/etc/aliases に位置しています。
- postmaster: root: postmasterへのメールをrootユーザーに転送します。これは一般的な設定です。
- webmaster: john@example.com: webmasterへのメールを特定のアドレスに転送します。これにより、役割ベースのアドレスを実際の個人アドレスにマッピングできます。
4. local-host-names
このファイルには、サーバーが受け付けるドメイン名のリストが含まれます。通常、/etc/mail/local-host-names に位置しています。
- example.com: このサーバーがexample.comドメインのメールを受け付けることを示します。
- mail.example.com: サブドメインのメールも受け付けることを示します。
5. virtusertable
このファイルは、バーチャルドメインのユーザーマッピングを設定します。通常、/etc/mail/virtusertable に位置しています。
- **info@example.com john**: example.comドメインのinfoアドレス宛のメールをjohnユーザーに配送します。
- @example.net %1: example.netドメインの全アドレスを同名のローカルユーザーに配送します。%1は受信者名を表します。
6. mailertable
このファイルは、特定のドメイン宛のメールの配送方法を指定します。通常、/etc/mail/mailertable に位置しています。
- **example.com smtp:[192.168.1.10]**: example.com宛のメールを192.168.1.10のSMTPサーバーに転送します。これは特定のドメインのメールを別のサーバーで処理する場合に使用します。
7. domaintable
このファイルは、ドメイン名の書き換えルールを設定します。通常、/etc/mail/domaintable に位置しています。
- **old-domain.com new-domain.com**: old-domain.com宛のメールをnew-domain.comに書き換えます。これはドメイン名の変更時に古いドメイン宛のメールを新しいドメインに転送する際に使用します。
これらの設定ファイルを変更した後は、必ずSendmailの設定を再読み込みする必要があります。通常、以下のコマンドを使用します:
sudo /etc/init.d/sendmail restart
または、システムによっては:
sudo systemctl restart sendmail
これらの設定ファイルを適切に管理することで、Sendmailサーバーのセキュリティ、効率性、および機能性を最適化することができます。各設定の変更は慎重に行い、必ずバックアップを取ってから実施することをお勧めします。
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