統計ほぼ初学から 4 ヶ月で統計検定準 1 級受かった話
はじめに
今回は統計検定準 1 級に一発で合格できたので、勉強方法・テストの所感をレポートします!最近は増えてきましたが、CBT 形式の準 1 級の体験記は少ないかなと思ったので 1 つの参考になれば嬉しいです!
ステータス
- 経歴: 東京大学理科 2 類 → 工学部マテリアル工学専攻 → 大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 (物性に関する研究)
- 仕事: 株式会社くふうカンパニーで DS をさせてもらってます
- 統計の勉強経験: 1S の基礎統計のみでほとんど覚えていないので、知識ほぼゼロの状態でした
- 数学: 東大理系の平均ぐらいだが、大学からはあまり勉強していませんでした (だいたい優で優上はほとんどありませんでした)
ちなみに、自分の詳しい来歴は会社の note に書かれてます!
総じて統計に必要な数学は世間的にはかなり得意な方です。が、統計検定準 1 級合格にはあまり関係ないと思われます。
勉強方法
気になる勉強方法ですが、参考書は 3 冊を使用し、他は Youtube や Web サイトを活用しました。他にUdemy などの有料の教材は使用していません。
使った参考書
- 統計学入門
統計学に関する基本的な内容が書かれている教科書です。東京大学出版だが、授業ではこの参考書は使っていません、立式過程がしっかり書かれているので、腰を据えて数学を勉強できる人向けです。正直これをやらなくても良い気がします。
- 日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック (以下、ワークブックと呼称)
おなじみ公式の参考書だが、説明が端折られているのと、ところどころ説明の流れが不自然でわかりづらい。しかし、この内容をベースにして試験内容が出題されるので持っておくべきです。ただ、章末問題とか例題の解答が「略」になっていないだけマシです。なお、後述する過去問の一部を章末問題で用いているので、問題が結構被っています。
- 日本統計学会公式認定 統計検定 準1級 公式問題集 (以下、公式問題集と呼称)
こちらも公式の参考書。CBT 1 本化以前の PBT 試験の内容が載っています。解説は普通だが、Web サイトとか YouTube に詳細な解説が載っている場合が多いです。
役立ったWeb サイト & Youtube
- データサイエンスLab.
説明が簡潔で、だいたい 10 分前後でテーマごとに解説しているので見やすいです。また、電卓の使い方のテクニックの回は分散の計算を爆速にしてくれるので、すごい役に立ちました。
- AIcia Solid Project
バ美肉の人がやっていると重きや説明は割と真面目。よくある「数式を使わずに理解」という安易なコンセプトに頼らずに数式を追っていってくれているのは助かりました。その分動画のボリュームは重く、30 分を超えるものもちらほらあります。
- 田中嘉博
数式抜きで視覚的に捉えたい人にはおすすめです。t 検定とかカイ二乗検定とか何やってるか正直わからなかったが、この動画を見てよくわかりました。くどい位に説明してくれています。音声設備が良くないのか、ちょっと聞き取りづらいのが難点です。
- あつまれ統計の森
統計検定を受験する人にはおなじみだと思います!過去問解説はまばらなので、載っていないものもあることに注意です!公式の問題集で端折っている途中式とかも買いてくれていることが多いのが嬉しいところです。
- 統計検定準 1 級チートシート|とけたろうブログ
とにかく範囲が広いので、さっとおさらいするのにおすすめです。公式と簡単な説明がまとまっています。
スケジュール
スケジュールは Notion でざっくり管理していました。ただ、「何日でこの参考書を勉強する」ぐらいのざっくりさでやっていました。以下、大まかなスケジュールを書いておきます。
2023 年 10 月: 上記で説明した参考書を購入
2023 年 10 月 ~ 12 月: 統計学入門 (2 周ぐらいした) とワークブック 1 周目を終わらせる
2023 年 1 月 ~ 3 月: 修論追い込み + 卒業関係のイベントで勉強できず
2024 年 7 月 ~ 8 月: ワークブック 2 周目、公式問題集 (2~3 周ぐらいした)
勉強時間
全部合わせて多分 150 ~ 200 時間ぐらい?社会人のなってからは正直、勉強時の集中力と理解力、あとはバックグラウンドによって変動するので参考程度にお願いします。
情報収集
こういうテストでは、情報収集が肝心です。過去に受験した方のブログなどを参考にして後半は勉強していました。以下、参考になったブログ貼っておきます。
また、どの受験場所を選ぶかで勝手が違うので、受験場所選びも重要です。自分は、オデッセイテスティングセンター有楽町店で受験しました。
ただ、今回は TOEFL みたいな Speaking がないので周囲の防音環境とかはそれほど考えなくてもいいかもしれないです (TOEFL だったらお茶の水のソラシティ 1 択だと思ってます)。耳栓使っていいらしいのでそれらを使う前提で考えるのもいいと思います。
テストレポート
テスト会場に到着 (-30分)し、受付のテーブルで涼みながら最終チェック。受付に名前を書く必要があると気づいて名前を記入する (-20 分)。受け付けで身分証明書の提示と使用する電卓の確認、事件のしおりをもらって再度受付のテーブルで待機 (-10分)。持ち物をロッカーに入れて、受験のしおりを読む。数値記入問題もあるのかと気付き、若干緊張する (-5 分)。受験部屋に案内され、オデッセイ ID とパスワードを入力して、各々のタイミングで試験を開始 (0 分)。なかなかエンジンがかからずに苦労したが、なんとか 1 周終わらせる (+45 分)。落ち着いて、最初の方の問題を解いて、見直しを行い、まあ受かるだろうと確信する。30 分程度見直しをしてこれ以上直しようがないよ思ったので試験終了(+75 分)。何個かのアンケートに回答し、結果発表 (+80 分)。自分の荷物をロッカーから出して、試験レポートを係の人に印刷してもらい、受付でもらって試験終了。
試験を進めるにあたって知っておいた方がいい知識
- 試験会場への時計の持ち込みは禁止だが、左下に残りの試験時間が書いてあるので確認可能です。
- 大問単位で「後で確認する」というチェック項目があり、これをチェックしておくと後の確認画面で見直したい問題がわかりやすくなります。
- 一通り回答が終了したら、大問単位の確認リストが出てくる。この画面で問題ごとにリンクに飛んで見直し可能です。
- 今回受けた会場では、ラミネート加工された計算用紙 2 枚とボールペンが試験会場の自分の机の上に置かれていました。
テストの感想
よく過去問題集はあまり参考にならないと言われるが、そんなことはないと思いました。難易度は一番難しい 2021 年度の問題よりは簡単で、計算量も全然少なかったです。出題範囲は、意外と重箱の隅をつつく問題が何個かあったが、満遍なく出題されている印象 (問題プールからランダムに出題されているらしいので、受験日によって差異があるようです)。基本的な部分を押さえていれば合格点には達するのではないかと思いました。
最後に
次は統計数理取りたいですね〜
数学得意な人はむしろ 1 級の方が楽だって話も耳にしたので。まあでも、応用にまだあまり落とし込めていないので、実務で活用できるように頑張りたいです〜!
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