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python3 .run_in_executorとは
.run_in_executor
は、Python の asyncio
モジュールに含まれるメソッドで、同期的なブロッキング操作を非同期的に実行するために使用されます。具体的には、非同期イベントループの外部で動作するスレッドやプロセスで関数を実行し、その結果を非同期的に取得することができます。
主な機能
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非同期化:
- ブロッキング操作(例: 標準入力の読み取りやソケット通信)を非同期タスクとして実行できます。
- イベントループをブロックせずに、他の非同期タスクを並行して実行可能です。
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スレッドまたはプロセスでの実行:
- デフォルトでは、スレッドプールエグゼキュータを使用して関数を別スレッドで実行します。
- 必要に応じて、カスタムエグゼキュータ(プロセスプールなど)を指定することもできます。
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戻り値:
-
.run_in_executor
はasyncio.Future
を返します。この Future をawait
することで、非同期的に結果を取得できます。
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使用例
以下は、標準入力を非同期的に読み取る例です。
import asyncio
import sys
async def async_input(prompt=""):
print(prompt, end="", flush=True)
# run_in_executor を使って標準入力を非同期で読み取る
return await asyncio.get_event_loop().run_in_executor(None, lambda: sys.stdin.readline().strip())
async def main():
name = await async_input("Enter your name: ")
print(f"Hello, {name}!")
asyncio.run(main())
引数
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executor:
- 使用するエグゼキュータ(スレッドプールやプロセスプール)を指定します。
-
None
を指定すると、デフォルトのスレッドプールエグゼキュータが使用されます。
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func:
- 実行したい関数オブジェクト。
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args:
- 関数に渡す引数。
利用シーン
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ブロッキング I/O:
- 標準入力 (
sys.stdin.readline
) やファイル操作、ソケット通信などのブロッキング操作を非同期化する際に使用します。
- 標準入力 (
-
CPUバウンドな処理:
- 計算負荷の高い処理を別スレッドやプロセスで実行し、イベントループをブロックしないようにします。
注意点
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スレッドセーフでないコード:
- スレッドプールで実行されるため、スレッドセーフでないコードを扱う場合は注意が必要です。
-
オーバーヘッド:
- スレッドやプロセスの切り替えにはオーバーヘッドがあるため、頻繁に使用するとパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
結論
.run_in_executor
は、同期的なブロッキング操作を非同期化するための便利なメソッドです。これにより、イベントループをブロックせずに効率的な非同期プログラムを構築できます。