私は音声・ビデオデータをどのように処理してもらいたいのか?
ここ1.5ヶ月ぐらいは論文の追い込み期間で,インフラを改善するような余裕もなくやっていたので,だいぶ久しぶりの投稿になる.
最近は「録画データをどのように即日に作成するフィールドノーツに取り入れていくか?」という問題について考えている.アリス・ゴッフマンの『逃亡者の社会学 アメリカの都市に生きる黒人たち』で,フィールドワーカーが現場で,現場の人々と話をしながらフィールドノーツを書いていたエピソードに刺激を受けて,自分の記録スタイルを見直した結果,最近は記録の量が増えているのだ.記録のさりげなさ,つまり(同意は当然得ての上だが)記録してることを意識させないことを重視するスタイルから,現場の「記録係」としての役割を引き受けるように振る舞って記録してる姿を見せつつより詳細に記録をとっていくことを重視するスタイルに変わった.すると現実的に問題になるのは,取得されるデータの量が圧倒的に増えることであり,それに伴って冒頭の問いについて考えている.
今日思いついたのは,一つはその日のうちに要約を作ってしまう,というのが手段かもしれない,ということだ.
AIの活用ということにも興味を持っているので,どんな使い方だったら良いのか,という観点でアイデアを考えている.
その日のうちであれば要約を作るにしても,実際に体験した当日の感覚で重要だと思った部分を強調した要約を作ることが可能である.AIに要約を作らせたとしても,その要約の確かさについての判定がその日のうちであればより正確であることが期待できる.
ちょうど先日まで追い込んでいた論文で初めて半年ぐらいかけてデータの分析と執筆に時間をかけて論文を作ることができて,要約の大切さを実感した.全体を見渡す場面と,すごく詳細なところまで見ていく場面と両方があるので,要約が用意されていることは,後で見渡す際にとても助けになりそう.
また,重要だと感じた部分の抜粋を作ることも当日のうちであれば容易い.ヘッドノーツに残っている部分と録画データを対応づけていくというのは当日できる作業だ.ただ,このヘッドノーツと録画データの対応づけというのは,割と時間が長くかかりやすい感触である.当日のうちは複雑な関係性をよく覚えているので,録画データの多様な部分を関連づけることに躍起になってしまう.その結果として,すごい時間がかかるか,特定のできことに関連する部分の記述がたくさんあって,他の部分は時間切れになってない,といううことになる.
以上のことを踏まえて,インフラ的にできたらいいなと思うのは,次の作業だ.
- 取得したデータをできるだけ少ない手間でデータベース(私の場合はGoogle Drive)にアップロードする
- 書き起こしを自動でしてくれる
- AIが要約の案を作ってくれる
- スマートチャプター的なものを作ってくれて,ヘッドノーツとの対応づけを助けてくれる手がかりを生成する
- データにURIをつけてリンクを発行可能にして,フィールドノーツへのリンク貼り付けを可能にする(例えばタイムスタンプに応じたリンクなど)
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