メモ作成ツールを検討する
8月初旬からずっと,フィールドワークのデータ分析として,時系列に自分がフィールドで何をしていたのかを整理している.自分が積極的にフィールドの変化に関わっているので,まず自分が何をしてたかをまず整理したらどうかと共同研究者に提案してもらって,自分もそうだな納得したので取り組んでいた.ただ,ダラダラと続けてしまったり,なかなか集中して取り組めなくて,違和感を感じていた[1].自作には至ってないが,ツールに関する振り返りとして,この日記に書いておこうと思う.
やり始めて2週間がたった今日([[2025/08/20]])風呂に入りながらふと,figma figjamを使ってこのタイムラインを作った方がいいのではないか?と思った。
なんとなく,今の自分のまとめを作成したあと他に何をするんだろうとか,分析のプロセスを論文で報告するなら,この今の作業は「データに馴染む」の段階として報告するんだろうか?ということを考えていた.そして,この自分が何をしたかの分析の先には,隣に去年の4年生たち[2]のやったことをタイムラインとして整理したものが並んで,10人分ぐらいのタイムラインの表になるという視覚的イメージが思い浮かんだ.すると,今のスプレッドシートに1日ごとに自分が学生にしたことを並べて整理する形式ではなく,figma figjamに並べて書いている様子が浮かんだのだ.そして,このノートに書いているメモを作成していても「なんかテンション上がらない」「なかなかやめられなくならない」のは,使うツール・まとめ方が間違ってるからではないか,と思ったのだ.
この思いつきを元にさらに風呂の中で無言で考察が進んだ.ではなぜ,ここまでのやり方はこのまとめ作業に合ってないのか?
まず,今の形式は,最終的な分析のアウトカムはスプレッドシートと位置付けて行っていて,その作業記録がこのノート,という意識だったとおもう.まずスプレッドシートが違和感があって,いきなり決まった方にハメるように分析を進めることが,使ってる形式・ツールから促されるが,一番最初の馴染む,焦点を決める段階の分析には向いてないのでは.もっと自由に色々思いつくことを書き込みたいのに,それが抑制されていると感じた.
次にメモ用のノートについては,上から下に順番に書くことしかできないという文書作成ツール,Markdown の都合上,縦にどんどん伸びていくことが限界で今の段階にはマッチしてないと思った.スプレッドシートには自由に書けないことの反動で,こちらのメモに書きたいことをたくさん書いている.データを見て思い浮かんだことのメモや,あとで参照したいなと思った部分の引用,関連しそうな資料など,色々貼っている.ただ,様々な事項を次々に書き込むと,とにかくノートが縦に伸びる.データを見た時の発見や驚きを記録として残しておくという機能は達成しているが,「整理された」感じがしない.Obsidianには傍書きのコメントツールもないから[3],ひたすらメモが伸びて,見返すこともなさそうな感じになっている.なんだか,生データを再生産している気分にもなる.縦に伸びるだけなので,メモ間の関連づけをすることも難しい.よって,メモを書いたことによるメモのさらなる統合や発見はないので,ひたすら生データを「舐めていく」「順番に見ていく」という作業にとどまることになる.
以上2つの「いきなり過度に型にハメられる」「メモ同士の関連性を見る気になれない」というおもに2つの違和感によって,「なんかテンションが上がらない」という状況になってたのではないか,と考えた.
では,この状況に対してfigjamのようなデジタルホワイトボードはいかに異なる作業のやり方を可能にするだろうか.スプレッドシートのように型にはめられるということは,ホワイトボードの方が少ないだろう.また,縦に1次元にしか配置できないということも,ホワイトボードの方が2次元に配置できて自由度は上がるだろう.どんどんとノートが伸びて一覧性が下がってくることに関しても,ホワイトボードアプリは,その中にコメントを書いたり,項目によって大きさを変えて配置することができたりするので,ZUI (zoomable user interface) 的に一覧した時に見えるものと補足的に詳しく見ると見えるものを自分で解像度を使い分けて整理できそうである.やってると,遠く離れたところの間の関連を指摘したくなって,線を引くとごちゃごちゃする〜みたいなことにはなりそうだが,ノートよりはマシに思われる[4].作業をした順番に記録が取れるという作業記録的な部分は上から下に書くノートよりは確認しにくくなるが,バージョン履歴は一応記録されている.また,そのような作業記録は引き続きObsidianなどに書いてもいいだろう.
というあたりまで考察が進んだところで,figma figjamが本当にいいのか?という疑問が浮かぶ.Obsidianでやっていていいことといえば,特に今の段階ではフィールドノーツが正式にはなくて,Obsidianの日記に基づいて分析する部分も多いから,リンクを貼りやすいという点は良いと感じていたのだ.また,ツールを他のものをスイッチする必要がないのもいい.スプレッドシートにはあまり書き込むことがなく,Obsidianのメモがどんどん増えてたのも,なんだかんだでここに集約してたからでは?という気もする.だったら,Excalidrawを使うか,Obsidianのノートを配置するやつを使ったほうが良いのでは?と思った.
どれにするかは,ちょっと試して決めたいと思う.
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この間,iPhoneが3回壊れて修理対応やスマホなし生活で不便があったとか,SSDが2つ壊れて データのサルベージやバックアップ環境の整備に注力していたとか,他の言い訳も色々あるので,文脈として指摘はしておく.(言い訳を書く言い訳) ↩︎
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ゼミ研究をしているので,フィールドの人たちのこと ↩︎
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Markdownの仕様的には,footnoteを活用した方がいいのかも知れない.Obsidianのfootnoteプラグインを使ってなかったけど,有効にしたら結構コメント的に使える気がしたきた ([[2025-08-21]]).
また,コメントをつけるためのプラグインもあるが,以前試したがなんか微妙でアンインストールしたみたい.現状は入ってなかった. ↩︎ -
ここまでを書いていて,Obsidianでも1つのノートを成長させるのではなく,ノートを分割してリンクを張り合えばいいのでは?という気がしてきたが,なんとなく自分はそれをしようとは思わなかった.一覧性が重要な気がしてるのかな? ↩︎
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