スティック型USB SSDにUbuntuを複数入れる
これは?
PC Watchの記事【第41回】流行りの超小型USB SSDを使い、Ubuntuをポータブルに運用するを参考にスティック型USB SSDにUbuntuを複数インストールするメモです。
グラフィカルな見た目にひかれたので、スティック型USB SSD(以降、USB SSDと書きます)にClover Bootloaderを書き込んでおきます。
インストールするUbuntuは、22.04で、ダウンロードしたISOイメージを別途用意したUSBメモリに書き込んでおきます。
PC Watchの記事では、インストール対象外のストレージを取り外したPCでインストールすることが大事だと述べられていますが、PCから取り外すのが大変なため、この手順ではOracle社のVirtualBoxを使用します。
用意するもの
- USBメモリー:Ubuntu 22.04のISOイメージが書き込める大きさのもの
(32GバイトのUSBメモリを使用しました) - USB SSD:バッファローのSSD-PST250U3-BA
(250Gバイトを購入しました) - Oracle VirtualBox
- PC:Rufusでの書き込みやVirtualBoxを使用するため、Windowsが動作しているPC。
GMKtec社のNucBox5(CPU:N5105、SSD:128Gバイト、メモリ:12Gバイト) - Ubuntu Desktop 22.04 LTS ISOイメージ
- Rufus
- Clover Bootloader
最終的なUSB SSDのパーティションイメージ
250GバイトのUSB SSDを使用したので、32Gバイトを3つ、16GをFAT32にして、WindowsやMac、iPadでデータのやり取りのために使用します。
インストールしたUbuntu間で使用したいので、130Gバイトをext4にしました。
130Gバイトの領域にgitなどで取得した環境を持っておくようにします。
作業フロー
準備編
Rufusで書き込み(Clover Bootloader)
Rufusで、USB SSDにClover Bootloaderを書き込みます。
デバイスにUSB SSDが表示されてない場合は、次のように、「詳細なドライブプロパティ」を押して、「USB接続のHDDを一覧表示」にチェックをつけてください。
Rufusの以下の項目を設定しました。
- ブートの種類 : Clover-5156-X64.iso
- ターゲットシステム : 選択肢がなく変更できませんでした。
- パーティション構成 : GPT
後は、スタートボタンを押して開始します。
Rufusで書き込み(Ubuntuインストーラー)
Rufusで書き込み(Clover Bootloader)と同じような手順で、USBメモリにUbuntu 22.04 のISOイメージを書き込んでおきます。
VirtualBoxの準備
VirtualBoxをインストールした後、USB SSDを起動するための設定をします。
仮想マシンを新規作成します。名称などは適当です。
割り当てるCPUのコア数とメモリは使用するPCより違うため、図は参考値としてください。
ストレージはUSB SSDを使用するため、「仮想ハードディスクを追加しない」を選択します。
一連の設定をした後、完了ボタンを押すと、仮想ハードディスクに関する警告が表示されますが、「続ける」ボタンを押します。
追加で、仮想マシンの設定を行います。
USB SSDを起動できるように、「+」ボタンを押してUSBを追加します。
ついでにUbuntuインストール用のUSBメモリも追加します。
システムの起動順序でハードディスクだけ選択しておきます。
VirtualBoxの起動確認
USB SSDをPC本体に接続して、VirtualBoxで作成した仮想マシンを起動します。
仮想マシンの仮想ハードディスクを作成してないため、起動できないというメッセージが表示されます。
Enterキーを押して、Boot Managerを起動します。
VirtualBoxのBoot Managerから、USB SSDを選択します。
Clover Bootloderが起動することを確認します。
この様な画面になれば、設定はほぼできています。
確認ができたら、仮想マシンを強制シャットダウンします。
Ubuntuのインストール編
このフローは「準備編」が完了した状態で実施する内容です。
VirtualBoxの起動
仮想マシンの仮想ハードディスクを作成してないため、起動できないというメッセージが表示されます。
Enterキーを押して、Boot ManagerからUSBメモリを選択します。
Ubuntuのインストール1
Web検索などで見かけるUbuntuの手順で進めていきます。
この手順では初めてUbuntuをインストールするので、全領域がClover Bootloaderに割り当てられています。
Ubuntuをインストールする領域を空けるために、Clover Bootloaderの領域を128Mバイトにリサイズします。
空き領域に対して、Ubuntu用のEFI System Partition(ESP)領域に128Mバイト割り当て、「/」領域に32Gバイト割り当てます。
あとは、よく見かける手順でインストールを続けます。
インストール完了後、仮想マシンを再起動して、Ubuntuが起動することを確認します。
Ubuntuが起動することを確認したら、シャットダウン操作をして、VirtualBoxの画面に戻ります。
Ubuntuのパーティション情報の変更
2回目以降のUbuntuをインストールする準備をしていきます。
VirtualBoxの仮想マシンを起動します。
前回のインストールと同様にEnterキーを押して、Boot ManagerからUSBメモリを選択します。
Ubuntuのインストールをする前に、インストール済みのUbuntuのEFI System Partition(ESP)をLinux Reservedに変更します。
「Ubuntuを試す」を選択して、インストールしなくても使用できるUbuntuに切り替えます。
Terminalを起動してパーティションを変更します。
図では、gdiskを使用していますが、変更できれば何を使用しても問題ありません。
USB SSDが/dev/sdaですが、環境によって異なる可能性があるため、USB SSDがどこにあるか事前に探しておきます。
pコマンドでパーティション構成を表示します。
インストール済みのUbuntuのEFI System Partition(ESP)をLinux Reservedに変更するので、変更対象は図のcodeが「EF00」です。
tコマンドで、変更対象のパーティション番号(今回は2)を入力して、コードをLinux Reservedにあたる8301を入力します。
wコマンドで変更内容を反映して終了します。
Ubuntuを再起動して、Ubuntuをインストールします。
Ubuntuのインストール2
Web検索などで見かけるUbuntuの手順で進めていきます。
注意点として、複数のパーティションにすることが目的のため、「インストールの種類」で「それ以外」を選択します。
1回目のインストールと同様に、空き領域に対して、Ubuntu用のEFI System Partition(ESP)領域に128Mバイト割り当て、「/」領域に32Gバイト割り当てます。
あとは、よく見かける手順でインストールを続けます。
「Ubuntuのパーティション情報の変更」と「Ubuntuのインストール2」の手順を繰り返して、複数のUbuntuをインストールします。
最終的にどうなったか
PC Watchの記事でも触れられていますが、USB SSDから起動するためにBIOSの設定が必要になる場合があります。
(Boot Manager問題はありますが)VirtualBoxの仮想マシンでClover Bootloaderで起動した場合は、以下のように表示されます。
Ubuntuのディスクで確認した場合の構成は以下のようになります。
リアルPC(WindowsがインストールされているPC)で起動した場合は、以下のように表示されます。
MacのVMware Fusionで起動した場合は、以下のように表示されます。
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