Cursor と Claude Code を使い比べてみた結果、両方使うことにした話
はじめに
この記事では、AI コードアシスタントとして注目を集めているCursorとClaude Codeを実際に使ってみた経験をもとに、それぞれの特徴や使いどころ、料金体系、レートリミットについて比較してみました。
どちらも生産性向上に貢献してくれるツールですが、微妙に特性が異なるため、プロジェクトや開発スタイルに合わせた選択が重要になってきます。
この記事で得られる情報
- Cursor と Claude Code の基本的な特徴と違い
- 両ツールの料金体系とレートリミットの仕組み
- 実際に使ってみた所感と使い分けのポイント
対象読者
- AI コードアシスタントの導入を検討しているエンジニア
- Cursor と Claude Code のどちらを選ぶか迷っている方
- 効率的なコード生成・レビューツールを探している方
Cursor とは
Cursor は、AI を活用したコード生成・補完ツールで、多くのプログラマーに愛用されています。VSCode ベースのAIエディタとして提供されており、以下のような特徴があります。
主な特徴
- 高精度なコード補完: 最新モデルを活用した自然なサジェスチョン
- コンテキスト理解: プロジェクト全体のコードベースを理解した上での提案
- 月単位のレートリミット: 月あたりの利用クレジットで管理
実際に使ってみると、特にリファクタリングや新規機能の実装、エラーの修正時に威力を発揮します。エディタ内で完結するため、開発フローを中断することなくAIの支援を受けられるのが大きな魅力です。
Claude Code とは
Claude Code は、Anthropic が提供する Claude の開発者向けツールで、ターミナルから直接 AI アシスタントを利用できるサービスです。
2025年5月に正式リリースされたばかりの新しいツールです。
主な特徴
- コマンドライン統合: ターミナルから直接コード生成・編集が可能
- 複雑なタスクを管理して開発: 複雑なタスクを段階的に実行
- ファイル操作: 複数ファイルの編集や新規作成に対応
- 時間単位のレートリミット: 5時間あたりの使用量による制限
個人的に印象的だったのは、自然言語でタスクを説明するだけで、必要なファイルの作成から実装まで一気に進めてくれる点です。特に新規プロジェクトの立ち上げ時には重宝しています。
機能と料金を比較してみる
実際の使用感も踏まえて、両ツールの比較表を作成してみました。
項目 | Cursor | Claude Code |
---|---|---|
提供形態 | IDE(VSCode ベース) | CLI ツール |
AI モデル | GPT-4.1、Gemini 2.5 Pro、Claude 4.0 など選択可能 | Claude 4.0 |
コード補完 | リアルタイム補完 | 無し |
料金プラン | 月額 $20(Pro プラン)〜 $200(Ultra プラン) | 月額 $20(Pro プラン)〜 $200(Max 20x プラン) |
レートリミット | 月 500 クレジットの高速リクエスト | 5時間あたりの使用量による |
マルチファイル編集 | ⭕️ | ⭕️ |
使い分けのポイント
実際に両方使ってみて感じた使い分けのポイントをまとめてみます。
Cursor が向いているケース
-
既存プロジェクトの保守・改修
- プロジェクト全体を理解した上での提案が可能
- エディタ内で完結するため、既存の開発フローを崩さない
- Git 統合が強力で、コミット前のレビューもスムーズ
- AIが生成したコードに対して1つ1つレビューし、適用・拒否を決められる
- Ruleによるコード生成が便利
-
リアルタイムなコード補完を重視
- タイピング中に即座にサジェスチョンが表示される
- 細かい修正や補完が頻繁に必要な場合に便利
-
月単位のレートリミット
- 月単位でプレミアムリクエストのクレジットが決まっている
- その範囲内であれば高速リクエストが可能
-
イマイチなとこ
- レートリミットに達すると高性能なモデルは使用できなくなり、かつスローリクエストのみで開発することになる
- 月の初めでレートリミットに達すると半月以上効率が落ちる
- 2025年6月にプレミアムリクエストの仕様が変わり、リクエスト回数ではなくトークン消費に変わったためMAXモードでモデルを使うと、すぐにレートリミットに達する
レートリミットに関しては、効率を上げるなら従量制課金も有効にして使用するのが良さそうかなと思います。
Claude Code が向いているケース
-
新規プロジェクトの立ち上げ
- ボイラープレートの生成から実装まで一気に進められる
- 複数ファイルの同時作成が得意
- 仕様をしっかり書けば、かなりの品質のものを作れる
-
大規模なリファクタリング
- プロジェクト全体を理解した上での提案が可能
- 複数ファイルにまたがる変更を一度に実行
-
短期集中型の開発
- ボイラープレートの生成から実装まで一気に進められるため短期プロジェクトに最適
-
イマイチなとこ
- カスタムスラッシュコマンドが便利だけど、コマンド自体を書き換えたらclaudeの再起動が必要
-
レートリミットに達すると最長5時間ほど待つことに...
macなら以下のツールを使うと良いかも
https://zenn.dev/owayo/articles/fda9deb6741958 -
CLAUDE.md
にコーディング規約等書いてコード生成時に考慮させることができるが、Cursorのように複数のRuleを手軽に使い分けて生成ということができない
実際に使ってみた所感
Cursor の良かった点
エディタとしての完成度が高く、普段の開発と同じ感覚で AI の支援を受けられるのが最大の魅力でした。特に、AIの生成したコードを適用・拒否できる機能は優れています。
ただし、月のリクエスト上限に達すると急激に遅くなるため、月末になると少しストレスを感じることがありました。
Claude Code の良かった点
「このディレクトリに TODO アプリを React と TypeScript で作って」といった自然言語の指示で、必要なファイルを全て生成してくれるのは感動的でした。また、エラーが出た際も、エラーメッセージを貼り付けるだけで適切な修正を施してくれます。
一方で、CLI ツールなので GUI に慣れている人には最初は戸惑うかもしれません。
まとめ
Cursor と Claude Code は、それぞれ異なる強みを持つ優秀な AI コードアシスタントです。
- Cursor: エディタ統合型で日常的な開発に最適
- Claude Code: CLI ベースで大規模な変更や新規開発に強い
個人的には、メインの開発には Cursor を使い、新規プロジェクトの立ち上げや大規模なリファクタリング時には Claude Code を使うという使い分けをしています。
どちらを使うかというよりも、場合によっては両方を使って効率を上げるということになるかなと思います。
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