NotebookLMでメチャ早RAGを構築する
会社で使っているGoogle WorkspaceにNotebookLM の Plusプランが降ってきたので、布教のため改めて使い方や注意点などをまとめておきます。
NotebookLMとは
NotebookLMは、AIを使ってドキュメントからの情報収集や要約をサクッと手助けしてくれるパートナーみたいなサービスです。
たとえば会議資料や、ちょっと長めのPDFなんかをアップロードすると、NotebookLMがそのドキュメントの内容をいい感じに整理してくれたり、一緒に要点をまとめたりできます。
回答を生成する時間もかなり早い!
そのうえメモも取れたりするから、ノートブック感覚で使用できるという便利ツールです。
NotebookLMのプラン
NotebookLMには無料版と「NotebookLM Plus」の2種類のプランがあります。ざっくりと違いを挙げると、以下の感じ。
- 無料版 (NotebookLM):
- 個人のGoogleアカウントであれば無料で使える
- ノートブックは最大100、ソース(アップロードしたドキュメント)は1つのノートブックにつき50まで
- 1日のチャットクエリは50件、音声生成は3件まで
- NotebookLM Plus:
- 企業や教育機関向けに、Google Workspace または Google Cloudで提供されているほか、個人でもGoogle One AI プレミアムから利用できる
- 機能面はNotebookLMの全部入り+α
- ノートブック数が最大500、ソースも1ノートブックにつき300まで
- 1日のチャットクエリは500件、音声生成数は20件まで
- さらに「チャットのみ共有」や「高度なチャット設定」、「ノートブック分析」などのプレミアム機能が追加される
もっと詳しく比較を見たかったら、NotebookLM Plus へのアップグレードをチェックしてみてください。
NotebookLMの使い方
NotebookLMを使うときの基本的な流れはこんな感じです。
ざっくりまとめているので、詳細が気になる人は併せてリンク先の公式ドキュメントも見てみてください。
- NotebookLM を開いてNotebookを新規作成するか既存のNotebookを開く
- 画面左にある「+ ソースを追加」ボタンを押して、アップロードしたいドキュメントやURLなどを選ぶ
- 対応する形式はこちらをチェック
- アップロードが終わったら、自動で要約が表示されるので、気になる点や深堀りしたい疑問をチャットで質問してみる
- 右側の「Studio パネル」では、ソースをもとに作成できるさまざまな機能が用意されています
- 音声概要の生成(英語のみ)
- よくある質問、学習ガイド、タイムライン、ブリーフィング ドキュメントの作成
- ノートブック内にメモを追加する(メモの詳細)
- 一通り内容をチェックしたあと、さらにソースを追加したり、必要ないソースを削除したりして調整していきます
基本は「ドキュメントをアップロード → NotebookLMが要約やチャットで回答 → 気になるところをどんどん深掘り」という流れです。
対応形式
NotebookLMは以下の形式に対応しています:
- Google ドキュメント
- Google スライド
- PDF、テキスト、マークダウン ファイル
- ウェブサイトの URL
閲覧にログインが必要だったりするコンテンツは不可 - コピーして貼り付けたテキスト
- 公開されている YouTube 動画の URL
- オーディオ ファイル
1 つのソースの上限は 500,000 語、アップロードできるファイルサイズの上限は 200 MB です。
便利な使い方
メモに保存
NotebookLMが生成した応答を残しておきたい場合は「メモに保存」をクリックすると、その応答をノートブックに保存できます。
NotebookLMでの会話履歴は保持されないのでメモは積極的に活用しましょう。
音声でラジオ風に説明してもらう(現在英語のみ対応)
右のパネルの、音声概要でカスタマイズで指示を与えて、音声データを生成すると、ラジオのような会話が生成され、それを再生できます。
現在英語のみ対応ですが、日本語対応されたら楽しそうですね。
Googleドキュメントをソースとした場合のソース情報の同期
Markdownファイルなどをソースとした場合に、Markdownの内容を更新した場合にソースから一旦削除して再登録する必要があります。
しかし、Googleドキュメントをソースとした場合は、Googleドキュメントの内容を更新すると、NotebookLMのソース画面に「クリックして Google ドライブと同期」というリンクが表示されるので、これをクリックすることでソース情報を更新できます。
Markdownで管理したい場合は、現在はGoogleドキュメントがMarkdown対応しているので、Googleドキュメントで管理するのがオススメです。
参考:
Google ドキュメント、スライド、図形描画でマークダウンを使用する
応答をカスタムする(Plus版限定機能)
「ノートブックを設定」から、会話のスタイルや会話の長さをカスタムできます。
デフォルトは少し長い感じなので、好みによって変えると良いかも。
チャットのみ共有(Plus版限定機能)
Notebookを共有する際に、ソースを相手に見せたくない場合があります。そのときに「チャットのみ共有」にすると、ソースを相手に見せずにチャットだけ共有できます。
詳細はこちら。
注意点など
- NotebookLMの会話履歴は消えるので注意
会話履歴は保持されないので注意してください。残したい会話はメモで保存しておくといいです。 - Notebookを共有するときの著作物の扱いには要注意
自分に権利がないコンテンツをソースに含んだNotebookをそのまま共有しちゃうと著作権的にアウトになります。
著作権侵害の疑いがあるコンテンツが報告されると、アカウント停止措置になるとのことなので気をつけてください。
参考:
NotebookLM でデータを保護する仕組み -
アップロードしたドキュメントや、そこでのやりとりはNotebookLMのモデル再学習には利用されません
企業の内部文書を使ってもAIの学習に回される心配はないです。
参考:
よくある質問
残念なところ
- APIが無い
ソースをAPIで更新できたら便利だけど今はAPI無いです - 共有のUIがイマイチ
GoogleスプレッドシートなどのGoogleのアプリには、社内全体に簡単に権限を付与し共有するインタフェースが備わっていますが、NotebookLMは1ユーザずつ共有を追加しなければいけません
社内全体に共有する場合は、かなり大変です・・・
社内での利用例
実際にどのように活用しているか、いくつか例を挙げてみます。
- 社内規則について回答できるNotebookを作成
社内規則をソースとして追加したNotebookを作成し、新入社員をはじめとしたメンバーに展開 - 社内のプロジェクトについての情報をまとめたNotebookを作成
プロジェクトのデータをソースとして追加したNotebookを作成し、プロジェクトメンバーに展開
プロジェクトで作ったドキュメントを深堀りする際などに活用 - 特定分野の知識を貯めたNotebookを作成
本を読んで得た情報などをソースとして追加したNotebookを作成し、自分の知識を蓄積
まとめ
NotebookLMは、ドキュメントの内容にさくっとアクセスできて、一緒に情報を整理したり要約したりできる頼れる相棒みたいなサービスです。
実際に社内の資料をまとめたり、新しいプロジェクトの情報を一括管理したりと、いろんな使い方ができるので、ぜひ気軽に試してみてください。
みんなでメチャ早RAG構築を楽しみましょう。
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