36歳Webフロントエンドがメガベンチャーからスタートアップに転職した動機と感想 | Offers Tech Blog
プロダクト開発人材の副業転職プラットフォーム Offers を運営する株式会社 overflow で VPoE を務めている あほむ と申します。よろしくお願いします。今回は体験談の名目でいちエンジニアの身の上話を淡々と書かせていただきます。
スタートアップに興味をもつ人が増えるといいな
私自身は 2022 年 1 月の入社ということで、副業転職(副業でお互いのマッチングを確かめてから転職に至るムーブ)したての社員としては新参者でございます。
今回は似たような境遇の人がスタートアップに飛び込む一助となればと思いタイトル通りの内容の記事を書いてみました。なお、社会的な体裁を整えたバージョンは下記の記事をご覧ください :)
1. 転職を考えるようになったワケ
明確な転職意思というわけではないにせよ、当時このようなことを考えていたような気がします。このあたりのことはいくら取り繕っても自己本位にしか書きようがありませんね。
当時のキャリア的な閉塞感
端的には、思うように自分の仕事を次のステップに引き上げられていなかった時期だったと思います。恐ろしいことに在籍年数というのもあってか信頼残高や人間関係によってある程度の仕事してる風の装いができてしまいます。いや、リアルにちゃんと仕事はしてましたよ!
すると当たり前ですが自分自身や身の回りの変化の乏しさに違和感を感じるようになります。それまでも仕事の調子としては浮き沈みがあったので初めての停滞ではなかったとはいえ 3 度目の正直だったのかもしれません。
社内にもあった選択肢とポータブルスキル
それなりの規模がある会社だったので、別の管轄になるとガラッと雰囲気が変わります。それは社内転職と言えるような選択肢であり、実際にそうやって同じ会社に属したまま新しいキャリアを獲得していた同僚も少なくありませんでした。当時の私にとって安全で効果的な選択肢である一方、社内で染みついた評価や期待に気詰まりのようなものも感じていました。
個人的な危機感としては社歴が長くなってきたこともあってポータビリティのあるスキルや経験を重ねてられているのかが見えづらくなっていたこともあります。そのため身の回りを確実に変化させるためにも社外を意識するようになりました。
スタートアップという方向性の時機と魅力
最初からそうするつもりではなかった[1]ものの、近年はひとつの会社でじっくり成果を出してキャリアを重ねていくことを志向していました。スタートアップに年齢制限があるわけではありませんが、なんやかんやあって再びそのような腰を据えるルートに戻る可能性を踏まえると、じきに 40 台を迎える 36 歳の今はちょうど良いように思えました。
当時も会社の中ではエンジニアの組織や人事の領域でそれなりの責任と裁量を預かっていましたが、スタートアップのほうが職務経歴上の分かりやすいタイトル(たとえば VPoE)を得やすく、それに伴う自由度・裁量の大きさがあることは魅力的に映りました。[2]
2. 実際にスタートアップ数社の話を伺ってみた
承前、スタートアップのほうを見てみるかという意識と前後して知人からリファラル面談のお誘いがありました。他にもタイミングよくお声がけをいただき、実際にいくつかの会社の選考を受け色々なお話を伺えました[3]。
どんな事業もそれなりに楽しいが...
メディア系の事業こそお腹いっぱいでしたが、私は事業ドメインに対する拘りや思い入れはあまり強くありません。各社のお話を伺えばどれも興味深くエンジニアとしての挑み甲斐のありそうなチャレンジがありました。
中でも現職 overflow が担う HRTech 領域は、元々「技術人事」として HRBP(HR Business Pertner)と連携しながらエンジニア組織の運営に携わっていたこともあってパフォーマンスを発揮できそうな期待が自分自身にありました。
ソフトウェアエンジニアかエンジニアリングマネージャーか?
「Web フロントエンドに強みをもつソフトウェアエンジニア」として振る舞うか、「大規模組織の経験があるエンジニアリングマネージャー」として振る舞うかも大きな分岐でした。4 社伺った中では前者と後者でそれぞれ 2 社ずつポジションがありました。
話を聞きながら悩んでいたため「WILL はどこにあるねん」という問いを曖昧に躱し続けつつ、結果的には存分に手を動かせるポジションにも後ろ髪を引かれながらも VPoE としてマネジメント路線を選択しました。
報酬、マニー、リターン、期待値 💸
性質的に詳細は書けませんが、前職においても国内ソフトウェアエンジニア(マネージャー成分込み)としては厚遇いただいていました。そのような前提がありつつも各社から良いオファーをいただけたので、おおよその期待値として明確に見劣りする条件はありませんでした。
これはあくまで私の例ですが、市場感を踏まえてもスタートアップだから報酬が低いなんてことはなく SO ドリーム or 大手に匹敵する福利厚生でタメを張れる条件を整えているような印象です。
SO およびスタートアップの資本政策について無知がすぎたので 現職の社長 が推薦図書の 起業のファイナンス増補改訂版 と合わせて丁寧にレクチャーしてくださったのは地味に助かりました。このあたり詳細に説明してくれたのは弊社だけだったかも。報酬条件についてちゃんと理解&納得して判断することは大事ですね。
3. 結論、転職することにした
リアルな意思決定はこんな整然としているわけはなくて、ここまで挙げたようなことをグルグルと順番も前後させつつ考えていました。
キャリアの選択肢を複数持ち続けるために
せっかく久々に転職したので「ソフトウェアエンジニアとしての専門性」×「マネジメント」×「人事」という組み合わせを上手く運用しつつ、何年先のことになるか分かりませんがこの先のキャリアにおける選択肢を拡げるチャレンジでありたいと願っています。
過去の経験による暗黙知を Learn, Unlearn を通してポータブルスキルとして再構築しつつ、新しいキャリアの獲得に励みたい所存です。
転職して3ヶ月で感じていること
ほんとは執筆時点で 2 ヶ月半といったところですがそれはさておき。下記は転職直後らしいポジティブさをまとった感想です。
- 経営企画、事業計画 etc をインプットし放題でめちゃめくゃ捗る
- リモートワーク前提でビルドアップされた組織は仕事がやりやすくて助かる
- ハンズオンで開発する余裕はなさそうなので託していきたい(採用しています!)
- やはり大企業のアセットは非常に強力なバフをかけてくれていたことも分かった
あと前職は技術人事と言っても HRBP に依存している自覚があり自分の地力への不安もありましたが、蓋を開けてみれば思ったより自分は人事だったのだなというのもまた直近の感想です。
こちらは前職のうちに住宅ローンを組み損ねていた私の安心材料です。
万人にお勧めはしないがスタートアップも良いですよ
転職に限らず副業だとしてもスタートアップだからこそ、様々な経験を重ねてきたプロフェッショナルがほんの少しの「当たり前」を貸してくれるだけで大きいレバレッジがかかります。
流動性があがることで、いろいろな環境を見て、体験を通じて理解をできる機会を増やしていきたい。そうすることで、「いまがベストだ」という充実感に満ちた毎日を送れることが豊かな時間 / 人生につながると考えています。
「採用、その先へ」人材循環型社会とは|yutosuzuki | overflow Inc.|note より
副業が一般化しつつあるソフトウェアエンジニア業界だからこそ実現できる働き方があるので、機会があれば皆さまもぜひ。もちろんポジショントークです!
Web フロントエンドどこいった💢
...ここまで記事を書く中ですっかり忘れていましたごめんなさい。 Web フロントエンドエンジニアとしてのキャリアから技術人事、エンジニアリングマネジメントの道に逸れていった経緯は下記の記事をご覧ください。
2022.4.14 開催の下記イベントで キャリアの分岐点#2『フロントエンド→VPoEパターン』
という何とも再現性のなさそうな枠でもお話するので興味があればぜひお申し込みください。
副業転職の Offers 開発チームがお送りするテックブログです。【エンジニア積極採用中】カジュアル面談、副業からのトライアル etc 承っております💪 jobs.overflow.co.jp
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