情報整理に悩む全ての人へ。「ダイアグラム思考」が解決のカギ
ourly株式会社でWebエンジニアをしている @ourly_nobuo です。
「頭の中で考えがうまくまとまらない…」
「上司やメンバーに情報を共有する際にうまく伝わらない…」
——こんな悩みを抱えていませんか?
私も以前は、情報を整理したり共有したりすることが苦手でした。
そんな私が下記で紹介した「ダイアグラム思考 次世代型リーダーは図解でチームを動かす」 に出会い、“ダイアグラム思考”を業務や学習に取り入れることで大きな成果を得られました。本記事ではその具体的な方法と成果をご紹介します。
ダイアグラム思考の威力
そもそも”ダイアグラム思考”とはなんでしょうか?著者の言葉を引用すると下記になります。
ダイアグラム思考とは、図形や文字を使ってモノゴトを多視点から構造化して可視化する思考法
※本著より引用
上記だけだとイメージが湧きづらいため具体例を見てみましょう。
あなたはあるチームのエンジニアリングマネージャーだとします。メンバーから下記のような進捗報告を受けて20秒以内に理解することができるでしょうか?
- 全部で実装する機能は3つあり、残り2つについて開発が進行中です。
- fuga機能の実装を担当しているBさんの進捗がやや遅れています。
- 理由としては、Validation機能の実装において、設計フェーズで一部想定外の課題が発生したため、全体の進捗に影響が出ています。
- この影響を受けてfuga機能の実装は当初の予定より3日ほど遅れる想定で、当初の納期は20日となっていますが、現状22日完了予定となっています。
- hoge機能についてはAさんが現在対応しており、順調に進んでいるとの報告がありました。
- 18日に実装完了予定ですが、動作確認のテスト結果によっては、スケジュールに遅れが生じる可能性があります。
- また、Bさんの進捗について、Validation機能がfuga機能と密接に関連しているため、どちらがクリティカルパスになるかは再検討が必要です。
- 全体の進捗感として、ビハインドが発生している箇所のリカバリプランが立っておらず、また追って連絡いたします。
20秒以内に理解できましたか?完全に理解できたというあなたは脳がとてもフレッシュな状態なのでしょう。
さてここにダイアグラム思考を当てはめてみます。”納期に対して各機能の進捗を共有すること”を目的にしてダイアグラム思考を用いると下記のような図に落とし込むことができます。
いかがでしょうか?余計なテキストの情報が削減され、理解しやすい共有になったことが一目瞭然だと思います。
ダイアグラム思考で情報に制約を設けることができる
ダイアグラム思考の中で起きていることは、テキストの情報を図に落とし込むことによって ”元々の情報に制約を設ける” ことだと考えられます。
情報に制約を設けることで下記のようなことが実現できます。
- 不要な情報を削除して特定の変数のみに絞り込む
- 変数の関係性を可視化する
詳しく下記で見てみましょう。
1. 不要な情報を削除して特定の変数のみに絞り込む
まずテキストで共有しようとしていた際には、”今すぐ必要ではない情報が含まれている”状態でした。このような場合は、図に落とし込むことで強制的に不要な情報を削除しましょう。
またこの時同時に、「完成時期」と「機能」という二変数だけに制限することもできています。これらを図に落とし込む作業で強制的に行えることがダイアグラム思考の威力の一つです。
2. 変数の関係性を可視化する
そして必要な情報だけを残し、それを特定のダイアグラムに落とし込むことでその変数同士の関係性を可視化することができます。
こちらの例では「hoge機能の完成時期」と「fuga機能の完成時期」の2パターンに分けられデッドラインを含めそれぞれの位置関係が可視化されています。
ダイアグラムにはグラフ以外にも様々な種類があるので、どの変数を残すか、どういう図を使うかによって整理できる情報も変わってくるのが面白いところです。
例えば、「機能」と「リソース(Aさん,Bさん)」の2軸で整理すると「誰にタスクが多く振られているのか? 」や「どの機能のボリュームが多いのか?」を可視化することができます。
もっと色々なダイアグラムを見てみたい!という方はぜひ書籍をご覧ください!
ダイアグラム思考は情報の単純化
ダイアグラム思考のプロセスを詳しく見てきましたが、まとめるとテキストの際には複雑だった情報を単純な情報に変換する作業であることがわかります。
私自身はじめは何が大事なのかを自分で整理することが苦手だったのですが、まずは手元で図を書くようにし、何が大事でどのような関係があるのかを整理することを行うようにしています。
もちろん図を書くことでその分作業時間がかかりますが、その後の理解や共有時のコストを短縮できる分を考えると結果としてメリットが大きいと思います。
それに必ずしも図は完璧で綺麗である必要はなく、情報伝達など目的を達成できるものであれば汚くてもいいと思います。
最後に
ここまで本記事をご覧いただきありがとうございます。
またこの場を借りて、本著の著者である @yuichi922 さんに感謝を伝えさせていただきます。ありがとうございます。
ダイアグラム思考に出会ってから、自分の中でうまく言語化できずにモヤモヤするという場面が減ったように感じています。今回紹介した進捗共有以外にも様々な場面で活用できるので、これからも積極的にダイアグラム思考を活用していこうと思います。
ぜひ皆さんも目の前の複雑な問題が整理できずにモヤモヤする際には、まず紙やホワイトボードに簡単な図を書いてみるところから始めてみてください!
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