プロジェクト管理で失敗しないための3つの学び
こんにちは!ourly というスタートアップで web エンジニアをしている @Hiroです。
最近、プロジェクトマネジメントを経験する機会が多くあったので、学んだことをこの記事にまとめてみました。今後のプロジェクトでも再現性を高くしていきたいことを 3 つ記録しておこうと思います。
1. スケジュールに意思を持つ
スケジュールには自分の意思をしっかりと反映させる。
当たり前のことかもしれませんが、チームメンバーに見積もりをお願いして、その結果をそのままスケジュールに反映するだけになっている人がいるのではないでしょうか。
・・・はい、わたしです 🙋♂️
このような感じで、ただスケジュールシートに「反映作業」をしているだけだと次のような問題に気づくことができません。
- 余裕を持たせ過ぎた見積もりになっているケース
- 見積もりが甘すぎるケース
この状態でスケジューリングを行っても、余裕のありすぎるスケジュールになるか、逆に余裕のないスケジュールになってしまい、事業にとってよくないことが発生する可能性が高くなってしまいます。
余裕のありすぎるスケジュール |
---|
1. 余裕分の利益損失または、機会損失が発生する。 2. ユーザーやクライアントへの価値提供が遅くなる。 |
余裕のないスケジュール |
---|
1. なんとか期日に間に合わせようと必死になり疲弊する。 2. 切羽詰まることでチームの雰囲気が悪くなる。 3. 納期遅れやリリースの遅延が発生しやすくなる。 |
自身の見積もりと比較する
これらのリスクを回避するためにも、メンバーから見積もりを受け取ったら、自分のざっくりとした見積もりと比較するのが大切だと学びました。
比較した結果、もし大きなギャップがあれば、認識のズレが発生している可能性が高いです。なので、このズレを埋めるためのアクションを取っていくことで、リスクを低減することができると考えています。
2. タスクは適切な粒度で管理する
タスクは適切な粒度で管理しないと、進捗管理に工数がかかり過ぎてしまいます。
実際、初めてプロジェクトマネジメントを経験したときは、タスクを細かく管理しすぎてしまって次のような問題に直面しました。
- 進捗確認のスパンが短くなり、進捗管理に工数がかかりすぎてしまった。
- 一つのタスクに対する認知負荷が高くなり、全体感の把握が困難になった。
- 専門性が高くなり、その分野に詳しい方とのコミニケーションが多く必要になった。
すこし感覚的な話になってしまいますが、タスクを適切な粒度で管理しなかったことでこれらの問題が発生したと感じました。
タスクの抽象度を上げる
この問題は、タスクの抽象度を上げることで改善することができました。
例えば、タスク A にサブタスク(「Task A-1」「Task A-2」「Task A-3」)があったとします。この場合、管理するのはタスク A だけにし、タスク A-1、A-2、A-3 はタスク A が遅れそうになったときに確認するようにしました。
こうすることで、細かい部分の進捗管理が不要になり、進捗管理に工数がかかってしまう問題が解消できました。また、全体感を見失わずにプロジェクトを管理できるようになったので、問題の発生しているタスクをより注力して見ることができるようになりました。
ただ、抽象度を上げすぎても進捗が見えづらくなってしまうので、経験を積むことで自身が管理しやすい粒度を把握していく必要があると考えています。
3. 人による解釈の違いをなくす
今のチームでは、スプリント開始時にプロジェクトごとの目標を設定し、その目標を達成するためにチーム全員で開発に取り組んでいます。そして、目標達成できなかった項目があれば、スプリント終了時に振り返りを行い、改善策を検討するという流れで進めています。
ある日、この振り返りの準備をしていたときに上司から次のようなアドバイスを頂きました。
振り返りの内容は、コンテクストを揃えたほうがいい。
人によって解釈の違いが出てしまう内容だと、認識のズレが発生してしまう。
認識のズレがある状態で議論しても、効果的な改善策が生まれにくく、生産性が上がっていかない。
議論内容のコンテクストを揃える
このアドバイスを頂いてからは、議論が発生したら、人によって解釈の違いが発生してないかを考えるようになりました。そして、もし解釈の違いが発生していれば、全員のコンテクストを揃える動きをしています。
例えば、プロジェクトが遅延し、その原因が「コミュニケーション不足」だとします。この「コミュニケーション不足」が具体的に何を指すのかを深掘りし、それに対して会話が発生するように主導していくといった感じです。
振り返りの内容(問題) | コンテクストを揃えるための質問 |
---|---|
コミュニケーション不足で進捗が遅れた | - いつどこでコミュニケーション不足が発生したのか? - その結果、どんな問題が発生したのか? - コミュニケーションが十分な状態とはどのような状態なのか? |
このようにコンテクストを揃える動きを意識的に行うことで、1 つ 1 つの問題にしっかりとアプローチして改善を繰り返していけるので、生産性を向上していけると学べました。
終わりに
実務を通じて学んだことから、プロジェクトマネージャーは多くのタスクと調整を担当するため、最も忙しい立場になることが多いと感じました。ただ、その分成長のチャンスも多く、自分のスキルを大幅に向上させる機会でもあると思います。
この記事が、これからプロジェクトマネジメントに挑戦する方の参考になれば嬉しいです。
Discussion