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Effective納税 確定申告編 令和五年(西暦2023年)分

2024/03/11に公開

本記事では確定申告の関連情報をまとめていますが、筆者は税務の専門家ではなく監修を受けているわけでもないので参考情報に留め、確実を期したい場合にはお近くの顧問税理士に確認をとったり代行依頼したりしてください。

所得税(個人)の確定申告とは何か

所得税とは一年間の所得(給与など)に対する課税で、対象年の1月1日から12月31日までの期間の所得が対象になります。その一年間の最終的な収入額や様々な控除(税金の値引き)有無などを納税者自身が確定して課税所得を申告、その上でそれに基いた納税を行う必要があります。

ただし一つの会社から給与を受け取っている多くのサラリーマンは、その会社が概算で源泉徴収(給与天引き)からの納税・年末に正式な金額に調整しての確定という形で代行してくれるため、基本的には労働者自身が確定申告や納税をする必要はありません。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/01/1_06.htm

しかし例えば1-(3)「副業での年間所得が20万円を越える場合」だったり、いくつかの場合には年末調整では話が済まず確定申告が必要になってきます。(副業所得が20万円未満で確定申告不要であっても住民税の申告は必要です)こういった場合には確定申告のタイミングで課税所得が追加されるため追加で納税を行う必要がでてきます。

逆に確定申告のタイミングでお金が返ってくる場合もあります。控除によって納めるべき税金が減って還付金が返ってくる場合などです。

控除とは何か

控除とは端折って言えば税金の値引きです。所得控除税額控除の二種類がありますが、例えば1000万円の所得がある場合にその33%で330万円の所得税と10%で100万円の住民税が課税されるとして、100万円の所得控除がある場合には900万円の所得(課税所得)だと見做して297万円の所得税と90万円の住民税で勘弁してもらえる、みたいな間接的な値引きの仕組みが所得控除です。

それに対して税額控除は直接的に納税額から値引きされます。所得税330万円から100万円が税額控除された場合は単純に所得税が230万円になります。

これら控除の中には年末調整でも手続きが出来るものと出来ないものがあります。出来るものには例えば生命保険(医療保険、死亡保険、介護保険など)料控除や、iDeCo(個人型確定拠出年金)による控除などがあります。iDeCoは自力での年金積立・運用を補助する制度で、掛金が全額所得控除され運用益も非課税、受取時にも控除を受けられるなどのメリットがあります。

[所得控除]医療費控除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/iryou-koujo.htm

年間医療費が10万円(または年間所得の5%額)を越えた場合には最大200万円まで所得控除されます。年末調整では控除不可能なので自身で追加の確定申告を行う必要があります。

税金の話からは逸れますが、高額な医療費に対するケア制度として高額療養費制度というものも別にあります。例えば70歳未満かつ標準報酬月額が50万円(区分ウ)の場合には月額で約4万円を上限として、それを越えた医療費が後日全額もどってくる制度です。なお筆者はまだ利用した事がありませんが後日払い戻しではなく、支払い時点でこのリミッターをかけてくれるマイナ保険証を利用した制度もあるようです。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat550/1137-91156/

[税額控除]ふるさと納税による控除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/furusato.htm

ふるさと納税ワンストップ特例制度という確定申告不要で控除を受けられる制度がありますが、それを利用しない・できない場合には確定申告が必要になります。

ふるさと納税はウルトラ端折って一行で言えば、所得675万円ぐらいの独身なら年額2000円ぐらい払えば約30600円分の肉や魚や高級キーボード(REALFORCE R3Sなど)が貰える制度です。

内部的には地方自治体への寄付 => 寄付者への返礼品(寄付額の30%ぐらいまでの金額の品物)の送付 => 寄付した金額に応じて税金を値引き、という設計になっていますが具体的な実装は結構複雑です。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

  1. 所得税に対して、(ふるさと納税額-2000)*所得税率、を税額控除する
  2. 住民税に対して、(ふるさと納税額-2000)の10%、を税額控除する
  3. 住民税に対して、(ふるさと納税額-2000)*(100%-10%-所得税率)、を税額控除する

このうち1と2は通常の寄付金控除でも受けられる制度ですが3はふるさと納税だけの特例です。仮に所得675万(所得税率20%)の人が100000円をふるさと納税した場合

  1. (100000-2000)*0.2 = 19600
  2. (100000-2000)*0.1 = 9800
  3. (100000-2000)*0.7 = 68600

で所得税から19600円、住民税から78400円、の合計98000円が税金から値引きされる事になります。全額控除される上限寄付金額が人それぞれであるのでそこは注意してください。家族構成にもよりますが所得が825万円ぐらいあれば全額控除でのHHKBも可能です。

ところで私の推し自治体は勝浦です。

https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1008364
https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1007248

個別包装の冷凍焼き魚が冷凍庫に大量常備されていると便利だし健康にいいしで悪いとこなしです。コスパは落ちますが加熱済パウチは魚焼きグリルの掃除が不要になるのが大きいです。コスパを追求する場合には個別包装されていない鯖や鮭3kgとかになるんですが家庭用冷凍庫の温度では劣化が問題になると思うので大家族以外では手を出しにくい。お前はトリコ?

[税額控除] (特定増改築等)住宅借入金等特別控除

いわゆる住宅ローン控除の事です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/juutaku.htm

住宅ローン控除、初年度の確定申告のやり方は?

ローン借入タイミングの制度によったり住宅性能によったりで変わりますが35万円*13年とか税額控除されます。初回年だけは年末調整による手続きが不可能なため確定申告が必要です。

いつまでに確定申告をする必要があるか

確定申告後の納税(納税がある場合)込みで3月15日まで。納税が間に合わなかった場合には期間に応じて延滞税などが発生する可能性があります。

確定申告のやり方

環境構築

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/smartphone-mynaportal-etax/

事前準備として下記を用意してください

もちろんこれらが利用できない場合でも確定申告するルートはありますが本記事では解説しません。途中で利用頻度が低く忘れやすい「長い方のパスワード」が必要になりますが、入力ミスが5回続くとロックされ市区町村窓口やコンビニに解除しに行く必要が発生するため留意しておきましょう。

マイナポータルアプリのインストールと設定

マイナポイントのキャンペーン時に設定済の人もそれなりに多いと思いますが、スマートフォン向けのマイナポータルアプリのインストールと設定をしておきましょう。ログインには短い方のパスワードとマイナンバーカードが必要です。

https://faq.myna.go.jp/faq/show/4301?back=front%2Fcategory%3Ashow&category_id=12&page=1&site_domain=default&sort=sort_access&sort_order=desc

確定申告の話を抜きにしても、現在のマイナポータルは過去の医療費や受診、処方箋のログ、納税のログなどが閲覧できるため役に立つこともあるでしょう。

公金口座登録

控除などで還付金が発生する場合は、それを受け取るための口座をマイナポータルから登録しておきましょう

公金受取口座の登録について | マイナポータル

マイナポータルと外部サイトとの連携

もっとつながるについて | マイナポータル

人と場合によりますが、確定申告においてはマイナポータルと主に「e-私書箱」「e-Tax」などとの連携が必要になります。具体的な連携手順はマイナポータル内での「確定申告の事前準備」メニューからの誘導や国税庁の情報に従ってください。

https://www.youtube.com/watch?v=XkrLRMnyNzs

マイナポータルとe-私書箱の連携

確定申告で必要な様々な書類を様々な企業や団体から電子データで受け取り、マイナポータルに入れるためe-私書箱などの電子私書箱サービスと連携を行います。

マイナポータルとe-Taxの連携

確定申告の手続き自体はe-Taxと呼ばれる国税庁のサービスから行います。前段でマイナポータルに入れた各種書類や各種データをe-Taxに渡すため連携を行います。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/list.htm

必要書類の電子データ取得

ふるさと納税

https://www.keisan.nta.go.jp/r5yokuaru/cat1/cat13/cat132/cat1322/cat13224/cid242.html

例えばさとふる(ふるさと納税ポータルの一つ)では下記のように手続きをします。なお即日発行ではないため注意が必要です。

「寄付金控除に関する証明書」発行・発送サービス手順:マイナポータル連携をしてe-Taxで提出 | ふるさと納税サイト「さとふる」

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

住宅ローン控除に当たって不動産売買契約書や年末残高等証明書という書類が必要になりますが残念ながら2024年3月現在は住宅金融支援機構(フラット35/リ・バース60)しか連携対応をしていません。不動産売買契約書は契約時に、年末残高等証明書は借入先から10月ぐらいに郵送で書類が送られてきているはずなので、それらを自力でPDF化するなどして後述の方法で送付する必要があります。

e-Taxからの確定申告書の作成

ここまでの事前準備が終わったらマイナポータル内の「e-Taxで確定申告をはじめる」から確定申告書の作成を開始しましょう。以降はe-Tax上の作業になるためサイトデザインやUIなどがガラッと変わり戸惑うかもしれませんが、歯を食いしばって進みましょう。

純粋な作業時間としてはここが最も時間と手間がかかる(特に住宅ローン控除が絡む場合)はずです。最も困難で説明が必要と思われるプロセスですが最もユーザー環境による分岐が多く筆者の手に余るため詳細な説明は本記事では行いません。場合によっては税務署や税理士に質問・確認をとる可能性なども考慮し余裕を持ったスケジュールで臨みましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=12UXxseyenY

確定申告書の送信(と添付書類の送付)

最後に申告書等送信票(兼送付書)を送信しますが、送信票の内訳において「電子送付」ではなく「別途提出」になっている書類は紙で郵送したり税務署まで自力でもっていったりする必要があります。

ただし一部はPDFなどイメージデータでの提出が認められています。例えば「売買契約書の写し」「住宅借入金等の残高証明書」などです。

https://www.keisan.nta.go.jp/r5yokuaru/cat1/cat16/cat163/cid945.html

https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/e-taxsp/20.htm#tabs_2

自宅にスキャナがなければ書類をカメラで撮影してPDF化して送信するのも選択肢ですが、コンビニやキンコーズでスキャンしてPDFにする方が楽かもしれません。お好みで。

https://www.sej.co.jp/services/multicopy/scan.html

https://www.family.co.jp/services/print/print.html

https://www.lawson.co.jp/service/others/multicopy/#scan

https://www.kinkos.co.jp/service/self-scanning/

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