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情報の教科書の誤りまとめ

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自分用まとめ

適当に更新されます。

目次おかしいけど、教科書会社に送った内容まんまなので堪忍してください。

普通科の教科書

東京書籍 新編情報I 令和3年3月10日検定済み

教科書記載内容に関する意見書

件名

77ページ 理論編3章 コンピュータを活用する -> 28 発展的なプログラム2 -> コラム「外部のプログラムとの連携」における記述内容の誤りについて

指摘内容

教科書77ページに記載されている「外部のプログラムとの連携」及び「WebAPIの活用」について、以下の点で誤解を招く表現および事実誤認が見受けられます。

1. 「APIは大規模プログラム向け」という誤解を与える表現

記載内容:

「プログラムが大規模になると、全てをはじめから開発するのではなく、別のプログラムの機能と連携して動作させることがある。このような機能を利用するための仕組みをAPIという。」

指摘:

  • APIはプログラムの規模に関係なく存在、使用する仕組みです。
  • 本来、APIとはOSやサービスなどが提供する機能を、他のプログラムから利用できるようにする仕組みを指します。
  • プログラムが大規模であることとAPIの存在・利用は無関係です。

2. 「WebAPIはプログラムが公開されている」という誤った説明

記載内容:

「プログラムがWeb上に公開され、外部から呼び出して利用できるAPIはWebAPIという。」

指摘:

  • WebAPIはプログラムそのものを公開しているわけではありません。
  • 正確には、HTTPなどのプロトコルを通じてアクセス可能なインターフェース(API)を提供しているものです。

3. ビッグデータとの関連づけについて

記載内容:

「Webサービスやビッグデータを利用したプログラムを作成するのに活用されている。」

指摘:

  • APIとビッグデータは本質的に直接関係するものではありません。
  • APIの提供データがビッグデータに由来する場合もありますが、それは例外的なケースであり、一般的ではありません。
  • 他の教科書(例:数研出版「高等学校情報1」や実教出版「ソフトウェア技術」)でも、APIの説明にビッグデータは関連付けられていません。
  • 学習指導要領上も、APIの学習にビッグデータを関連づける必要性は認められません。

4. APIとモジュールの混同

記載内容:

「動画投稿サイトやSNSのコンテンツが機能をプログラムに組み込むことができるものなどがある。」

指摘:

  • APIはプログラムに「組み込む」ものではありません。
  • APIは、外部の機能を呼び出すための仕組みであり、モジュールのようにプログラムに直接組み込むものではありません。
  • この表現により、学生がAPIとプログラムモジュールを混同する恐れがあります。

5. 「リアルタイム情報」の表現について

記載内容:

「リアルタイムの情報を得られるもの」

指摘:

  • APIの提供する情報がリアルタイムであるとは限りません。
  • 「リアルタイム」という表現により、学生に誤った先入観を与える可能性があります。
  • 特に必要性のない表現であり、削除するべきです。

修正案

以上の指摘を踏まえ、次のように修正することが適切だと考えます。

【修正版】外部のプログラムとの連携

アプリケーションからOSが提供する機能や、Webサービスの機能を利用したい場合があります。
サービス、あるいはプログラムが持つ機能を他のアプリケーションから汎用的に利用できるようにする仕組みをAPIと呼びます。
OSが提供する機能を利用するためのAPIはOSのAPIと呼ばれ、HTTPプロトコルを使ってWebサービスが提供する機能を利用するためのAPIはWebAPIと呼ばれます。

【修正版】WebAPIの活用

WebAPIには、天気、観光、グルメ、交通などの情報を得られるものや、動画投稿サイトやSNSのコンテンツが提供する機能をプログラムと連携することができるものなどがあります。

まとめ

以上の通り、記載内容の修正を提案いたします。
誤解を与える記述を修正することにより、学生がAPIに関して正しい理解を深めることができると考えます。

工業高校の教科書

実教出版「ソフトウェア技術」令和5年1月25日発行

教科書記述に関する訂正のお願い(第3章3項)

70ページの第3章「ソフトウェアの管理」→第1節「インストールと環境整備」→「3. ハードディスク装置の構成」に記載されている内容について、以下のような技術的誤りが見受けられます。


該当記述の問題点

図3-5に示すようにOSはハードディスク装置の記憶領域の全部または一部分をパーティションという単位で管理している。パーティションまたはボリュームともいう。

この記述は、「パーティション」と「ボリューム」が同一の概念であるかのように書かれていますが、両者は明確に異なる技術的概念です。

  • パーティションとは、ハードディスク上の領域を物理的に区切ったものです。
  • ボリュームとは、これらのパーティションを1つまたは複数まとめて論理的に構成された記憶領域です。

ボリューム構成の例

ボリュームは、以下のような構成が可能です:

  1. 1台の補助記憶装置上の単一パーティションによる構成
  2. 同一または異なる装置にある複数のパーティションをまたいで構成
  3. 複数の物理装置をまたいだ構成(例:LVMやストレージプール)

Linuxにおける代表的な論理ボリューム管理機構である LVM(Logical Volume Manager) では、以下のような用語が使われます。

  • 物理ボリューム(PV):LVM管理下にあるパーティション
  • 論理ボリューム(LV):実際にファイルシステムを使って利用する領域

このように、一般的に「ボリューム」といえば「論理ボリューム(LV)」を指し、単に「パーティション」を意味することはありません。

Red Hat公式のLVM解説が参考になります:
Red Hat公式: 論理ボリュームの設定および管理


注釈3における「ドライブ」の記述について

パーティションはOSによる管理情報により、独立した記憶領域として利用することができる。この記憶領域は、利用者からは独立した補助記憶領域を扱っているように見える。

注釈3:「この記憶領域はドライブと呼ばれる場合もあり、ドライブはドライブ名という名前によって区別される」

この注釈にも誤解を招く表現があります。おそらくWindowsの仕様を前提とした記述と思われますが、「ドライブ」という概念はWindows特有のものであり、汎用的なコンピュータ用語ではありません。

ドライブとはボリュームに対してつける「人間が見てわかりやすくするためだけのただのラベル」です。

C:Windowsというドライブがある場合はCがドライブレター、Windowsがドライブ名です。

ドライブは実態としてはボリュームなので、ボリュームを作成するときに、ドライブレターとドライブ名を割り当てます。
同様に外部の補助記憶装置にあるボリュームをマウントする場合にもドライブレターを割りあてます。
下記のコマンドで、ボリューム作成時のドライブレター、ドライブ名の割り当てを行います。
New-Volume

このドライブレターはあくまでラベルかつ現在オンラインなWindowsが管理しているので、他のWindowsから同じボリュームを参照するときに全く違うドライブレターが割り当てられることがあります。
ドライブ名はOSではなくボリュームが管理しているので、違うWindowsから見ても同じドライブ名が表示されます。


正確な用語整理(Windowsにおける「ドライブ」)

  • ドライブレター(例:C:):Windows OSがボリュームに一時的に割り当てるラベル
  • ドライブ名(例:Windows):ユーザーが任意に付けられるボリュームラベル
  • ドライブの実体:ボリューム

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