NotebookLMの実践レビュー
NotebookLMとは
NotebookLM(Notebook Language Model)は、Googleが提供するAIアシスタントツールで、指定したソースに基づいて質問に回答したり、情報を整理する支援を行います。特に、セキュリティや業務関連の質問回答を効率化する場面で活用されています。
使った経緯
社内で、セキュリティチェックシートへの回答が求められる際、効率化のためにNotebookLMを導入しました。これまでスプレッドシートに回答を手入力していた状況で、既存の情報ソースを活用してAIに代替させる試みを行いました。
情報ソースとしては十分な資料が揃っており、NotebookLMを通じて効率的な回答作成が可能かを検証しました。
よかったこと
1. ソースがない場合は「ない」と回答する正直さ
ソースが存在しない場合、AIは明確に「該当するソースがありません」と回答してくれます。曖昧な推測を避けられる点が安心できます。
例:
2. 簡単にAIを作ることができる
NotebookLMは、ソースを登録するだけで簡単に使い始められます。対応可能なソース形式も多岐にわたり、以下のような種類を取り扱えます:
- Googleドキュメント
- Googleスライド
- YouTube(文字起こしベース)
例:
ただし、以下の制約があります:
- ソースの登録は最大50個まで。
- Youtubeなどのソースの情報は文字起こし形式で登録される。
3. 参照元のソースを明確に表示
回答に基づいた参照元ソースを明示してくれるため、信頼性の高い回答を得ることができます。
例:
使う上での注意点やコツ
1. 回答精度の低下を防ぐ方法
NotebookLMは、回答を繰り返すと前の回答を参考にし始めるので、精度が低下する場合があります。この場合は、ソースの選択を解除し、リロードすることで回答精度を元に戻すことが可能です。
2. ソースのフォーマット整備が重要
AIが参照元を特定する際、ソースのフォーマットが整っていないと回答の参照元のソースの範囲が広くなります。特にPDFやYoutubeなどをソースに使用した場合、文字起こししてだけなのでフォーマットが整っていないです。
対策: ソースを以下のようにマークダウン形式で整備するのが最適です。
例:
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#### 区分
セキュリティ
**種別**: 準拠性
- **サービスレベル項目**: システム監査頻度
- **規定内容**: システム監査を実施する頻度の規定
- **測定単位**: 年
- **設定例**: 年1回
- **備考**: 必要に応じて追加実施
- **回答**: 年1回、定期的にシステム監査を実施します。
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#### 区分
セキュリティ
**種別**: 保全性
- **サービスレベル項目**: データ暗号化
- **規定内容**: ユーザーデータの暗号化有無
- **測定単位**: 有無
- **設定例**: 全データ暗号化
- **備考**: 保存時および送信時の両方を対象
- **回答**: ユーザーデータは保存時・送信時ともに暗号化しています。
3. ソースの更新は手動
NotebookLMではソースの自動更新は行われません。そのため、新しい情報を反映するにはソースを再アップロードする必要があります。
4. 質問の工夫が必要
質問に対して一部回答できるものがある場合は、ソースから推測して回答を作成するので、回答が長くなりがちです。ですので、回答を簡潔にするには、質問時に「簡潔に回答してください」を付け加えるのが有効です。
また、質問文ではなくキーワードを提示するだけでも適切な回答が得られる場合があります。
キーワードだけの例:
改善できそうなこと
- ソースファイルのフォーマットの最適化
現在はマークダウン形式でソースを作成しており、元となったソースの範囲がある程度狭くなりましたが、フォーマット次第ではもっと回答の時のソースの範囲を狭めることができるのはないかと思っています。
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