スクラムマスター初心者が3ヶ月で感じた壁と学びのまとめ
はじめに
私はスクラムマスター(SM)になってから3ヶ月が経ちました。
学んだこと、大変だったこと、そしてこれから意識していきたいことを整理してみました。これからスクラムマスターを始める方や、同じ立場で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
なお、スクラムマスターとは、スクラムフレームワークにおいてチームの自己組織化を支援し、プロセスの改善や障害の除去を行う役割です。サーバントリーダーとして、チームが最高のパフォーマンスを発揮できるよう支援することが主な責務となります。
ファシリテーション力について
スクラムマスターをやっていて一番強く実感したのは「ファシリテーション力」の重要性です。
ゴールを持つことの大切さ
「スクラムマスターはサーバントリーダーとして、チームから答えを引き出しながら自己組織化を支援する存在」とよく言われます。
私も最初はその言葉を真に受けすぎて、「全部をメンバーに委ねる」スタンスを取っていました。
そのため、スプリントプランニングなどで全体の方向がぶれたり、決まらなかったりしました。
そこで学んだのは、「スクラムマスター自身もゴールを仮置きしておくこと」です。
その上で、意見を促しながらチームに考えてもらう。すると議論に方向性が生まれ、進行がスムーズになりました。
適切に意見を振ること
ただ「誰か意見ありますか?」と聞くだけでは会話が広がらない場面も多いです。
そんな時、**「このテーマなら詳しそうな人」「違う視点を持っていそうな人」**に意識的に声を振るようにしました。これで議論が深まりやすくなりました。
まとめる力
私は元々「話をまとめずに次に進んでしまう」癖がありました。
その結果、メンバー間で認識のずれが生まれることがありました。
そこで意識的に一度立ち止まって意見をまとめ、全員の認識を揃えるようにしたところ、スクラムイベントの進行が格段にスムーズになりました。
スクラムマスターとしての課題
もちろん、まだまだ課題はたくさんあります。
- チームの自己組織化を促す適切な誘導の難しさ
- スクラムフレームワークやアジャイル原則について「これどうなんですか?」と聞かれたときの知識不足
- 学んだ理論を実際のチーム運営に落とし込む際の戸惑い
特にチームからスクラムやアジャイルについて質問を受けると焦ることが多いです。ここは継続的な学習が必要だと感じています。
チーム運営とプロセス改善の難しさ
技術的な課題と違い、チーム運営やプロセス改善を考えるのはまったく別の頭の使い方が必要でした。
原因を深掘りすることの大切さ
私はつい「どう解決するか(How)」を先に考えてしまう癖があります。
しかし実際には、「なぜ問題が起きているのか(Why)」を深掘りする方が近道でした。
関係者にヒアリングしたり、レトロスペクティブで根本原因を探ったりすることで、結果的に効率的に解決できると実感しました。
意見が割れたときの対処
意見が対立する場面も何度かありました。
そのときに学んだのは、「どの意見にもメリット・デメリットがある」ということです。
完全に白黒をつけるのではなく、チームが合意に達するために必要な情報を整理したり、異なる視点を提示して議論を促進したりしました。さらに他の知見者に相談することで、別の視点のアイデアも得られ、合意形成もスムーズになりました。
今後意識したいこと
次のスプリントから意識したいのは、「問題発見能力」です。
普段の業務に慣れてしまうと、当たり前に感じて問題に気づきにくくなります。
そこで以下を実践しようと思っています。
- 継続的な学習:スクラムガイドの再読、アジャイル関連書籍の読書
- 外部コミュニティへの参加:スクラムマスター向け勉強会やカンファレンスに参加し、他社事例を学ぶ
これによって、自分のチームの改善点を客観的に発見できるはずだと考えています。
まとめ
スクラムマスターを3ヶ月やってみて感じたのは、スクラムフレームワークの知識と同時に「ファシリテーション力」や「問題を見極める力」こそが肝になるということでした。
最初は難しく感じた場面も多かったですが、実際にチームと向き合い、試行錯誤することで「サーバントリーダーとしてどう立ち回ればよいか」が少しずつ見えてきました。
スクラムマスターは一朝一夕で身につく役割ではなく、継続的な学習と実践を通じて成長していく役割だと実感しています。
これからスクラムマスターを始める方や、同じように悩んでいる方にとって、今回の学びが少しでも参考になれば嬉しいです。
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