M1 MacにRubyとRailsの環境構築してみた
M1 Mac上でRubyとRailsの開発環境構築やっていきます
これはYouTube動画の資料です
- M1 MacにRubyとRailsの環境構築してみた https://youtu.be/z3pjRoHuhEc
はじめに
- なるべく、プログラミング初学者向けにもわかりやすく解説していきます
- いっしょにやっていきましょう
- 2021年2月時点の情報です
- M2のMacが出る頃(いつ?)には 古い情報になってるはずなのでお気をつけください
自己紹介:オサミー
- ソフトウェアエンジニア。株式会社プレジニア代表取締役。
- iPhoneアプリ開発歴10年。企画開発したiPhoneアプリ160万ダウンロード以上。
- 最近はiOS(Swift)アプリやフロントエンド(React, TypeScript)やってる。
動画(RubyとRails環境構築)の目次
- 理論編: Intel MacとM1 Macの違い
- 実践編: RubyとRailsインストール
理論編
1.「M1 Mac」の環境は 「Intel Mac」の開発環境と大きく違うことに注意しよう!
- これは、「M1 Macでプログラミングする上で注意すべき」ポイント①
- 例えば、progateの記事「Rubyの開発環境を用意しよう!」だと、
- https://prog-8.com/docs/rails-env
- これは「Intel Mac」の情報
- 「M1 Mac」では:rbenvでruby2.6.5をインストールできない(Stable Releaseのみ。2021年2月時点。)
- 「M1 Mac」では:Homebrewはバージョン3.x以降ではないと動かない(armアーキテクチャ最適化バージョンは3.xから)
- RubyとRailsに関してはあんまり問題ないけど、「Intel Mac」の古い情報に注意しよう!
- Intel Macとは:
- Intelのチップ(CPU)が搭載されたMac
- 古い
- RubyやRailに関する記事はだいたい「Intel Mac」の情報 → 古い(気をつけて)2021年2月時点
- M1 Macとは:
- Apple社が設計したM1チップが搭載されたMac
- ARM社がApple社へチップの回路図を提供してる
- ので、M1チップのアーキテクチャ(設計方法)を「ARMアーキテクチャ」と呼ぶ
- M1チップを「Apple Silicon」とも呼ぶ
- 2020年11月に発売!(新しい)
- Apple社が設計したM1チップが搭載されたMac
- Intel Macとは:
2. Rosseta上なのかARMアーキテクチャ上なのか意識しよう!
-
これは、「M1 Macでプログラミングする上で注意すべき」ポイント②
-
いま動かそうとしてるプログラムは、「Rosseta上なのか」「ARMアーキテクチャ上なのか」意識すべし!
- Rosetta上では動くが、ARMネイティブで動かないプログラムがある
-
Rosettaって何?
- M1 Macの特徴:Rosetta を使ってIntel Mac用のソフトウェアを使うことができる(例外あり)
- Rosetta とは
- 従来のインテル用のMacアプリを Apple Silicon Mac上で自動的に変換して実行できるようにする仕組み
- 「Rosettaを使用してひらく」チェックボックスつけてアプリ起動すると、Rosetta上で動く
- 例) ターミナル, Xcode, iTerm2 など
- Rosetta使えば動くのか ARMネイティブ対応(M1最適化されてる)なのか ソフトウェア一覧まとめサイト
- Is Apple silicon ready?
- https://isapplesiliconready.com/
-
いま「Rosseta上なのか」「ARMアーキテクチャ上なのか」確認できるコマンドは後述
実践編
実践編 目次
- 1.前提
- 2.rbenvでRubyインストール
- 3.RailsでHelloWorldまで
1.前提
1-1.インストール環境
- macOS BigSur 11.2.1
- MacBook Air(M1, 2020)
- Ruby 初期状態
1-2.前提: Ruby初期状態
-
ruby -v
->ruby 2.6.3p62 (2019-04-16 revision 67580) [universal.arm64e-darwin20]
-
which ruby
->/usr/bin/ruby
-
rbenv -v
->zsh: command not found: rbenv
1-3.前提: その他
- VSCode(Visual Studio Code)インストール済み
- おすすめなエディタなのでインストール必須
1-4.Rubyの文法だけ試したい人はコチラがおすすめ!
- 文法だけ色々試したい場合は、「ブラウザで動く環境」がおすすめ!
- Rubyの開発環境を構築するだけでも 大変なので
- ブラウザで動く環境(例):
- https://runrb.io/
- https://repl.it/languages/ruby
- 「文法学びたいだけの人」はこっちがおすすめ
- すでにRubyは最初からMacに入ってる!
- ターミナルで
ruby -v
で叩くとバージョンが返ってくるよ - インタラクティブモードもあるよ(Interactive Ruby Shell)
- ターミナルで、コマンド
irb
叩くとはじまる- irbは Control + D で終了
- ターミナルで、コマンド
- ターミナルで
- なのでRubyの文法だけ学びたい人 や ちょっとしたスクリプト書きたい人にとっては...
- これから説明するrbenvとか必要なし
1-5.いま 「Rosetta上なのか」「ARMアーキテクチャ上なのか」意識することが重要!
- 確認コマンド:ターミナルで
uname -m
打つ-
arm64
と出力 : ARMアーキテクチャ で実行中 -
x86_64
と出力 : Rosetta利用 または ネイティブIntelアーキテクチャ で実行中
-
- オサミーの場合:
- ARMアーキテクチャで実行したい場合「ターミナル.app」で実行
- Rosettaで実行したい場合「iTerm2.app」で実行
- VSCode上では適宜
$ arch -x86_64 zsh
や$ arch -arm64 zsh
で切り替えする
---------ここまで実践編の前提---------
2.rbenvでRubyインストール
目次
- 2-1. Command Line Toolsをインストール
- 2-2. Homebrewをインストール
- 2-3. rbenvをインストール
- 2-4. Rubyをインストール
2-1. Command Line Toolsをインストール
- ターミナルひらく
- アプリケーション > ユーティリティ > ターミナル.app
- 「Rossetaを使用して開く」これはチェックしないでひらく = ARMアーキテクチャ上で実行する
- ターミナルでコマンド
xcode-select --install
実行 - 「Command Line Tools」とは:
- macOSのターミナルで、コマンド使うために必要なツール
- Apple LLVM complier, Linker, Makeなどが内包されている
- Xcodeをインストールしている人は Xcode自体に「Command Line Tools」が含まれているのでスキップしてね
- オサミー → Xcodeインストール済みなのでスキップ
2-2. Homebrewをインストール
- Homebrewとは:
- macOSのパッケージマネージャー
- パッケージマネージャーて何よ?
- パッケージを管理するソフトウェア
- Homebrew以外にもいろいろある
- 🔽例
- npm: "Node Package Manager". Node.jsパッケージの管理
- yarn: npmの代替. npmより速い
- gem: "RubyGems" Rubyパッケージの管理
- pip: "Pip Installs Packages" Pythonパッケージの管理.
- Homebrew以外にもいろいろある
- パッケージ? = ある機能を有するソフトウェア. いろいろある
- 「ライブラリ」とか「フレームワーク」とも呼んだりする
- Homebrewのパッケージ例) rbenv, python@3.9, yarn...
- Homebrewではパッケージを「formula」と呼んでる
- パッケージを管理するソフトウェア
2-2-1.インストール方法
- ① https://brew.sh/ にアクセスする
- ② 「Install Homebrew」に記載しているコマンドをコピーする
- 2021.2.19時点では
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
- 2021.2.19時点では
- ③ターミナルで コマンドを貼り付けて 実行(エンターを押す)
- 何か聞かれたらすべてyesでOK
- オサミーはインストール済みなのでスキップ
2-2-2.brewコマンドが使えるか確認しよう
-
brew -v
を実行- 下記のようにバージョンが表示されたら成功
% brew -v
Homebrew 3.0.1
Homebrew/homebrew-core (git revision 0b9a7; last commit 2021-02-18)
-
which brew
でどこにbrewコマンドいるのか確認しよう
$ which brew
/opt/homebrew/bin/brew
-
brew list
で「Homebrewでインストール済みのパッケージ一覧表示」しよう
2-2-3.注意点:Homebrewの「バージョン」に気をつけて!
- バージョン 2.x はM1 Macには対応していないので注意
-
brew -v
と叩いて 2.6とか表示されていたら、アップデートしよう- アップデート方法:
brew update
- アップデート方法:
-
- 3.0 でM1 Mac対応した! 2021.2.5 リリース!
2-2-4.オサミーの場合: brewはインストール済み
- 自分は2.7.0を
/opt/homebrew
にインストールした- https://brew.sh/2020/12/01/homebrew-2.6.0/
- インストール先は
/usr/local
ではなく 自分でつくった/opt/homebrew
-
which brew
->/opt/homebrew/bin/brew
-
brew update
して 3.0.1に更新した
2-3. rbenvをインストール
2-3-1.ruby-buildとともにrbenvをインストールしよう
-
コマンド
brew install ruby-build rbenv
叩いてインストールだ!- ruby-build と rbenv という2つのformulaをインストールする
-
余談:rbenvとは
- いろんなRubyのバージョンをインストールできる環境をつくれるソフトウェア
- 「Ruby version manager」
- https://formulae.brew.sh/formula/rbenv#default
- ruby-buildに依存している
- ruby-buildとは
- 「Install various Ruby versions and implementations」
- https://formulae.brew.sh/formula/ruby-build
- ruby-buildとは
2-3-2.パスを通して初期化しよう
-
①
~/.zshrc
を編集しよう!2行追加しよう!- 2種類の編集パターン紹介
- 方法①2つechoコマンド実行するパターン
- ひとつめのコマンド:
echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
- これを「パスを通す」と言う
- ふたつめのコマンド:
echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.zshrc
- これは初期化コマンド
- ひとつめのコマンド:
- 方法② エディタで
~/.zshrc
を編集するパターン- Finderで ホームディレクトリにいって、
- Command + Shift + .(ドット) で隠しファイルを表示すれば .zshrc が現れる
- なかったら .zshrc を新規作成しよう(エディタで新規ファイル作成 -> ".zshrc" という名前をつけて保存でOK )
- 下記2行直接書き込む
- Finderで ホームディレクトリにいって、
export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH" eval "$(rbenv init -)"
-
②
~/.zshrc
を読み込もう- コマンド
source ~/.zshrc
で .zshrc を読み込んで rbenv初期化しよう - これ実行しないとrbenvコマンドを使えない
- コマンド
-
補足:
.zshrc
とは-
~/.zshrc
とは ターミナルひらくときに最初に読み込まれるファイル- 初期化コマンドや PATH通す処理や エイリアス(=別名,ショートカット)を記述
- 余談:シェルが zsh ではなく bashだったら
.bashrc
に該当する- シェルとは:ターミナルでコマンド実行するソフトウェア(みたいなもの)
- macOS BigSurからデフォルトで シェルが zsh になった(いままではbash)
- コマンド
source ~/.zshrc
で .zshrc を読み込める
-
2-3-3.rbenvコマンドを使えるか確認しよう
-
コマンド
rbenv -v
- rbenvのバージョンを表示してみる
- バージョンが表示されたら成功(rbenvコマンド使える)
- 例:
rbenv 1.1.2
- 例:
-
よく使う
rbenv
コマンド一覧-
rbenv versions
- いま何のバージョンのrubyがインストールされてるか一覧で確認
- *マークついてるのが いま動いてる(設定されてる)Rubyのバージョン
-
rbenv install -l
- インストールできるRubyバージョンを表示
-
rbenv install {version}
- 指定のバージョンのRubyをインストール
- 例:
rbenv install 3.0.0
-
rbenv global {version}
- 指定したRubyバージョン をmac全体で設定
- 例:
rbenv global 3.0.0
-
rbenv local {version}
- いまいるディレクトリだけ指定Rubyバージョンに設定
- 例:
rbenv local 3.0.0
-
rbenv rehash
- 更新
-
2-4. Rubyをインストール
-
rbenv install -l
叩いて インストールできるRubyバージョンを確認しよう -
rbenv install 3.0.0
叩いて バージョン3.0.0
をインストールしよう- 3〜5分くらいかかる
-
rbenv rehash
してrbenvを更新しよう -
rbenv versions
叩いて rbenvでインストールされたrubyバージョン一覧を確認しよう% rbenv versions
- system (set by /Users/osuzuki/.rbenv/version)
3.0.0
-
rbenv global 3.0.0
叩いて 3.0.0に切り替えよう -
rbenv versions
叩いて rbenvでインストールされたrubyバージョン一覧を確認しよう -
ruby -v
叩いて 現在のrubyが3.0.0なのか確認しよう% ruby -v ruby 3.0.0p0 (2020-12-25 revision 95aff21468) [arm64-darwin20]
-
which ruby
叩いて 現在のrubyコマンドの場所を.rbenv/下になってるか確認しよう% which ruby /Users/osuzuki/.rbenv/shims/ruby
- なってなかったら
rbenv rehash
やsource ~/.zshrc
叩く
- なってなかったら
-
gem -v
でgemコマンド使えるかも確認しよう% which gem /Users/osuzuki/.rbenv/shims/gem
- gemは rubyで書かれたパッケージの管理ソフトウェア
-
gem list
でgemでインストールされたソフトウェア一覧確認 -
gem install {package}
で指定したパッケージをインストールする- 例:
gem install rails
など
- 例:
-
〜〜〜〜〜〜ここまででRuby 3.0.0 インストール完了!〜〜〜〜〜〜
3.RailsでHelloWorldまで
目次
- 3-1.railsをインストール
- 3-2.yarnをインストール
- 3-3.railsでプロジェクト作成
- 3-4.Hello World実行
3-1. railsをインストール
-
gem install rails
でインストールしよう! -
インストール成功か確認しよう
-
gem list
でインストール済みパッケージ表示 - bundlerもインストールされてる
% gem list | grep rails rails (6.1.3) rails-dom-testing (2.0.3) rails-html-sanitizer (1.3.0) sprockets-rails (3.2.2) % gem list | grep bundler bundler (default: 2.2.3) % which bundle /Users/osuzuki/.rbenv/shims/bundle % bundle -v Bundler version 2.2.3
-
-
rails
コマンドが使えるか確認しよう- その前に、、
rbenv rehash
してrbenvを更新しよう -
which rails
,rails -v
の結果
- その前に、、
% which rails
/Users/osuzuki/.rbenv/shims/rails
% rails -v
Rails 6.1.3
3-2. yarnをインストール
- Rails 6から webpackerが必須になったのでまずはyarnをインストールする!
- yarnというのはNode.jsのパッケージ管理ソフトウェア(パッケージマネージャー)
- そのyarnを使って、webpackerをインストールする
-
rails new <project_name>
叩いたときに 勝手にyarnによってwebpackerがインストールされる
-
- yarnのインストール方法は主に2種類ある
- https://classic.yarnpkg.com/en/docs/install#mac-stable
- 方法1: Homebrewでインストールする
- 方法2: npmでインストールする
yarnインストール方法①Homebrewでインストールする
- コマンド
brew install yarn
叩く- たぶん視聴者さんはこちらでOKだと思う...
- もし Homebrewでyarnをインストールできなかったら コメントください
- その場合→方法2のnpmでインストールしてください
- Node.jsをここからインストールしてから
-
npm
コマンドが使えるはずなので、方法2のコマンドでyarnインストールしてください
- その場合→方法2のnpmでインストールしてください
yarnインストール方法②npmでインストールする
- コマンド
npm install --global yarn
叩く- オサミーはnpmがインストール済みなのでこちら
yarnインストールできたか確認
-
yarn -v
叩いてバージョン返ってきたらyarnインストール成功
3-3. railsでプロジェクト作成
- ①ホームディレクトリで
mkdir ruby_project
叩いてフォルダ作成する - ②
cd ruby_project
叩いてカレントディレクトリを移動する("C"hange "D"irectory) - ③
rails new hello_app
叩いて 「hello_app」というrailsプロジェクトをつくる- いろいろファイルができる
- VSCodeで確認してみよう
- Finder上のフォルダごと VSCodeアプリにドラッグアンドドロップ
3-4. Hello World実行
- これからはVSCode 上のターミナルで実行してみよう
- Command + J で「VSCodeの中のターミナルをひらく」
- まずは
uname -m
叩いて ARMアーキテクチャで動いてるか確認しよう- もし
x86_64
と返ってきたらARMに切り替えよう.arch -arm64 zsh
これで切り替えられる -
uname -m
でarm64
と返ってきたら ARM上で動いてる
- もし
以下、ターミナル.appではなく VSCodeのターミナルで実行する
-
rails server
叩いてローカルサーバー立ち上げてみよう-
http://127.0.0.1:3000
をブラウザでひらくとRailsアプリが表示される
-
-
Control + C でローカルサーバーを止める
Hello World書き換えてみよう
-
app/controllers/application_controller.rb
に追記しよう
def hello
render html: "Hello, world!"
end
-
config/routes.rb
に 追記しよう
root 'application#hello'
- 再度
rails s
で確認-
rails server
と同義
-
Discussion
brew install yarnしてyarn -vを実行したらenv: node: No such file or directoryとエラーが出ました。
Nodeがインストールされていなかったようですので、brew install nodeしたら正常に動くようになりました。