🚀

Google Cloud Next Tokyo に行ってみた

に公開

人生で初めて、オフラインの技術カンファレンスに参加しました。
業務でインフラを触る機会はほとんどなく、特別関心が高いわけではないのですが、「一度は行ってみたい」という気持ちから参加を決めました。

事前に少し調べたものの、セッション内容の詳細よりも会場の雰囲気を伝える記事はあまり見つかりませんでした(調べ方が浅かったのか、カンファレンスの形式が一般的すぎるのかもしれません)。そこで今回は、雰囲気も含めて記録します。

参加前の準備

参加には公式ページからの事前登録が必要です。条件は特になく、登録時に会社名の入力欄がある程度(学生は学校名、個人事業主も可)。
私は趣味目的だったので会社名を使うのは気が引け、「個人」と入力しました。

登録後はセッション予約が可能になります。予約不要のものもありますが、人気セッションはすぐ満席になります。基調講演は枠が多いと思い直前まで放置していたら、すでに埋まっていました。

受講票は登録後に印刷可能で、現地でも印刷できますが、先着ノベルティを狙うなら事前印刷が必要かもしれません。会場内ではブース訪問時などにQEコードの提示を求められるため、パスケース(会場で配布)に入れて首から下げておきます。

当日の様子

私が参加したのは Day1(8月5日)。基調講演は予約が間に合わなかったため、興味のあるセッションがある午後から回りました。
会場は東京ビッグサイト南展示棟。訪れるのは初めてでした。駅からは近いものの、猛暑で到着時には汗だく。飲み物は持参しましたが、会場でも配布されていました。弁当の提供もあり、館内にはコンビニやフードコートも完備。

会場内はそれなりに人がいて、ブース間の通路で立ち止まる場面もたまにありましたが、ほとんどはスムーズに移動できました。ブースの担当者にもすぐ声をかけられる程度で、混雑というよりはほどよい賑わいといった印象です。
体感では、帰る人よりも新たに来る人の方が多く、時間が経つにつれて少しずつ来場者が増えている印象でした。

企業の方がほとんどで個人で来ている人は一人見かけただけでした。あとは外国人の方も1~2割くらいいたように思えました。

Gemini × Google Maps Platform:AI が拓く未来図 (Navagis, Inc.)

自然言語で Google Maps を操作できるデモを見ました。地理データは多くの場合で可視化にオープンソースデータ探しが必要で、都道府県や市区町村単位を可視化することでさえ案外手間だったりするのですが、Google Maps のデータを活用することで簡略化されていました。Google Cloud 上のDBを使う可視化も可能で、膨大な地図データをAIで操る進化を実感。

Google Maps のライセンス規約についても話として挙がっていました。スクショ利用時のライセンス表記など制約は有名ですが、AI活用の流れでデータ活用に関する規約が緩和されつつあるようです。

そういえば地形データは構造化タスクで生成AIが扱うのは苦手なはずですが、この処理がどうなっているのかが少しだけ気になりました。
会場には登壇者に直接質問できる「Ask The Speaker」というエリアもあるので、こういった点が気になる方は質問することもできるそうです。

スタンプラリーとスポンサーブース

対象ブースを回ってスタンプを集めると景品と交換できる企画がありました。ブースはセキュリティ系が多めで、興味が強いわけではなかったので軽く見て回る程度に。

初心者向け!生成 AI を身近に使おう。生成 AI 活用講座 (アクセンチュア株式会社)

Gemini を実際に使ってみる入門セッション。普段 ChatGPT 派の私でも、Gemini の音声認識精度の高さや位置情報検索など、知らなかった機能を発見できました。

Google Maps Platform で商機を掘り起こす (株式会社ゴーガ)

企業データを Google Maps 上で可視化し営業に活用する事例。例えば商品の在庫であったり、出店地の検討などに地理データというのが役に立ちます。セッションでは実際の導入事例が紹介され、解像度の高い話を聞くことができました。

システムとしては Google Maps の標準地図表示とストリートビューと分析画面が同じ画面に表示され、人流データや売り上げ予測などの分析が見られるような感じになっていました。非常に直感的でビジネス寄りの人が扱いやすそうに思いました。

実は私の学生時代の研究テーマ(オープンデータやソーシャルデータを地図上に可視化して新たな知見を得る)と近く、その実践版という印象でした。そんな私からすると、企業が保有するデータというのは非常に貴重であり、その価値を手軽に発揮できそうだなと思いました。

あとは Places Aggregate API というのが比較的最近リリースされたらしいということを知りました。時間を作って触ってみたいと思っています。

Suica Renaissance: Spanner を活用したモビリティデータの再創造 (東日本旅客鉄道株式会社)

レシーバーとイヤホンで聴く形式で、3つのステージが隣接していても混線しないようになっていました。
内容はSuicaの進化と活用事例。切符からタッチ式への移行、コロナ禍による利用減、駅周辺施設での利用拡大、そして集まるデータを支える基盤としての Spanner 採用。生活インフラ移行の大変さや、最近リリースされた生成AIを使ったサービスにも触れられました。

AI バスケットボール コーチ(Featured Booth)

フリースローを打つとPixel内蔵カメラでフォームを撮影し、映像データから測定、AIが分析、結果を文章でアドバイスしてくれるデモ。元バスケ部として楽しみにしていましたが、シュートは外れ、データ取得も不調で結果は見られず少し残念でした。ただシステム全体が Google の技術をフル活用した構成で、興味深いものでした。

感想

技術的な学びもありましたが、それ以上に会場の熱量や交流の空気感を味わえたことが大きな収穫でした。今回の体験をきっかけに関心が一層深まり、Google Cloud 系の資格にも挑戦してみようと思います。

また、同じくクラウド分野の技術カンファレンスである AWS Summit については、参加経験のある知人から事前に話を聞いていましたが、ターゲット層やコンテンツ内容の違いを改めて実感しました。実際に AWS Summit に行ったことはありませんが、AWS Summit はより技術基盤寄りで、個人開発者も含めた幅広い層が対象。一方で Google Cloud Next はビジネス寄りで、企業の IT 部門・開発者・意思決定層に向けた内容が中心だと感じました。

自分の興味やスタイルを考えると、どちらかといえば AWS Summit の方が向いている気もします。次は AWS Summit にも参加してみようと思います。

Discussion