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【感想】『Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門』を読みました

2024/01/22に公開

2024年1月24日発売の『Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門』を献本いただいて読みました。こちらの記事に感想などをまとめます。

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書籍の概要

タイトル通り、Azure OpenAI Service(AOAI)を使い、LLMを組み込んだシステムを構築することを解説した書籍です。

生成AI(とくにChatGPT)の基本的な話から始まり、Azure OpenAI Serviceの基本、「RAG」という手法の丁寧な解説、Copilot stackなどのより発展的な話といった内容になっています。

Azure OpenAI Serviceは、LLMを組み込んだシステムを作る上で定番の選択肢です。Azure OpenAI Serviceにこれからふれるという方はもちろん、かなり実践的な内容まで書かれているので、すでにAzure OpenAI Serviceにふれている人も参考になると思います。

個人的に面白かった点

ここから、個人的に面白いと感じた点を挙げていきます。

「RAG」という手法の丁寧な解説

LLMを組み込んだシステムで使われる定番の手法に「RAG(Retrieval Augmented Generation)」というものがあります。これは簡単に言えば、「独自文書にもとづいてLLMに回答させる」という手法です。

この書籍では、RAGについて基本的な考え方から丁寧に図解しつつ解説されていたり、実際に実装してみると問題になりやすい「評価」といった実践的なトピックまで扱われています。このあたりの解説は、Azure OpenAI Service以外を使う方でも、参考になると思います。

公開モデルの話

Azure OpenAI Serviceでは、GPT-3.5やGPT-4といった非公開のモデルの利用を検討することが多いです。この書籍でもGPT-3.5やGPT-4を扱っている箇所が多いですが、公開モデルについてもある程度解説されています。

公開モデルを使用するうえでのライセンス上の注意や、ONNXによる量子化・枝刈りといったトピックまでふれられていて、そんなことまで解説しているんだと驚きました。

第9章の共通基盤の話

個人的に、第9章で扱われている、Azure OpenAI Serviceを共通基盤として活用する話もとても面白かったです。Azure OpenAI Serviceをうまく活用していくためには、さまざまな理由から共通基盤という考え方が望ましい場合があり、それを具体的にどう構築するのか、といった話です。

これは自分がまったく持っていなかった視点だったので、とても勉強になりました。とくにこの章は、マイクロソフトの方々が関わっている書籍だからこその内容なのではないかと思います。

おわりに

以上、書籍『Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門』の感想でした。

Azure OpenAI Serviceに興味がある方から、すでにある程度さわっている方まで、幅広く楽しめる書籍だと思います。

そういえば、第一印象として、ドーナツ(とくにフレンチクルーラー)の写真を表紙にするのはとても面白い工夫だと思いました!

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