PoEとEthernetを手軽に使えるモジュール
最近では、安価で堅牢なPoEモジュールが市場に多く出回っています。
さらに、中国市場には価格まで非常に安価な製品が数多く存在します。
しかし、EthernetチップとPoEが一体となった製品はそれほど多くなく、
温度管理、通信の安定性、EMCなどに関する問題がしばしば発生します。
多くのPoE PD(Powered Device)はフライバック回路を使用していますが、
これはスイッチング方式であるため、発熱・ノイズ・EMI放射などの問題が起こりやすいです。
このモジュールは、それらの点をうまく抑えているように感じます。

以下は仕様になります。

最大出力は8Wであり、IEEE802.3afに準拠しています。
(802.3ATと表記されているにもかかわらず、スペックが15W未満のモジュールも多く見かけます)
Mode A、Bの両方式に対応し、PSE入力電圧は40〜60Vと非常に広範囲で動作します。
また、過電圧(OV)・過電流(OC)保護回路を内蔵しており、
不良なPSEに接続された場合でもトラブルを回避できます。
PoE側には絶縁が施されており(フライバック方式なので当然)、
Ethernet側の絶縁も2kVに対応しています。
(2kV以上が加わっても、通信が一時的に切断されるだけで正常に動作します)

使用しているスイッチングチップは、Power Integrations社のDPA423です。
このチップは非常に信頼性が高い一方で、EMI放射の懸念がありましたが、
実際に確認したところ問題なくパスしました。
スイッチング周波数は300kHz / 400kHzの選択が可能で、
PoE用途でこれほど高い周波数を使うのは珍しいと思います。
高周波になるほど、ノイズの低減や出力回路の小型化に寄与しますが、
当然、部品コストは上昇します。
(実際、DPA423は高価です)

さらに、WIZnet社のW5500 Ethernetチップも搭載されています。
これは10/100MbpsのEthernet通信を簡単に実装できる優れたチップであり、
MCUはこのモジュール一つでPoE電源とEthernet通信の両方を実現できます。

ピン配置では、SPI用の4ピンでEthernet通信が可能です。
その他のピンは、状態表示・リセット(RST)・割り込み(INT) に使われます。
出力は5Vで、最大8Wまで対応しています。
モジュールのサイズは65 x 22 mmで、非常にコンパクトです。
詳細な内容は公式ホームページでご確認いただけます。
お問い合わせはメールにて承っております。
Email> oriana@us-platypus.com
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