Google Cloud認定全冠したので知見や所感を共有します
初めに
こんにちは。福岡からOPTIMINDという名古屋のスタートアップで働いている津守と申します。
2024年2月に、Google Cloudの全認定資格(計11種)を取得しました。2年前には、Associate Cloud Engineer(ACE)、Professional Cloud Architect(PCA)、そしてProfessional Data Engineer(PDE)の資格を取得しています。PCAとPDEの更新時期が来たのを機に、全認定資格の取得を目指すことにしました。2023年12月24日から2024年2月12日の約2ヶ月間で、有効期限内のACEを除く残りの10の認定試験を全て初回で合格しました。Google Cloudに関する実務経験は約3年です。
全認定の取得を通じて得た知見を共有したいと思います。これには、各認定合格のための学習資源や学習方法、本資格が有用なシナリオの個人的な考察を含みます。本稿では共有したい内容を全て記載しましたので、目次を参照し必要な情報を選んでお読みください。
各認定の概要
まずは各認定の概要[1]を記載します。難易度についての所感も後述します。
認定試験[2] | 概要 |
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Cloud Digital Leader (CDL) | クラウドの基本、デジタル変革に関する知識を検証する認定試験です。この試験は、パブリッククラウドに不慣れなエンジニアにとってのスタートポイントや、ビジネス分野の人々が技術チームとのコミュニケーションを強化したい場合に推奨されます。 |
Associate Cloud Engineer (ACE) | Google Cloudの基本的な機能とサービスを管理し、アプリケーションのデプロイ、監視、管理を行う能力を証明する認定試験です。クラウドエンジニアの入門として推奨されるようなレベルです。コマンド問題が若干細かく難しいため、しっかり学習した方が良いです。 |
Professional Cloud Architect (PCA) | Google Cloud上で様々なビジネス要件に基づくセキュアでスケーラブルなソリューションを設計、開発、管理する技術的なスキルと知識を証明する認定です。ケーススタディ問題が特徴的で事前に読んでおくべきです。 |
Professional Cloud Developer (PCD) | Google Cloud上でセキュアでスケーラブルなアプリケーションを設計、開発する能力を証明します。Cloud Buildなどを使用したCI/CD、GKEやその他コンピューティング系プロダクトなどにフォーカスが当たり、多くのエンジニアにとって馴染みのあるトピックを豊富に含んでいるかと思います。 |
Professional Data Engineer (PDE) | 大規模データセットを収集、変換、公開するデータ処理システムを設計、構築、運用する能力を証明します。注意すべき点は2024年1月30日から日本語試験のバージョンが変わっており[3]、MLモデルに関する話題からデータの利活用を促進するデータエンジニアリング領域に重心がシフトした点です。 |
Professional Cloud Network Engineer (PCNE) | Google Cloudのネットワークアーキテクチャの設計、実装、管理を行う能力を証明します。相対的に難しいと感じました。覚えることも多いため、特にネットワークが得意でない場合は他の試験の1.5~2倍程度の学習時間を見積もるのが良いかもしれません。 |
Professional Cloud Security Engineer (PCSE) | Google Cloudプラットフォームでのセキュアなインフラストラクチャの設計、構築、保護する能力を証明します。サービス間認証、ネットワークセキュリティ、組織やIAMの管理、データ暗号化など業務上様々なロールのあらゆるセキュリティ関連の話題を提供している試験です。PII処理などの話題も含みます。 |
Professional Cloud DevOps Engineer (PCDOE) | Google Cloud環境におけるインフラストラクチャとアプリケーションのパフォーマンスの監視、改善、トラブルシューティングの技術を習得します。ブルーグリーンデプロイやSLOなどの一般的なトピックが豊富に取り上げられています。SREの考え方などは多くの人にとって有益だと思います。 |
Professional Machine Learning Engineer (PMLE) | Google Cloud上で機械学習モデルの開発、デプロイ、スケールアップの能力を証明します。専門性が高く難しい部類だと思います。GoogleがML関連に大きく注力していることを考えると、この試験をきっかけにMLプロダクトにキャッチアップしておくことで、何か大きな恩恵を受けることができるかもしれません。 |
Professional Workspace Administrator (PWA) | Google Workspaceの環境を管理し、効率的なコラボレーションと生産性を向上させる能力を証明します。情シスのような管理者に向けられた試験です。 |
Professional Cloud Database Engineer (PCDE) | クラウドデータベースソリューションの設計、構成、デプロイメントに関するスキルを証明します。Spannerの話題がやたら豊富ですが、ドメスティックなサービスを展開するユーザー向けにAlloyDBの話題も提供してほしいなと思いました(自分が受験した時には無かった)。 |
難易度について
まず、公式に3段階の区分が設定されていて、易しい順に以下となります。
- 基礎的な認定資格: CDL
- アソシエイト認定資格: ACE
- プロフェッショナル認定資格: その他
個人的な感覚では、プロフェッショナル試験の難易度も以下の3つのカテゴリに分けられるかなと思います。ただし、個々人の経験や専門知識によって異なると思います。易しい順に並べて、
- PCA: 試験範囲は広いものの、そこまで深い知識が要求されるわけではないので、解答しやすいです
- PCD, PDE, PCSE, PCDOE, PWA, PCDE: いずれの試験でもそれなりに深い知識が必要となりますが、最新情報へのキャッチアップが必要などといったことはなく、基本的な勉強で十分に合格可能です
- PMLE, PCNE: 相対的に要求される知識の専門性が高く、これらの試験のみに要求される知識量も多いです[4]
注意点
- 2024年2月14日現在、PMLEとPCDEは英語版のみの提供です
- 英語版の試験と日本語版の試験を受ける場合、試験登録を行うwebassessorでは、2つの異なるメールアドレスで英語用と日本語用のアカウントを作る必要があります[5]
- 認定証が発行されるAccredibleで、個人情報の設定画面から「リンクされたメールアドレス」を追加することで、これらのアカウントの認定証がマージされます
学習資源と学習方法
学習資源
問題集のお勧めは後のセクションで紹介します。それ以外の学習資源として有用そうなものを記載します。自分が使って良かったものに(★)を付けます。
認定試験 | 学習資源 |
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全般 |
Google Cloud無償枠(★): 解説がいまいちよく分からない場合など、実際触ってみることで理解できることはしばしばあります。 G-genのGoogle Cloudブログ(★): 資格に関するものもそうでないものもGoogle Cloudに関する参考情報が幅広く提供されています。各試験のガイドは全て最初に一読することをお勧めします。参考資料としてリンクされている資料も非常に有益です。 Google Cloud Skills Boost (SB): 公式が提供する学習資源です。さまざまなジャンルごとに学習コースが提供されています。それぞれのコースで標準受講期間が数十時間と非常にボリューム満点なので、必要なものをピックアップしてやるのが良いかと思います。月間$29と年間$299のサブスクリプション契約をして、受講することができます |
CDL | (特になし。後述の問題集をやれば十分かと思います。) |
ACE | (模擬問題付き)徹底攻略 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer教科書: 試験合格後に買って読んでみました。Google Cloud入門書として非常に良いと思います |
PCA |
Professional Cloud Architect試験対策マニュアル(★): G-genブログです。PCA試験に挑む最初の一歩として、こちらのブログに目を通すことをお勧めします。 Cloud Architect Learning Path: SBです。後述の問題集の解説を読んでいまいちピンと来ないことが多い場合、この教材を時間をかけてやるのも良いかもしれません。 |
PCD |
Professional Cloud Developer試験対策マニュアル(★): こちらもG-genブログです。最初に全体像を掴むのに最適です Google Kubernetes Engine(GKE)を徹底解説(★): これもG-genブログです。PCDではGKEが結構なウェイトを占めます。結構複雑なのでKubernetesに馴染みのない方は、一通りエコシステムを把握されることをお勧めします。 Cloud Engineer Learning Path: SBです。コンピューティングリソースなどに関しては実務で馴染みのある人も多そうです。その場合はスキップして良いかもしれません。 |
PDE |
Professional Data Engineer試験対策マニュアル。出題傾向・勉強方法(★): G-genです。こちらも最初に一読をお勧めします。 Data Engineer Learning Path: SBです。これをやることで新バージョンの試験も怖くなくなるかと思います。PCDEやPMLEにも関連する知識も獲得できそうです。 |
PCNE |
Professional Cloud Network Engineer試験対策マニュアル(★): G-genです。最初に一読を薦めます。 Network Engineer Learning Path: SBです。 読むだけで合格率↑↑↑する本 Google Cloud Certified Professional Network Engineer(PNE): 試験2日前にダメ押しで読むっ!: 自分は読んでいませんが、他の学習資源でどうしても頭に入らない場合は見てみても良いかもしれません。 |
PCSE |
Professional Cloud Security Engineer試験対策マニュアル。出題傾向・勉強方法(★): G-genです。最初に一読をお勧めします。 Security Engineer Learning Path: SBです。 |
PCDOE |
Professional Cloud DevOps Engineer試験対策マニュアル(★): G-genです。こちらも最初に一読されたいです。受験者に限らず多くの人にとってSREの考え方などは有益かなと思います。 DevOps Engineer Learning Path: SBです。 |
PMLE |
Professional Machine Learning Engineer試験対策マニュアル(★): G-genです。こちらも最初に一読をお勧めします。 Machine Learning Engineer Learning Path: SBです。専門性が高いので、あまりMLプロダクトを普段触っていない人はコースを通して触ってみるのが良いでしょう。URLに ?locale=en を追加して、英語試験の対策としても良いかもしれません(使用される語彙がだいたい似通って来るはず)Googleの機械学習教育(一部★): MLプロダクト以前にそもそも機械学習に馴染みがない場合、Googleが提供しているコースからじっくり学習されるのが良いかもしれません。 |
PWA |
Professional Google Workspace Administrator試験対策マニュアル(★): G-genブログです。最初に一読しましょう。 Workspace Admin Learning Path: SBです。Google Cloud実務経験者でも、Google Workspaceは触ったことが無いという人が多いのではないかと思います。その場合、コースを通して実際に触ってみるのも良いかもしれません。 |
PCDE |
Professional Cloud Database Engineer試験対策マニュアル(★): G-genです。これも最初に読みましょう。 Database Engineer Learning Path: SBです。こちらも英語試験の対策を兼ねてやってみても良いかもしれません。私が受験した際にはAlloyDBの出題はなかったのですが、こちらのコースにはAllyDBのセクションが含まれています。 |
Courseraは2年前にPCAとPDEを受験した際に受講しました。labなどがあるので、実務経験がない場合にざっくりしたイメージを掴むのには良いかもしれませんが、個人的には試験対策として役に立った印象はありません。
スピード合格のための学習方法
他のベンダー資格と同様、Google Cloud認定試験においても本番ライクな問題集を繰り返し解くことが効率的な学習法です。この方法で初心者でも試験を突破可能かと思いますが、初心者の場合は前述のような学習資源でlabが提供されているものをやってみたり、実際に無償枠を活用して手を動かしてみたりしながらじっくり学習するのがお勧めです。
さて、個人的に効果が高かったなと思う方法を共有します。まず各認定試験でそれぞれ以下の問題集を使います。
認定試験 | 問題集 |
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CDL | CDL模擬問題集 |
ACE | ACE模擬問題集 |
PCA | PCA模擬問題集 |
PCD | PCD模擬問題集 |
PDE | PDE模擬問題集 |
PCNE | PCNE模擬問題集 |
PCSE | PCSE模擬問題集 |
PCDOE | PCDOE模擬問題集 |
PMLE | PML Practice Exams(Udemy) |
PWA |
模擬試験(Udemy) Professional Google Workspace 認定試験が”ざっくり”「スッキリ」分かる講座 模擬(100) (Udemy) |
PCDE | PCDE Practice Exams(Udemy) |
これらの全問題を以下のように2~3周します。
- 1周目は問題を読んですぐに解答解説を読む。添付されている参考資料にも目を通す。読んで理解した後、問題と選択肢を再度読み、正解肢が正解である理由と不正解肢が不正解である理由を頭の中で説明する(問題集は稀に誤りも含んでいると思います。自分の中で腑に落ちる理由付けができるならばそれを信じて良いと思います。)
- 2周目は問題と選択肢を読み、1周目の最後にやったように、正解不正解の説明を脳内で行う。これがうまくできなかった問題はメモしておく
- 2周目で説明がうまくできなかった問題のみ、再度脳内で説明してみる(だいたい3回くらいやれば自分の中で問題の解説ができるようになるはず)
学習法は個人にあったやり方を模索してみてください。
実務を意識した学習法の提案
試験に合格するという目的に対しては遠回りになるので、試すならば試験を突破後に試すことを推奨します。問題集を使ってさらに理解を深めていく学習手順を提案してみます。
- 問題文を読んだ後、選択肢を見ずに答えを考えてみる。その際、ドキュメントや時にChatGPTなど総動員で答えを出す(実務と同じ条件)
- その際、最新情報や試験範囲外の情報も考慮に入れると面白いかもしれません
- 正解の選択肢と1で考えたものを比較する
1.どちらかがより適切だと考える場合、なぜそれが適切なのかを明確にする
1. 正解の選択肢の方が適切だと考える場合、なぜその答えに至らなかったのか考える(知識の不足なのか、考慮すべき観点の不足なのか、ドキュメント理解の不足なのか、等)
2. どちらも甲乙つけ難い場合、どのような要件が加わればどちらの選択肢がベターか、何がトレードオフにあるのか等を考える
テクニック
大したテクニックではないですが、参考までに。ただしいずれの試験に関しても、テクニックに走らずとも基本的な学習を進めることで十分に合格可能です。
-
基本的に消去法で解答する
- 正解を直接見つけ出すよりも、誤答肢がなぜ誤答であるかの理由を特定する方が易しく安定した結果につながります
- 特定のキーワードからほぼ答えが推測できる場合、即座に解答しても問題無いかもしれません(例えば、「グローバルに分散」「高い一貫性」などのキーワードでほぼ Cloud Spanner の話題であると分かってしまうような場合があります)
-
迷った場合は、シンプルな選択肢を選ぶ
- 問題文に開発コストを最小化するなどの要件が記載されている場合は、それに素直に従ってください。そのような記載がない場合は、より開発が容易そうな選択肢が良い選択肢となり得ます。これは選択肢のシンプルさに現れることが多いように思います
- 実現したいことに対してコーディングが実際に必要か、機械学習が要求されている場合に本当に機械学習が適切な解決策か検討し、不要ならば極力避けるという姿勢は、実務においても非常に重要だと思います
認定が役立つ/役立たないシナリオ
とかく資格の価値について議論され意見が分かれますが、結論ケースバイケースということになると思います。ここではGoogle Cloud認定が有益になるシナリオとそうでない場合について、私見を述べます。
役立つシナリオ
-
実務で使用していない技術・サービスを含めて網羅的に知る
- Googleのカリキュラムに沿って、Goolgeが想定する典型的なユースケースを知ることができます
- まずは知るということが大事です。知らなければ考えることもできない
- 一度見たことがある状態であれば、後で必要になったタイミングで思い出して調べ直すことが可能ですが、知らなければ素通りしてしまいます
- 実務で利用しているサービスに関する話題では、実務での使い方がGoogleが期待する形なのか省みるきっかけにもなるかと思います
-
資格の取得を推奨している企業(Google Cloudパートナー企業、SIerなど)の採用選考におけるアピール
- どの程度資格が重要視されるかは、企業やポジションによって異なりますが、資格取得が推奨されているような企業での選考では有利に働くことと思います
-
エンジニア採用選考や配属などのシーンにおける、興味と意欲のアピール
- 各試験はそれなりに勉強して理解していないと合格できないため、多くの場合で意欲は評価されることと思います。興味ある認定の合格を目指して学習することは、興味を満たすこととキャリアの方向性を望んだものに近づけることの2重のメリットがあるかと思います
-
クラウドを勉強したいが、何をやれば良いか分からない場合のネタ
- 興味がある分野についてまずは広く知ってみるために、試験が活用できるかもしれません。そして試験内に登場する話題から実装を試してみたいネタのインスピレーションが沸くかもしれません
- このような悩みを持つ人は、網羅性の高いACEかPCAの勉強をしてみるのが良いかもしれません
役立たないシナリオ
-
実務能力の向上のために、試験勉強だけをやる
- 試験勉強だけでも全く効果がないとは思わないのですが、多少触ってみるなど実践を伴った方が実務で役立つ力がつきやすいと思います
-
最新情報や試験範囲外の情報のキャッチアップ(当たり前ですが)
- 最新情報などはGoogle Cloud Blogなどをチェックしておくと良いと思います
- パブリックプレビューのサービスなどは試験範囲に含まれないことがほとんど(全て?)でしょうが、実務向けにはキャッチアップしておいた方が良いでしょう
- 試験勉強で知ったサービスの競合サービスが、実際の案件の要件に対して適切な場合も多いので常に調査して比較検討する姿勢は持つべきでしょう
-
高い技術力を要求するポジションへのアピール
- 実務経験、技術的諮問などで決まるので、資格はアピールにあまり役立たないでしょう
全冠する価値
- 広くGoogle Cloudについて知っている状態になるので、実務上設計タスクなどで取れる選択肢が増えるかもしれない
- トップエンジニア表彰(Google Cloudパートナー企業所属の)の選考基準になるらしい
- 多少希少価値はある
- 自己満足
その他感想など
- プロフェッショナルレベルの試験では、2時間の試験時間内に50~60問が出題されますが、慎重に解答しても約1時間で終わるため、時間不足になる心配はほとんど無いと思います。PDL、ACEについても同様にかなり時間にゆとりがあった印象です
- 日本語版認定試験は自然な日本語で記述されており、機械翻訳のような違和感が少ないので、日本語での受験を安心して選択しても問題ありません[6]
- 英語の表現は平易で、多くの人にとって大きなハードルにはならないと思いますが、事前に問題集で確認しておくとより安心でしょう
- 2024年2月現在、各プロフェッショナル認定に合格すると、ノベルティ(コーヒータンブラー、リュック、パーカー、トレーニングウェアなど)が提供されます[7]
- そのうち提供を停止するかもしれないので、欲しい方はお早めに
- 2年前は、各プロフェッショナル認定試験ごとに異なるノベルティアイテムと認定ロール名が入ったステッカーが提供されていたと記憶していますが、現在では全ての認定で共通のアイテムが提供されており、ステッカーは付属していないようです(ただしコーヒータンブラーには、認定ロール名無しで"Google Cloud Professional"と記載されたステッカーが付いてきました)
- 各試験に合格すると、次回の受験料が半額になるバウチャーが提供されます
- 全冠を目指す際、CDLを定価で受験し、その後は半額バウチャーを利用して残りの試験を受験する方法が、最も安価です
- プロフェッショナルは有効期限2年、その他は有効期限3年です[8]
- 他社のパブリッククラウド試験と比較すると、Google Cloud認定試験は知識の暗記よりも概念の理解に重点を置いているように感じます
- Google Cloudの製品だけでなく、OSSや一般的な開発手法などを取り入れた問題が多いのは、Google Cloud認定試験の特徴の一つかとかと思います
最後に
AIの進展と試験勉強に関して思うところ
業務で完全に信頼できるほどの精度は現状ではまだありませんが、試験問題のように明確に定義された要件を与えれば、AIはかなりの精度で適切なアーキテクチャを推薦することがあります。既にAIはGoogle Cloudの認定試験をクリアする能力を持っているかもしれないと思いますが、いずれにせよAIが試験のほぼ全ての問題に正確に答えられるようになる日は、そう遠くはないでしょう。
AIの進展がもたらす疑問の一つは、AIが試験問題に対してほとんど全問正解できる能力を獲得した場合、人間による試験勉強の意義が問われることです。試験合格を最終目標とするならば、その価値は大幅に低下するでしょう。しかし、試験を超えたステップへと進むことを目指すならば、試験勉強は重要な訓練過程としての価値を持ち続けると思います。
一つの具体的な方向性として、ビジネスとシステムの両方を深く理解し、ビジネス要件をシステム要件に適切に翻訳し、その情報をAIに伝達できる能力を磨いていくことが考えられます。システム側の全体を俯瞰してシステムとして適切で無理のない要件定義を行う能力を持つ人材は現在も非常に貴重だと思います。このような能力は、ビジネス要件を試験問題のように整理した要件として表現できる能力で測ることができるかもしれません。AIがクラウドアーキテクチャ設計を担うようになったとしても、この能力を持つ人材の需要は変わらないと考えられます。
このようなスキルを身につけるために、試験の典型的なケーススタディを通じてクラウドをクラウドらしく正しく使う勘所を養うことは訓練課程として有効な手段だと思います。
まとめ
以上、Google Cloud認定試験の概要、学習方法、役に立つシナリオなどについて個人的な考えを交えて記載しました。何かしら参考になる情報がみつかれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。
最後に宣伝ですが、弊社ではGoogle Cloudを中心に、一部AWSも使ってサービスを開発しています。エンジニア採用も行っておりますので、ご興味ある方はチェックしてみてください。
-
試験ガイドのリンクを添付しますので、公式的な説明はリンクを辿って確認してください。 ↩︎
-
便宜上略称を括弧書きしていますが、一般的な表記とは限りません。 ↩︎
-
お読みいただいている時点で新バージョンに明確に対応した学習資源が見つからない場合、できるだけ新しい教材を使い、不安があれば認定試験ガイドを確認して知識を補うのが良いでしょう。 ↩︎
-
各試験で知識領域の重なる部分が結構あったりします。例えば、PDEとPCDEでいずれもデータベースを効率的に扱うための知識が共通です。こういうことがあるので、1つの試験対策が別の試験対策にもなっていたりするのですが、PMLEとPCNEは特に他の試験と重ならない知識領域が大きい印象です。ちなみに、PWAはPCSEとちょっと重なる部分がある程度で結構独立した知識領域を必要としますが、そもそも覚えることがあまり多くないです。 ↩︎
-
ちょっとしたペインポイントなので、1つのアカウントで複数言語受験・認定管理できるようにして欲しいです。 ↩︎
-
数年前に他のベンダー資格を受験した際に、機械翻訳したであろう問題文が非常に分かりにくく、英語に切り替えて受験した記憶があります。 ↩︎
-
個人的にはコーヒータンブラーがおすすめです。 ↩︎
-
更新意欲を保つために、有効期限を3年に延長して欲しいです。 ↩︎
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