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エンジニア採用の必要性を経営とマネジメントの視点から説明してみる

2023/01/06に公開
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この記事は、以前にVPoEとして社内に向けてプレゼンした内容の一部になります。
当時はそもそも外部にも公開しようかなと思ってプレゼンを作成したのですが、作成した時間が深夜だったため、深夜のノリで、笑いを取るため変な画像を使ったり、内輪ネタが多くなってしまい、公開できない代物になってしまいました。
しかも、大変ショックなことに笑いはそんなに取れませんでした…。
あまりにも悔しいので、笑いや内輪ネタの要素を省き、真面目にまとめたのがこちらの記事になります。

課題意識

私は前職も含め約5年間に渡ってVP of Engineeringとして、エンジニア採用を推進してきました。
採用チーム立ち上げ、選考フローの整備、カジュアル面談、面接、コーディングテスト、採用媒体の運用、技術広報等々、エンジニア採用に関わるすべてのことを経験してきました。

最初からエンジニア採用について詳しかったかというと全くそんなことはなくて、エンジニア採用に関わる前の自分は、「人が増えるのは嬉しいが、私には関係ない。」「採用頑張るよりも、組織内部のことをしてくれよ。」と正直思っていました。

当時の私のような人が、エンジニア採用の必要性について理解することができれば、もう少し前向きにエンジニア採用に関わることができたかなと思ってこの記事を書きました。

エンジニア採用がなぜ必要なのか

そもそもなぜエンジニアを採用する必要があるのでしょうか?
周りの人が退職したりして、明確にエンジニアが足りないという実感がある場合はイメージしやすいと思うのですが、そうでないこともありますよね。

エンジニアが足りないから採用するってCTOやVPoEは言っているけど、エンジニアが足りないって実感できない…そういう場合の「エンジニアが足りない」の背景に何があるのか説明します。

会社の目指しているゴールと現状とのギャップが大きい

会社には、企業として目指しているゴールがあります。それは、1年の予算計画だったり、中長期の経営計画だったり、その先の会社のビジョンだったりします。

会社のゴールと現状のギャップが大きい場合、何かに投資してギャップを埋めることが必要になります。その投資の選択肢の一つがエンジニアを増やすことになります。

会社の成長の軸はエンジニア

では、どういう会社でエンジニアを増やすことが必要となるのでしょうか?
それは会社が成長するための軸をどこに置いているかによって違います。

SI企業であれば、会社が成長するには受託する案件をどんどん増やす必要があります。営業ももちろん大事ですが、たくさんの案件を受託できるだけの人員を増やさないことには案件を受けることができません。エンジニアをどんどん増やして、案件を受託できるだけの人月工数を確保していく必要があります。

自社サービスを運営してテクノロジーに力を入れている会社では、プロダクトを開発して、プロダクトをより成長させていくことが、会社の成長につながります。プロダクトの成長を実現するための人材、エンジニア・プロダクトマネージャー・デザイナーを採用していくことが重要になります。

営業が強い会社では、プロダクトを成長させることよりも、営業を強化して、より多くの顧客に売ることに重きを置いています。エンジニアは少数だったり、外注で開発をしているケースが多いです。

SI企業やテックカンパニーでは、エンジニアを増やすことが会社の成長に直結するので、エンジニア採用が重要な経営課題になります。

また最近では、元々営業ドリブンだった会社を、プロダクトドリブンなテックカンパニーにしたいという会社も非常に多いので、そういったケースでは、エンジニア採用が会社の重要な課題となってきます。

なぜエンジニア採用を必死にがんばっているのか

エンジニア採用、めちゃくちゃ頑張っている会社や苦戦している会社が多いですよね?
なぜ頑張る必要があるのでしょうか?

求人倍率が高い

こちらの記事にも書いてありますが、エンジニア(IT・通信)の求人倍率は、全職種中トップです。2位の専門職(コンサル・金融)に、エンジニア(IT・通信)が大差をつけており、全職種中で圧倒的なNo1となっています。
さらに、前年同月差でも大きく上昇しており、年々エンジニアのニーズが高まっています。

https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

競合が多い

会社にとっての競合は、同じ事業領域の会社のみなので、数えられる程度の社数しかいません。しかし、エンジニア採用の競合は、全IT企業になります…。

さらに、近年はDXが注目され、IT企業以外でもエンジニアの採用が活発になっています。エンジニア採用の競合は、全IT企業ではなく、全企業かもしれません。
最近知ったのですが、あのドミノ・ピザもDXを推進し、従業員の半数が今ではエンジニアとなっているそうです…。

https://onecapital.jp/perspectives/dominos-pizza

Vertical SaaSの会社での採用は特に難しい

エンジニア採用は、Vertical SaaSの会社が特に難しいです。ある業界・業種に特化したサービスとなるため、エンジニアへのサービスの知名度が全く無く、しかもサービスが成長していったとしても、全く知名度が上がらないからです。

LINEやメルカリ等BtoCの会社であれば、サービスが成長して利用者が増えれば増えるほど、エンジニアへの認知度は上がっていきます。サービスの利用者が、自分もこのサービスを開発したいと思って応募してくるケースもあるでしょう。

Horizontal SaaSの会社であれば、BtoCの会社ほどではないですが、サービスを利用する会社が増えるほど、その会社に所属しているエンジニアもサービスを使うので、認知度は上がっていくでしょう。

Verical SaaSの会社は、サービスを利用する会社が増えても、ある特定の業界・業種だけがユーザーになるので、エンジニアへの知名度は増えていきません。例えば、物流業界のユーザーが増えたとして、物流業界のエンジニアって一体どれだけの数いるのでしょうか…。

会社へのインパクトが大きい

1人エンジニアが採用できたときの会社へのインパクトは非常に大きいです。

今まで手がつけられていなかった技術負債の解消が進んだり、
新しい技術の導入が進んだり、
今までできなかった新しいプロダクトの開発に挑戦できたり…
その結果として、会社が大きく成長していきます。

皆さんも、この人は世の中を変えたという天才エンジニアが数名思い浮かぶかと思います。

1人の採用が、会社を、社会を大きく変えるかもしれない…そういう気持ちでエンジニア採用をしています。

終わりに

エンジニア採用の必要性が伝わって、一人でもポジティブにエンジニア採用に関わる人が増えれば幸いです。

エンジニア採用、年々難易度が増していると感じますが、頑張りましょう!

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