開発環境と本番環境のDockerfileとcompose.yaml

本番環境ではcomposeを使用せずにdockerfileのみを使用した方がいいらしい
本番環境でのDocker Composeの使用における欠点
複雑な設定
本番環境でのDocker Composeの設定は、以下の理由で複雑になることがあります。
1 .サービス依存関係の管理:
本番環境では、複数のサービス(Webアプリケーション、データベース、キャッシュ、メッセージキューなど)が相互に依存して動作します。これらの依存関係をDocker Composeファイルに正確に定義する必要があります。
例えば、サービス間のネットワーク設定や環境変数の調整、サービスの起動順序などを考慮する必要があります。2. セキュリティ設定:
本番環境ではセキュリティが重要です。各サービスのセキュリティ設定(例えば、TLS/SSLの設定、ファイアウォールルール、認証情報の管理など)をDocker Composeファイルで適切に定義する必要があります。
秘密情報(パスワードやAPIキーなど)を安全に管理するためには、Docker Secretsや環境変数を使用する必要があります。3. リソース管理:
本番環境では、サービスごとにCPUやメモリのリソース制限を設定する必要があります。これにより、特定のサービスが過剰にリソースを消費することを防ぎます。
リソース制限を適切に設定しないと、他のサービスに影響を与える可能性があります。スケーリングの問題
本番環境でのスケーリングに関して、Docker Composeには以下の制限があります。
自動スケーリングの欠如:
Docker Compose自体には自動スケーリング機能がありません。負荷の増減に応じてサービスのインスタンス数を自動的に調整するには、手動で設定を変更し、docker-compose up --scaleコマンドを実行する必要があります。
ロードバランシングの限界:
Docker Composeには組み込みのロードバランサーがないため、複数のコンテナインスタンス間でトラフィックを分散するには、別途ロードバランサー(例えば、NGINXやHAProxy)を設定する必要があります。
大規模なクラスター管理:
大規模な環境では、複数のホストにわたるコンテナの管理が必要です。Docker Composeはシングルホスト向けのツールであり、複数のホスト間でのコンテナのスケジューリングや管理にはKubernetesやSwarmなどのオーケストレーションツールが必要です。

開発環境
ディレクトリ構造
my-nextjs-app/
├── docker/
│ ├── development/
│ │ ├── Dockerfile
│ │ └── docker-compose.yml
│ └── production/
│ └── Dockerfile
├── src/
├── .env.development
├── .env.production
├── package.json
├── package-lock.json
└── README.md
Dockerfile
# Dockerfileではアプリケーションの実行環境を定義する
# Dockerfile for Development
FROM node:20.11.1
# 作業ディレクトリの設定
WORKDIR /app
# パッケージファイルをコピー
COPY package.json package-lock.json ./
# 依存関係のインストール
RUN npm install
# アプリケーションのソースコードをコピー
COPY . .
# コンテナ内でアプリケーションがリッスンするポート
# コンテナがポート 3000 を外部に公開することを指定
EXPOSE 3000
# アプリケーションのデフォルトの起動コマンド(composeで上書きされる)
CMD ["npm", "run", "dev"]
compose.yaml
# 開発環境全体を定義する
services:
app:
build:
# コンテナを起動する設定
context: ../.. # プロジェクトのルートディレクトリに移動
# 開発用のDockerfileを使用する
dockerfile: docker/development/Dockerfile
ports:
# 左側の値がhttp://localhost:XXXXの数値
# ローカルのポートが12000、コンテナのポートが3000
- "12000:3000"
volumes:
# 「現在のディレクトリ」と「コンテナ内の/app/ディレクトリ」が同期される
# コンテナはエディタとリアルタイムで同期している
# ルートディレクトリを指す
- ../../:/app
# ホストのnode_modulesをコンテナの/app/node_modulesと同期
# (git cloneした他の人がプロジェクトをダウンロードした場合に、ホストのnode_modulesとコンテナのnode_modulesが異なるため)
- node_modules:/app/node_modules
# 開発用の環境変数を読み込む
env_file:
- .env.development
environment:
#typescriptでのホットリロード設定
- WATCHPACK_POLLING=true
# コンテナ起動時に実行するコマンド
# "sh -c"ではシェルを介すが、こちらはシェルを介さないので本番環境との差異が少なくなる
# DockerfileのCMDを上書きする
command: ["npm", "run", "dev"]
# これを設定しないと、コンテナ起動中にnpm installしても反映されない。
volumes:
node_modules:

開発環境の実行
-
docker/development/
に移動
cd path/to/my-nextjs-app/docker/development
- DockerComposeで環境を立ち上げ
docker-compose up --build
- アプリケーションの動作確認
http://localhost:12000

本番環境のファイル
本番環境の実行
- ルートディレクトリで!
docker build -t <任意のイメージ名> -f docker/production/Dockerfile .