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コールセンターを外注化するか内製化するか問題

2025/01/25に公開

1. なぜこのお題目にしたのか

ズバリ僕にも明確な答えがでてないので現時点の考えを記録に残したいという思いで第一回のお題にしました。(1~2年後、改めて記事を書いて僕の心の変化の比較もできたらと!)
また、この部分はカスタマーサポートの初期段階である程度決まってしまい、あとから変えようとすると変更のパワーと、人間関係でハレーションが起きやすい部分なので、特にこれから体制を構築することを考えてるという人の参考になれば幸いです。

2. コールセンターの雇用形態の分類

用語に関しては自己流な部分があるので、いったんこの定義でお話するという意味で理解してくださるとうれしいです!

大きく分けて

  1. インハウス
  2. アウトソース

としました。

インハウスは、 社内にいる イメージです。(もしかしたらフルリモートの組織もあるかもしれません)社内の情報に1部分もしくはフルでアクセスできる状態で、基本的に指示系統も社内で完結しているという状態を示します。
インハウスの中でも正社員と請負(業務委託、派遣)に分けました。詳細は後述します。

アウトソースは、 社外のベンダーにコールセンターが立ち上がっている イメージです。「こういったサポートをお願いしたい」「サポート時間は平日09:00~17:00で対応内容はマニュアルを見てください」という内容をお渡しして、それは別の場所で対応していただいています。
指示系統としてエスカレーション先はベンダーのSVさんを想定しています。例えば月に1回定例があって対応履歴のレビューがあったり、条件変更の交渉があったり。。
専任、シェアードの詳細は後述します。

3. 「コア業務」VS「ノンコア業務」

最近参加したウェビナーで教えていただいた概念です。
どちらが適切かを判断する軸として、この考え方は非常に重要かなと感じたので、敢えてこのタイミングでお伝えしておきます。

この概念は非常に好きな概念で、ポジティブな言い方をすると、

  • 人数が少ない間はコア業務に重点を置いて正社員はコア業務を頑張ろう!
  • 標準化してノンコア業務は外注化しよう!

トゲのある言い方をすると、

  • ノンコア業務を正社員で時間をかけていいのか?
  • ノンコア業務の人物像は?

にもなってしまうのかな?

私が実際、ノンコア業務を正社員としてやっていたからこそ言いたいと思うのですが、やっぱり、ノンコア業務は正社員が進んでやるべきではないなと思います。言い換えると、この業務が中心の方に、大きな権限を持たせてしまったリ、ルール化をお願いしてしまうと、(もちろん人によることは当然ですが)特にスタートアップにおいては致命傷になってしまう可能性があると感じています。

ルール化は明確にビジネスサイドのリクワイアメントを理解している方が設計するべきだと思います。
理由としては、標準化できる業務を極めようとしてしまうと、人、金の増加がビジネス側の売上にマッチしないことがあるからです。

多くは語りませんが、いつしかサイロ化してしまい、業務がブラックボックス化し、簡単な業務なのに外部に引き渡せない、かつ、担当しかできないので、人を増やすしかない。人を増やしても業務を引き継ぐわけでもないので、人数はいるはずなのに忙しくて、結果、ノンコア業務の人が増えすぎてしまい、かつコア業務に投資ができなく、スケールできなくなるという場面に遭遇しました。

逆にビジネスサイドのリクワイアメントを理解しつつ、カスタマーサポートの内容を理解している方はノンコア業務もできるのはわかっているので、コア業務をガンガンやってもらって会社の利益に直結してもらうべきではとも思います。

そういった意味でも最初にコア業務とノンコア業務を明示してもらう方が絶対良いと改めて思います。

4. 「正社員」VS「請負」比較

話は戻しまして、冒頭の正社員と請負のメリットデメリットを表に四象限にしてみました。

正社員か請負かの大きな論点としては、マッチした人材を採れることを優先するか(できるか)、拡大縮小に備えるかみたいなところがポイントかと思います。

特にマッチした人材を採れるかが非常に重要な気がしていて、マッチという意味としては、スキルセットというよりはマインドセットが重要かと思います。ここがずれてしまうと前述のように、自分の仕事を守るような立ち回りになってしまい、スケールしたタイミングで切り離せなくなってしまう恐れがあります。

請負の方でも、カルチャーフィットしていて、「今すぐ定住してくれー」という方もいますし、結局、人の出会いのめぐりあわせではあります。

  1. 理想としては、コア業務側に設計者がいて、一緒にやっていくスペシャティな方が見つかれば正社員がベスト
  2. まずは請負でノウハウを貯めつつ、それぞれのコア人材の採用に注力する
  3. 将来的にコア業務側(オペレーション構築)をやっていただく前提で一時的に正社員でやってもらう

のが良いのかなと思っています。

5. 「専任」VS「シェアード」比較

アウトソースの専任とシェアードの比較です。こちらの方が具体的な比較になってるかもしれません

ポイントとしては、費用です。サービスレベルをあげればその分費用が上がります。サービスレベルの場合分けをして濃淡を考えれば、自社で抱えるよりメリットが出ると思いますが、全部乗せで!といくと何かが犠牲になるかと思います。

特に24/365のサポートを少しでもやらないといけない状況であるならアウトソースの選択肢になると思います。例えば、平日09:00~17:00は自社で、時間外だけシェアードに分岐できるようにIVRを組むなどもできるかなと思いますし、どの場合もまずIVRで自動応答にて分岐させたり、チャットボット誘導などいろいろな手段はあると思いますが参考までに。

どちらのパターンも社内との期待値調整には注意を払った方が良いかと考えます。
内製化の方が 「応対品質が良いことはわかっているが、コスト、人材集めの観点からこの選択になっている」 という理解がないと、導入直後に 「内製の方がよかった」 みたいな声が外野から飛んできます。
内製だと例えば「24365の体制リクワイアメント達成が難しい」、「1日にn件問い合わせを裁くのが難しいので1次対応と2次対応を切り分けた」などをお伝えしつつ、定義しているサポートレベルの再確認を行ってもいいと思います。

6. まとめ

インハウスとアウトソースの比較でいくと、立ち上げからアウトソース全振りは(依頼内容が不明確なため)難しいのかな?と思います。が、ToBeを見据えて、近い将来はアウトソースで行くんだという計画であれば、請負でノウハウを貯めていただき、移行期に徐々にアウトソース化というのが良いのかな?と個人的には思います。

中長期もインハウスで行くんだ!という方も、戦力をと整えるまでに請負という選択もあるんだということを認知していただけると幅が広がるのかなと思います。

逆に今はインハウスで正社員が多いです!という方は、外注化という選択肢もあって、する場合はこのような観点がありますという参考になれば幸いです。

最後に、サポートレベルや、サポートする対象製品、歴史などによっても変わること、そもそも人で受ける以外の選択肢があることも理解した上での超超超個人的な見解ですのでご理解いただけますと幸いです。

次は。。。

  • サービスレベルの考え方
  • コールセンターの置き換え(リアーキテクト)
  • クラウドPBXの置き換え
  • オペレーションフローチャート

を考えてます。

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