ChatGPTのCode Interpreterを活用してGoogleカレンダーからのスケジュール情報を使ったメール自動生成
注意事項
ChatGPTの処理は必ず同じ出力をするとは限らず、安定しない場合があります。
はじめに
ビジネスパーソンにとって、打ち合わせの調整は日常的ながらも時間を奪う作業です。しかしながら、最新のAI技術を活用すれば、これを半自動化できるのです。今回は、AI言語モデルChatGPTのCode Interpreterを使って、Googleカレンダーから取得したスケジュール情報を用いて打ち合わせの候補日程を提示するメールを自動生成する方法を解説します。
例として
今回は2023年6月4日週の営業日に1時間の予定を組む想定とします。
手順
手順1:Googleカレンダーのデータエクスポート
まずはGoogleカレンダーからスケジュール情報をエクスポートします。Googleカレンダーの設定から、「インポート&エクスポート」を選択し、カレンダー情報を.ics形式のファイルとしてエクスポートします。
手順2:ファイル名の変更による形式の変換
Code InterpreterではiCal形式のデータを触れるライブラリが入っていないためtxt形式へ変換する必要があります。
まずは、zipファイルをまず解凍します。
エクスポートした.icsファイルは、単なるテキストベースのファイルであり、その名前を変更することで.txtファイルとして扱うことができます。
手順3:Code Interpreterへのプロンプト入力
次に、ChatGPTのCode Interpreterに移動します。ここで.txtファイルを添付し、以下のプロンプトを入力します。
Googleカレンダーの予定から空き時間を把握して、会議の日程調整をしてください。
ステップバイステップでお願いします。
添付ファイルはGoogleカレンダーのエクスポートファイルをtxt形式に変換したものです。
カレンダーのイベントの型は以下となります。
<イベントの型>
BEGIN:VCALENDAR:ical 形式の記述の開始
VERSION:iCal 形式のバージョン
PRODID:ファイル作成者情報。
BEGIN:VEVENT:予定の詳細情報の開始
DTSTART:予定の開始日時(協定世界時 (UTC))
DTEND:予定の終了日時(協定世界時 (UTC))
SUMMARY:予定のタイトル
END:VEVENT:予定の詳細情報の終了
END:VCALENDAR:ical形式の記述の終了
<複数日を跨ぐイベントの型>
DTSTART;VALUE=DATE:予定の開始日
DTEND;VALUE=DATE:予定の終了日
複数日を跨ぐイベントの場合時間の情報は持たず、"YYYYMMDD"形式のみとなります。
日本標準時上で0:00~23:59が埋まっている予定としてください。
まずはtxtファイルの内容を把握し、スケジュールが埋まっている時間を把握してください。
ファイルは協定世界時 (UTC)での記載ですが日本標準時を使用しますので、9時間加算した時刻で計算してください。
空いている時間帯を候補予定とし、{会議時間}以上の空きがある場合は{調整可能時間の範囲}の範囲内の全ての時間を候補日程としてください。
以下の条件で第3候補日程まで提案する日程調整メールを作文してください。
会議内容:A株式会社の製品Bについての商品説明
調整日程:2023年6月5日から1週間の営業日
調整可能時間の範囲:9時~12時及び13時~18時
会議時間:1時間
候補日程出力形式
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候補日程1: 2022年2月5日 10:00 - 12:00
候補日程2: 2022年2月6日 13:00 - 18:00
候補日程3: 2022年2月7日 終日
日程のうち1時間
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手順4:ChatGPTによる打ち合わせ候補日程のメール自動生成
Code Interpreterが空き時間を見つけ出し、その情報を元に打ち合わせの候補日程を含むメール文を自動生成します。これにより、メール作成に要する時間を大幅に削減することが可能となります。
このように出力されます。
懸念事項
実は毎回同様の動作をすることはほとんどなく、一回でメール文出力まで行ける場合や複数回に途切れる場合もあります。
また、空き時間を誤って認識することも稀にあります。
想定される原因は
・iCal形式をデフォルトで認識できていない
・Googleカレンダーの出力が協定世界時 (UTC)で日本標準時への数値変換が必要
・通常の予定と終日予定で型の記載方法が異なる
これらを考慮して処理するようなプロンプトに改版はしていったのですが、
申し訳ないですが、現状完璧なプロンプトではありません。
<複数またぎでかつ誤った例>
おわりに
本記事では、完璧ではありませんがAI技術とビジネスツールを組み合わせることによる効率化の一例を紹介しました。最新のテクノロジーの進歩により、私たちのビジネス活動はさらに効率的に、スムーズに進むことでしょう。
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