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Google Fitの運動量評価が甘いんじゃないか説

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Androidの歩数計機能を使うためにGoogle FitをPixel5aに入れてるけど、ちょっとしか歩いてないのに運動量目標を常に達成しているのが気になった。

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通常の運動、強めの運動

運動量目標は通常の運動と強めの運動の2種類に分けて集計するのが普通の実装になっている。例えばGoogle Fitの場合( https://support.google.com/fit/answer/7619539?hl=ja )は:

1 分以上の運動(毎分 30 歩のペース) = 通常の運動 1 分
1 分間の早歩き(毎分 100 歩以上) = ハートポイント(強めの運動)1 ポイント

のように、強めの運動は "ハートポイント" を獲得できるようになっている。

山佐(YAMASA)のアクティブ万歩( http://www.yamasa-tokei.co.jp/seihin/kasokudo/th_300.html )では:

多くの病気を予防できるのは、1日当たりの平均歩数が8,000歩で、その中に速歩き(中強度の活動)を20分以上行うことが効果的だと導き出しました。

のように、通常の運動と負荷の掛かる運動の2つをミックスして行うことを前提に機器をデザインしている。

WHO と 国立健康・栄養研究所の基準

↑の 山佐の万歩計はウォーキングに注目して一日8,000歩、うち速歩(基準は年齢等から算出される)時間が20分以上 という基準を設定している。政府の機関はもっとジェネリックな基準を設定していて、 https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/undo.html にあるWHOガイドライン( https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/pdf/WHO_undo_guideline2020.pdf )の場合:

成人の場合、有酸素性の身体活動を少なくとも週に150~300分、または高強度の有酸素性の身体活動を少なくとも75~100分を行うか、または週全体で中強度の活動と高強度の活動の組み合わせによる同等の量を行うと、実質的な健康上の利益が得られる。

なお、成人は、主要筋肉群すべてが関係する中強度以上の筋力向上活動も週に2日以上行うこと。

としていて、健康づくりのための身体活動基準2013( https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/pdf/sintai2013.pdf )では、もっと具体的に

(身体活動量) 強度が 3 メッツ以上の身体活動を 23 メッツ・時/週行う。具体的には、歩行又
はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日 60 分行う。
(運動量) 強度が 3 メッツ以上の運動を 4 メッツ・時/週行う。具体的には、息が弾み汗
をかく程度の運動を毎週 60 分行う。

(前者が 毎日 、 後者が 毎週 なのに注意) のような基準を設定している。会社の健康診断の問診票で書かされる奴になる。

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METs 値による比較

運動の強さはMETs(metabolic equivalent、代謝当量)で現わされる。これは安静時負荷を1 METとして酸素消費量の比で増加するような値で、国立健康・栄養研究所は"身体活動のMETs表" https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf をまとめている。

↑の山佐アクティブ万歩では、デフォルトで4METsを速歩に分類している。これはMETs表では 4.3METs = 時速 5.6km/h となっているのを若干下回る強度ということになる。

で、Google Fitの基準 100歩/分 は1歩70cmとすると分速70m = 時速4.2km。これはMETs表では3METsを若干上回る強度でしかなく、山佐の基準よりもかなり低い値になる。よってGoogle Fitの基準は、より歩幅が大きい人、つまり、身長が高い人を基準にしているか、そもそもの目標値が低い可能性がある。

Google FitのハートポイントはMETsを基準に設定されているわけではないようで、単に心拍数を上げる程度の負荷を負荷量に応じて1〜2ポイントを1分毎に付与している。