「モバイル・エコシステムに関する競争評価」最終報告のメモ

結構流行っている。

ブラウザエンジン自由化は目的を達成できない
これは正に従来の規制法のフレームワークが適用できない難しさで、GoogleはモバイルOSベンダのもう1勢力であるので ブラウザエンジンの自由化は単にモバイルOSの寡占化を進めるだけになる 。(= 今のAndroid上のBlinkができていることがiOSで実現できるなら、GoogleはiOS上にPlay Storeを作るだろう。)
この点を防ごうとすると、JITCのできないブラウザとかDRMを持たないブラウザができてしまう。
そもそもWebブラウザが複数存在する面倒さというのがWebがオープンであるために必要な要素の1つと言える。

アプリとOSを分離するアイデアが現代に馴染まない
最終報告は、基本的にプラットフォーム(OS)とアプリが分離可能であることに強い前提が置かれている。これは現代的なプラットフォームの構成に馴染まないアイデアと言える。Androidは機能のモジュラリティが高いため一見分離可能に見えるが、Play Servicesの多くはプラットフォームや通信キャリアとのインテグレーションがあって初めて成立するものになっている。
単純に機能の入口で規制するのではなく、"位置情報サービス(マップ)" であるとか "メール" や "メッセージング" のように大きな機能単位ごとに丁寧に規制を考えていくべきだろう。

"iOSを使わない権利" がなぜ阻害されているのか から逆算する
そもそも、 WebKitが厭ならiOSを使わなければ良い というのが現状のiOSのデザインと言える。WebKitの部分を入れ替え可能にすることで問題解決とするのは片手落ちではないだろうか。
最終報告は、この点はユーザーのポータビリティと考えていて、例えば、Sign-in with Apple強制の禁止といった点を挙げている。
... 実際には、iOS端末の値引き販売のようなもっと別のところにある反競争的な問題の比重の方が大きかったりしないだろうか。

例えばRemote TestKitのようなサービスなら先行提供やむなしか
これは代替が無いケースと言えるかもしれない。
Google自体もTest Labとして同様のソリューションを提供している。

児童保護の考え方
プラットフォームに求めないことをバーターにするというアイデアもあるかもしれない。しかし、現実にはバランスを取る必要がありファミリーアカウントでは外部ストア導入禁止というのも選択肢だろう。

WebKitのbehindの具体例
具体例として意味があるのは(bugfix除くと、)
くらいだろうか。。なんでbuilt-inのextendをCustomElementsでやろうと思ったのかは謎だけど、まぁ仕様なんだし実装しても良いじゃんとは思う。

Attestationは代替が無い
どうやっても実現方法が無い気がするな。。
Web browser向けの仕様まで出てきた。。ちょっとおかしいんでないの。。
この領域にはPrivate Access Tokenもある。
これのChrome対応物はPrivacy State Tokenで
Private Access Tokenとの比較もある。