無料公衆Wi-Fiの現状を見てみる会
昔からキャリアは自社無線回線からのオフロードにコストを掛けていた。うちではかなり長いことBB割(ADSLとPHSを同時契約していると割引きになる)のお世話になっていたし。
Docomoは自社のアカウントの販促のために普及を狙っているんだろう。従来このようなキャリア提供の公衆Wi-Fiサービスは自社回線の契約者に絞ることが多かった。
廃止傾向
コンビニ
セブンイレブンの7spotは既に廃止されている。
ファミリーマートは自前のWi-Fiを止め、ドコモのd Wi-Fiに一本化する。d Wi-Fiはドコモのポイントクラブ会員であれば使用できるが、ちょっとセットアップの難易度が高く直接的な後継サービスではない。
公共交通機関
公共交通機関の車内Wi-Fiは廃止傾向になっている。オリンピック契機で整備されたが契約更新せずというのが理由に挙がっている。
回線契約を更新しない理由について東京都交通局は「Wi-Fiを導入した2013年ごろは、3G回線などが主要でWi-Fiの需要が多かった。しかし、4Gや5Gなど通信技術の進歩による需要減や、利用の多かった外国人観光客の減少、街中を移動することによる電波干渉の影響など、総合的な理由で更新しないことを決めた」と話した。
外国人専用
訪日外国人に特化したマーケティングデータ
ワイヤアンドワイヤレスの提供するTRAVEL JAPAN Wi-Fiはアプリインストールにより無料で使えることをウリにしている。が、日本人だとダメという制約になっている。まぎらわしいがURLの割に 政府(観光庁)のJapan Free Wi-Fi施策とは関係がない 。
提供元はKDDIとなっていて、auのサイトでも有料Wi-Fiとして推奨されている。
株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)はKDDIグループにおいて「公衆Wi-Fi専門事業者」に位置付けられる通信事業者です。
同様のものを他のキャリアも提供している。 NTTのはどうやっているのか謎だが通常のキャプティブポータルなのに日本語ユーザを弾いている。...単にブラウザ言語を見てるだけなんだろうか。。 (FIXME: 要再検証)
各キャリアの無料公衆Wi-Fi
楽天を除いた各キャリアは、(主に)自社の端末契約者向けに無料公衆Wi-Fiを提供している。
キャリアの公衆無線LANは無線区間の暗号化に対応しているのが特徴と言える。つまり通常の無料Wi-Fiで見られるようなキャプティブポータルを採用せず、802.1x認証によるEAPを採用している。
Docomo(d Wi-Fi)
- https://www.docomo.ne.jp/service/d_wifi/
-
0001docomo
:SIM認証その他IEEE802.1X、0000docomo
WPA+キャプティブポータル(dアカウントに紐付のID/パスワード)
先の記事で絶賛されているd Wi-Fiはdアカウントさえ持っていれば無料で利用できる。つまり Docomoの回線契約は不要となっている (ただしdアカウントの取得およびログインにSMS認証が必要)。元々Docomoはd払いとかdアニメのようにサービスを回線からunbundleする傾向があるのでその流れと言える。
パスワードをエンドユーザに入れさせるということは、そこから(エンドユーザの失敗で)漏洩する危険があるわけで、auやソフトバンクのSIM側の秘密情報を使わせる方式からはセキュリティ的にはトレードオフ(なりすましリスク)が有ると言える。それでも利便性を取ったと言えるだろう。
au(au Wi-Fi / au Wi-Fi SPOT)
- https://www.au.com/mobile/service/wifi/
- au PAY会員向け
- https://www.au.com/mobile/service/wifi/wifi-spot/
- SIM認証のみ? (詳細不明、EAP-AKA)
auの公衆無線LANサービスはau Wi-Fi SPOTに纏められている。au回線が無いか、無料提供対象外の端末を使用している場合は有料サービスとして加入することもできるがワイヤ・アンド・ワイヤレスのサービスに加入することになる。というわけで、これは逆で "au加入者(または外国人)ならワイヤ・アンド・ワイヤレスの無線LANサービスを無料で使用できる(ただしVPNを除く)" というのが正確なところだろう。
...ちょっとセキュリティ対応状況がまちまちなので何とも言えないが、少くともEAP-AKAには対応している。
ソフトバンク(ソフトバンクWi-Fiスポット)
- https://www.softbank.jp/mobile/network/wifispot/
- SIM認証のみ (EAP-SIM)
SIM認証を採用しているが、ワイモバイルや一部MVNOのSIMでも使える。
過去にはID/パスワード認証を採用していた"BBモバイルポイント"があったが、これは今年サービス終了の予定となっている。
キャプティブポータル付の暗号化なしWi-Fi
キャプティブポータル、つまりブラウザからログインさせることで使用できるようになる無料Wi-Fiが割と存在する。
NTTBPのJapan Wi-Fi Autoconnect https://www.ntt-bp.net/jw-auto/ja/list/index.html に掲載されている無料Wi-Fiの殆どがこの方式で、専用アプリなしでもブラウザ経由でe-mailアドレスを提供することで接続できる。e-mailアドレスの提供にはe-mailを直接使用する他、各種SNSによるログインでも行える。
Japan Wi-Fi AutoconnectはNTT(BP)の提供だが、 Fujisan_Free_Wi-Fi
のようにKDDI系列であるワイヤ・アンド・ワイヤレス提供のものであっても掲載している。
FREESPOT
バッファローが無線LANの販促のために黎明期から配布していたもの。
現在は専用のAPを販売している。
FREESPOTに限らず無料の公衆Wi-Fiであっても回線やメンテナンスフィー等はどこかが負担していることになる。自治体であれば情報開示請求すれば金額がわかる。。?
Wiffy
有料のサブスクリプションサービス。
総務省は公衆無線LANについてWPA2以降を推奨している
... が、これだと現状の無料Wi-FiのUXをSIM認証以外では実現できない(手でパスワードを入力するかアプリ必須になる)。