バランワンダーワールドのオーディオを聴いた印象のメモ
... 体験版に切り出すのは1面じゃない方が良かったんじゃないかな。。みたいな話はZennに書いてもしょうがないのでオーディオに関して。
ひとまずSwitchとPSの体験版を何度か通して確認している。時間の関係上XboxとPCはチェックしていない。
SwitchとPSのオーディオ仕様差
Switch、PS4/5で見た目はかなり差があるがオーディオは特に違いがないようだ。サンプリングレート等も特に違いは感じなかった。ストレージサイズなどの差があるので差がある可能性はあるが未検証。
PSは環境が許せば7.1chオーディオが出力される。Switchはシステム上5.1chまでの対応となる。
アンビエントオーディオが真後ろに配置されている
サラウンド実装で気になったのは、アンビエント(環境音)が真後ろに配置されている点で、これは一切パンすることが無い。スクリーンショットのch7、8がサラウンドバックチャンネルに相当し、これには一切のBGMがミックスされない。(Switchを含めた5.1環境でもサラウンドchが使用される)
作中ほぼ全てのBGMはステレオ2ch制作でフロントから再生され、他のサラウンドチャンネルは指向性サウンド(オブジェクトの発する音)に使用される。
もっとも、前2ch + 後2ch の分割自体はそれほど珍しい実装でもなく、例えばニーア:オートマタが同様の実装をしている:
その後は、作られたリバーブ音をリスナーからみた 4ch に戻し、メインの Output にミックスしています。
リバーブが(殆ど)ない
オーディオによるCPU/DSP負荷を嫌ったのか、ゲーム中のリアルタイムオーディオには殆どリバーブエフェクトが観察されない。体験版のプレイフィールドの大半は屋外で屋内シーンが殆ど無いが、屋内シーンでも特に反響の類は表現されていない。
音響による空間表現をオミットした理由としてはコスト面や非現実世界を描く上での演出面の都合(情報量の割り振り)等が考えられるが、BGMやムービー音響の気合に比べて浮いている印象がある。
場面によって音響に一貫性がない
ちょっと問題だと思うのが、ムービーシーン / アクションシーン / ミュージカルシーン(幕のクリア時の演出、クリアミュージカル)で音響に一貫性が無い点。チャンネル構成だけ見ても:
シーン | チャンネル構成 |
---|---|
ムービーシーン | 5.1ch、センターにセリフ |
アクションシーン | 7.1ch |
ミュージカルシーン | 2chステレオ |
悪く言えば素材の垂れ流しになってしまっており、演出の唐突感にかなり寄与してしまっているように思う。
割とシナリオ構造上の問題なので何とも言えないが、音響の仕様を揃えてシーンを繋ぐことで、一体感を演出できるのではないだろうか。
UI/UX
体験版をプレイした感想としてはわりと他所と感想も変わらないので。
- Switch版の最適化が課題になるだろう...
- アートワーク / BGMは素晴しい
- UE4の都合で影の更新が遅いのはちょっと気になる
- 3つの選択にめくりUIを採用すべきではない 。L1 / R1 で直接選択の方が直感的に思える。たぶん衣装が2つしか無い場合にボタンがNO-OPになることを避けるのと、若年層向けにボタン連射でサイクリックに選択できるようにした方が良いという判断と予想。
- キャンセルボタンが存在しない 。他のゲームと大きく異なるUIを採用すべきでない。
重大な問題は、世界観に対する文字による説明が少すぎて舞台設定の理解が難しすぎる点だろう。同じような心象世界を描いたSEGAの"ナップルテール"では、アクションステージにいくつか観光名所的なタイトルを付け、心象世界の奥に行くことにある程度の意味合いを持たせていた。バラン〜 の舞台には一切説明がなく、かつ、心境の変化を説明する構造もしていないように見える。