item: アイドルランドプリパラ
これはマジでやばい。まともに遊べるようになったら再度って感じで。。
迫真のDevelopment build。内容としてはUnity製の普通のソーシャルゲームだが。。
初報 https://www.4gamer.net/games/542/G054214/20201204057/ では 2021年春だったものから2年ほど延期してこの状況なのがかなり不味い。
街中では記念イベントのアドトラック等も走ったが、その記念イベントもストリーミングサービスプロバイダの事故で一時中断するなど、近年稀にみる惨事になっている。
バックアップ非対応
e-mailや電話番号のようなidentityに紐づいたアカウントシステムを持っていないため、課金アイテムをredeemした後にセーブデータを失うと再起不能になる。
もっとも、App Store、Google Play 両方ともこのような実装は合法のようだ。つまり、一度入手した有償仮想通貨(このタイトルでは 金アイ$
と呼ばれる)を消費しないまま喪失しても補填する必要はない。ただ、月額サブスクリプションを販売しているゲームでそのような実装は割と珍しい気がする。
重い(ネットワーク)
リリースから数日経過しているが、依然ゲームを起動できるかどうかは運任せになっている。
切断時の挙動が不思議な感じになっているが、このタイトルはなんと クライアント側の状態遷移をサーバー側でやる というとんでもねぇ実装になっており、多くの画面切り替えでステートをサーバー側に保存している。このため、プロミス(ユーザーが設定可能なイベント)の進行途中でサーバーが応答しなかった場合の結果は予測不能となる。
例えば、チュートリアルの途中でタイトルを終了すると、ちゃんとチュートリアルの途中から復帰する。このため、これが一概に悪い実装とも言い切れないがアバターのカスタマイズやゲーム内シアターのような回遊要素が多いタイトルでコレをやるのはDB代が嵩むだけだろう。
通常のプロミスの場合、最後の "せつぞくちゅう..." 以前にタイトルが終了した場合は最初から実行できるようになっている。
... 開発に2年余計に掛かるとしたらこういう部分の作り直しなんじゃないかと思うけど、これがそのままということは何かもっと根本的な問題が途中で出たんだろうか。。ゲーム要素が丸ごとボツになったとか。。
重い(描画)
一応描画はアダプティブになっていて、内部的に2〜3段階の描画品質を選んでいるようだ。たぶん最も品質の高いiPadではキャラクタがアンチエイリアスされる。UI要素はアンチエイリアスされない。
... 元々が筐体ゲームだったとはいえ、元のゲームが2014年のnVIDIAで実行されていたことを考えるとそのままスマホに持ってきても大きな問題は無いように思える。ただ、このホームUIではランダムなアバターを数人同時に表示するため、構造上VRAM負荷が高い。ミッドレンジのAndroid端末を良くサポートするには、動的にロードするリソースを減らす とか、背景のテクスチャを減らすといった工夫は必要だったかもしれない。
そもそもどんなゲームか分からない
リリースしたのに公式サイトにどんなゲームか載ってないんだもの!!!
確かに。。
アバター(マイキャラ)を作成し、プリパラ内での活動(ライブおよびパシャリング -- 撮影)を通してプラットフォーム内外で交流するゲーム。アーケード版と異なりマイキャラを作らずに遊ぶことはできない。
プロミス
現状のアイドルランドプリパラのアクティビティは3人1セットで構成される。プレイヤー以外の2人を調達する方法として "プロミス" が使われる。
アーケード版ではトモチケ(プレイ毎に排出される半券で物理的に他のプレイヤーに手渡すことができる)によってプレイヤー自身がフレンドを召喚する仕組みになっていたが、アイドルランドプリパラでは "プロミス" と呼ぶイベントに置き換えられている。
従来のプレイは "プロミス"の主催という形になる。プロミスの主催は有料だがログインボーナスの形でプロミスチケットが定期的に配付される。
また、無料で他人が主催した(または、公式が常に用意している枠の) "プロミス" に参加できる。デフォルトでは、"プロミス" の主催側は基本的に参加者を選べないので面白衣装を着た奴が自分のライブに乱入してくることになる。(絵面はとても面白いが) もっとも、 "プロミス" の主催時にドレスコードとして特定の衣装を設定したり、フレンドのみが参加できる "プロミス" を設定できる。
ガチャ
(運営元はタカラトミーアーツなので心おきなく ガチャ の用語を使える)
何に2年掛かったのか
う〜ん。。少くともリリースされたアプリのスタッフクレジットを見ても外注とは言え相当な人数を使っている。ただ、これについて親会社のタカラトミーは見たところ損失を積んでいないので、ライセンスアウトするといった特殊な開発体制を敷いたのかもしれない。
間違ったところにコストを掛けた説
例えば、ゲームの各衣装にコメントが付いている。プロのライターを入れてくれ〜 ってのは別にしても、これにはそれなりの工数が掛かるはずで、サービスインまでに相当なコストを掛けているのではないだろうか。
これは元々のプリパラには無かったもので、どちらかというとこのアプリは当時プリパラをプレイしていた人々をメインターゲットに据えていると考えられるわけだから、 "プリパラ 神N弾" のような出典を入れるくらいに留めた方が良かったのではないだろうか。。
何らかの理由で適時リリースすることのプライオリティが著しく低く設定され、間違ったところにコストを掛けられ続けた ...というのが個人的にはもっとも有り得そうなシナリオに思える。
存在しないものにコストを掛けた説
少くとも現状のアプリを触った感じでは、現代的なアバターコミュニケーション型アプリ(リヴリーアイランドとか)を研究して作ったものでは無いとみられるので、プラットフォーム上絶対に実現できないものを何かコストを掛けて開発してしまったのではないだろうか。例えば自由なアバターチャットとか、自由移動可能なホームとか、リアルタイム配信型のシアターとか。。
要は、現状の "プロミス" の遊びが急造されたもので、本来は何か別に存在したように思える。
もっとも2021年1月公開のスクリーンショットで既に現在の "プロミス" 施設は存在しており、最初からこの形の遊びを想定していたと考える方が自然といえる。
↑のスクリーンショットでは "Talk" といった行動が直接設定されており、ギフトや "いいね" も含めて、もっとリアルタイムなやりとりを想定していたのかもしれない。実際にリリースされたタイトルでは、 "いいね" のためのハートマークが追加され、キャラクターをタップするとフレンド管理メニューに入るようになっている。
一応このタイトルは課金要素があるとは言え3才以上対象であり、広告等を入れることができない。結構児童保護のためのレギュレーションは厄介なものが多いので、経験の無いデベロッパがそれらを見落して結果的に無駄な投資をしてしまう可能性は大いに有ると思う。
開発体制を途中で変更した説
↑ のスクリーンショットでは多くのアイドルが同時に表示されている。実際のゲームではこれを行わずに1画面に入る(ランダムな)アイドルは2名程度に絞られている。この仕様変更自体は携帯電話の能力を考えると妥当なものだが、逆に言えばそれが可能な時期があったということは 2021年の段階ではPC上で企画を検討していた 可能性があるのではないだろうか。
筐体ゲームの開発元のシンソフィアはSwitch版のプリパラや近年のアーケードタイトルをUnityで開発しており、シンソフィア側でこれらの検討をしていたとしても不思議ではない。なので、シンソフィア←→タカラトミーで企画を詰めてプロトタイプしたあと、残りの実装とオンライン周りを外注に出したという流れで開発を行い、外注のコントロールに失敗したことで延期を繰り返したのでは。。?
レンダリング
伝統的に、半透明と瞼部分のレンダリング順は正しく解決されない。
これはSwitch版でも同様だった気がする。
透明ポリゴンのエッジに黒い線が表われることがある。
これは新しい問題で、アセットコンバート時に何かあったんではないだろうか。アーケードでも一部楽曲がモノラルだったりする等、アセットの移動に係るトラブルは以前から発生している。
起動しなくなった
手元のiPadでは起動しなくなってしまった。。(追加DLに遷移しない)
tcpdumpして見る限りは
06:09:27.766060 IP 192.168.8.32.64629 > aterm.me.domain: 23108+ Type65? asset.idolland.jp. (35)
06:09:27.766392 IP 192.168.8.32.62764 > aterm.me.domain: 30476+ A? asset.idolland.jp. (35)
06:09:27.797958 IP aterm.me.domain > 192.168.8.32.64629: 23108 0/0/0 (35)
06:09:27.808945 IP aterm.me.domain > 192.168.8.32.62764: 30476 4/0/0 A 143.204.86.11, A 143.204.86.3, A 143.204.86.2, A 143.204.86.67 (99)
06:09:27.826109 IP 192.168.8.32.63522 > server-143-204-86-11.nrt12.r.cloudfront.net.https: Flags [SEW], seq 865892670, win 65535, options [mss 1240,nop,wscale 5,nop,nop,TS val 3566314611 ecr 0,sackOK,eol], length 0
ちゃんと普通にDNS引いてHTTPSしているのでUnity側から直接httpしているぶんには正常にアクセスできていると見られる。 ...ということはロジック側か。。
iPod touchでは正常に動作したので、画面サイズとかメモリで何か秘孔を突くものがあったのかもしれない。