Webブラウザがxxxxを実装する気があるのか表
Webブラウザ各陣営は様々なWeb規格について実装する気があるのかどうかを表わした表をメンテナンスしている。 ...この辺の事情は ↓ にも詳しいが言わずと知れたcaniuseでも個々のリンクは手動でやっているらしく、まずw3cはココを統一しろよという気がしないでもない。
Chrome(Chromium) = Blink
Webプラットフォームの怪しい仕様は大半がChromeのために提案、実装されているのである種のマスターリストと言える。
- https://www.chromestatus.com/features 表
- https://chromestatus.com/features_v2.json 表の.json形式(サイトが提供するWebAPI)
-
https://bit.ly/blinkintents ( https://docs.google.com/spreadsheets/d/1pvXEMD5pRioognaqEzglS-4ZBSQ_YmzL8Fiz7yt4Bb4/edit#gid=0 ) ニュースグループの議論が自動的にまとまるSheet
- https://github.com/chromium/blink-intent-tracker ... のGoogle Apps スクリプト
サイトはFlask + Djangoの普通のPythonサイトだが、SafariやFirefoxと違って(たぶん)リポジトリ側にはこれらのポジションはコミットされていない。
まぁChromeに実装されていないWeb標準なんて存在しないのと同じなので、逆に言えばこれにリストされているかどうかはあまり気にする必要が無い(caniuseの情報で十分)。
Mozilla Firefox = Gecko
- https://mozilla.github.io/standards-positions/ 表
- https://github.com/mozilla/standards-positions/blob/main/activities.json 表の.json形式(リポジトリ上のファイル)
FirefoxのリストはGitHubのリポジトリ上で管理され、このリポジトリに対するissueでリクエスト等も出せるようになっている。
このリストが特徴的なのは、APIを harmful
に分類しているエントリがあることで、このようなopinionatedな特徴はChromeやWebKitには無い独特なものと言える。プロジェクトとしての立場を文書で全て説明しているのは非常に素晴しい。
Safari = WebKit
- https://webkit.org/status/ 表
- https://github.com/WebKit/WebKit/blob/main/Source/WebCore/features.json 表の.json形式(リポジトリ上のファイル、WebCore部分)
- https://github.com/WebKit/WebKit/blob/main/Source/JavaScriptCore/features.json 表の.json形式(リポジトリ上のファイル、JavaScriptCore部分)
The Next IEの呼び声が高いSafariも、一応実装意図は表形式で説明している。
実装する気の無いAPIは単に Not Considering
と表記するだけで、例えば https://webkit.org/tracking-prevention/ のような意図を解説したページへのリンクは無い。また、Web Serialのように表にエントリすら無いものも多い。まぁ普通要らないもんね。
Appleは一瞬 SafariによるWebアプリの存在をEpicへの言い訳に使ったことがある が、現実問題としてはSafari上のWebアプリは匿名性の壁(fingerprintingに寄与するAPIを実装できない)が存在するので完全な代替物になれないのは明かだろう。もっとも、そもそもそれ以前にSafariの実装項目はChromeに比べてビハインドが大きく、Webアプリについての主張も多分誰も納得していない: