Apple.comで購入したiPhoneを手動でJamf Proに登録し、TestFlightを利用するまでにやったこと
こんにちは、株式会社オークンでCTOをしているs-hayaです。
弊社ではApple製品を購入する際、AppleのCustom Online Storeまたはリセラーを利用しています。今回は諸事情がありそのどちらも利用せず、Apple.comからiPhoneを購入を行いました。
購入したiPhoneでTestFlightを利用できるようになるまで様々な壁にぶつかったので、その顛末を備忘録として残しておきます。
やろうとしたこと
iOSアプリ開発を行っているプロジェクトで、急遽1日後にiPhone実機を使用したお客様レビューが必要となりました。実機上での検証環境を用意するにあたり、以下の流れで作業を行う計画を立てました。
- Apple.comで調達したiPhoneを、Jamf Proを利用して管理下に置く。
- Apple Business ManagerでManaged Apple Accountを作成し、当該デバイスでサインイン。
- TestFlightを利用するため、Managed Apple Accountをテスト環境に活用。
- 内部テスターとしてTestFlightの招待を受け、テスト用ビルド版アプリをデバイスにインストール。
実際の作業ではさまざまな課題が発生しましたが、最終的に実機上に検証環境を用意することができました。その流れを以下にまとめます。
作業の流れ
1. Apple.comでiPhoneを購入
今回、iPhoneを1日で調達する必要があったため、即納が難しいリセラーが選択肢から外れました。
また、社内にあった古いiPhoneを1台下取りに出すことで費用を抑えることも考慮し、Apple.comでの購入に至りました。
通常、Apple Business Manager対応のリセラーを利用すれば自動登録が可能ですが、Apple.comで購入したため、Jamf Proへの手動登録が必要でした。
2. Apple Business ManagerでManaged Apple Accountを作成
Apple Business Managerにログインし、Managed Apple Accountを作成しました。
このアカウントは会社のデバイス管理用として利用し、以下のように設定しました。
- アカウント名:verification-device- + 連番 + ドメイン(例:verification-device- 123@company.com)
- 役割:職員
これにより、会社管理下でのセキュアなアカウント運用が可能になりました。
3. 購入したiPhoneをJamf Pro管理下に登録
Apple公式ドキュメントを参考に進めていましたが、Jamf Proへの登録はスムーズにいかず、デバイスのリセットや再登録を繰り返す必要がありました。特に「Apple Configurator」を利用しての登録では、設定のタイミングが重要でしたが、下記の参考資料が非常に役立ちました。
4. VPPでTestFlightアプリを配信
Apple Business ManagerのVolume Purchase Program(VPP)を利用してTestFlightアプリを購入(無料)し、Jamf Proからデバイスに配信しました。
これにより、ユーザーは自動的にTestFlightアプリをインストールできる状態になりました。
5. Managed Apple Accountでサインインを試みる
作成したManaged Apple Accountを使用してデバイスでサインインを実施しました。しかし、次の問題に直面:
-
TestFlightの内部テスター・外部テスターとしてManaged Apple Accountが利用できない
Apple公式ドキュメントによると、TestFlightではManaged Apple Accountの利用がサポートされていませんでした。
6. 通常のApple Accountを作成し再挑戦
Managed Apple Accountが利用できないため、通常のApple Accountを新規作成しました。このApple Accountを以下のように設定:
- アカウント名:プロジェクト固有のメールアドレス(例:pj-abcd@company.com)
- 使用用途:プロジェクト内での検証専用
7. 作成したApple Accountを内部テスターとして招待
App Store Connectで新規作成したApple Accountを内部テスターとして招待しました。この手順により、TestFlightアプリ経由でテスト用アプリが利用可能になりました。
8. TestFlightからアプリをインストール
最終的にTestFlightアプリを使用して、配信されたテスト用ビルド版アプリをインストール。これにより、iOSアプリ開発の実機検証作業がスムーズに進められるようになりました。
まとめ
実際にやったこと
最初に計画した通りにはいきませんでしたが、以下の流れで目的を達成しました。
- Apple.comで調達したiPhoneを、Jamf Proを利用して管理下に置く。
-
Apple Business ManagerでManaged Apple Accountを作成し通常のApple Accountを作成し、当該デバイスでサインイン。 - TestFlightを利用するため、
Managed Apple Account作成した通常のApple Accountをテスト環境に活用。 - 内部テスターとしてTestFlightの招待を受け、テスト用ビルド版アプリをデバイスにインストール。
今回の作業を通じて得た知見
紆余曲折ありましたが、以下を知見として得ることができました。
- Apple.comで購入したiPhoneをJamf Proに登録する際は、登録手順をしっかり確認することが重要。
- TestFlightではManaged Apple Accountが利用できないため、通常のApple Accountを準備する必要がある。
- 手動でのJamf Pro登録やTestFlight設定は手間がかかるが、参考資料を活用することでスムーズに進行可能。
今後もApple.comでデバイスを購入することがあれば(できればなくしたいですが)、上記を頭に入れて効率的なデバイス管理を実現していきたいです。
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