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構成要素を減らし、枯れた技術の水平思考を適用させるために・・

2022/03/26に公開

仕様の実現は可能、しかし・・

工場や倉庫のような場所での作業用の現場向けアプリケーション開発では、採用するデバイス(アプリが動作するデバイス、という意味です)も重要になってきます。
デバイスの長期間の安定供給(メーカーでの生産中止にならないこと)、そのネットワーク事情に合わせたセキュリティの考慮、設置場所、設置条件などなど。
そんな各条件の厳しい状況下で、「タッチパネル操作」を実現しようとする場合、選択される端末としては「Windowsタブレット」があります。
理由としては
 ・企業のネットワーク管理部門が利用するセキュリティソフトが対応できない(Android端末などがここでNGになることが多い)
 ・バーコードスキャナなど、有線USB接続が必要な状況が発生する(iOS端末がここでNGになる)
・他のデバイスとの連携がしやすい(計測機器などが標準でつながる前提)

これらの条件をクリアできるもの、
つまり、Windowsタブレット は、そういった極地使用には適したケースが多いのです。

Windowsタブレットの現状

しかしながら、タッチパネルタブレットPCは、日本国内においては iPad や Androidが主流となってしまい、WindowsタブレットPCの市場に、あまり活況は感じません。

ギガスクール構想などの端末のラインナップも見て、Windowsの端末での小さな子供が利用することを前提としたタブレットPCがもう少し市場に活発に現れるとかと思いましたが、実際、子供の授業参観に行っても、利用されているのはiPadですし、息子も小学校からiPad持って帰ってきます。むしろ、WindowsPCは自由度が高すぎるため、制約をつけにくいのかもしれません。

売れなければ、メーカーも力を入れることをやめていきます。売れ筋商品に経営資源を集中するのは当然だと思います。カーナビが「超高額モデル」か「エントリーモデル」しかなくなってしまい、「そこそこモデル」がラインナップされなくなってしまったように・・(個人的には、そこそこが好きなんですが・・)

また、端末を大量に採用・購入する場合は、価格を抑える必要があります。エントリーモデルだと、性能があまりにも低すぎて、たとえばアプリケーション動作にメモリが不足するとか、いろいろなトラブルにつながることも珍しくありません。

構成要素を減らすことの難しさ

アプリケーション作成においても、自動車の構成部品においても、構成要素が減ればメンテナンスしやすくなります(若干、乱暴な言い方ですが・・)。また、状況によっては不具合発生確率を減らすことができます。

たとえば、有線LAN接続しか利用できない状況下に、タッチパネル機能付きタブレットPCを導入するケースを考えてみます。
以前は、有線LAN接続ポートは、各デバイスに標準で搭載されていましたが、無線LAN接続が当たり前の今、有線LAN接続ポートはタブレットPCには存在しなくなってしまいました(オプション搭載されている場合もありますが、高額商品に限定されます。)
その場合は、エレコムやサンワサプライといった、PCサプライメーカーから発売されているUSB有線LANアダプターを購入し、PCに接続する必要がでてきます。
この時点で、「構成要素が増える」という形になってしまいます・・・。

構成要素が増えると、障害が発生した場合の対応として、「構成要素部品が故障した場合」を想定する必要があります。現場ではさまざまなことが発生します。たとえば、物理的にケーブルが外れれれば、動作NG。人がPCと接触し、USB接続ケーブルと接触すれば、破損してしまうことも。バスパワー駆動で動作するUSB装置が、PCの個体差によって正常に動作しない、ということもあります。
部品を追加することでのメリット(拡張性が上がる)という点もありますが、長期間稼働するアプリケーション利用現場においては、やはり内蔵部品で一括構成されたスペックを持つタブレットPCを選定できることが望ましいですね。

解決策は待っていれば訪れる・・のか?

これらの解決策はなかなか有効な手が見つからないです・・。
お客様の要望に合わせて、その都度、その案件に合わせて、方式やデバイスを選ぶことも、システム開発には重要な要素だと思います。
また、技術革新が問題を解決してくれることもありますね。(こういった技術革新の出立ての商品は、たいていは高額であることが多く、知見も少ないため、トラブル想定を考慮し、かつ、予算を確保することとの戦いになりますが・・)
たとえば、無線接続機器が安価になり、長時間連続稼働が可能になる、などのハードウェアの性能向上は
最たる例だと思います(m1 macbookair の連続稼働時間が従来のmacbookよりも長ければ、それだけ機動力、利便性は増しますよね)。
身近な家電品の例では、コードレス掃除機の取り回しの良さは、コード式掃除機の比ではないですしね。その代わり、吸引パワーは落ちますが、有り余るメリット(取り回しの良さ)を享受できます。

枯れた技術の水平思考

自身はコンピュータゲームが大好きですので、システム開発にゲーム開発の考え方を当てはめることもあります。任天堂ゲームボーイを作った故・横井軍平さんが提唱していた、「枯れた技術の水平思考」が、今の時代(2022年現在)にも適用できる部分がたくさんあると思っています。

上記の、技術革新に対してのアプローチも意識しながら、実際に枯れている技術を利用することで、パフォーマンスを確保できれば、それに越したことはありません。

自分達が提供したいもの、お客さんが欲しいもの、市場にあって実現しやすいもの、
それらをうまく融合して、アイデアを出しつつ、制約の中で、アプリケーションも含めたシステムの提供ができるといいなあ、と、思っています。

なかなか、思い通りにはならないけどね・・。

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